摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

摩耶山 木ノ袋谷から寒谷北尾根のプラトーへ

連休の真っ只中だけど、何処か歩きたくなった。思い残しがある所に

改めて行ってみよう。杣谷道を淡々と進む。もう見慣れた景色なので

此処まで一枚も写真を撮っていない。日記の表紙になる絵が何もない。

好きな花ではないけど路傍のモチツツジが気になった。枝先が五つに

別れそれぞれに花を付けている。他の木は色々だけど長さや花付きが

揃っている点で珍しいかも。と言う訳で今日初めて撮った写真は此れ。

休日でハイカーは多い。杣谷第二堰堤下の渡渉に苦労されている婦人。

堰堤の巻き道を恐々歩いておられる巨漢の男性。初めて来られたかな。

乗り越し部分には倒れた山桜に変わって、アオダモの木が伸びて来た。

木ノ袋谷出合までやって来た。杣谷道は難しいと感じるようになった。

一般道ながら滑り易い渡渉や濡れた岩場もある。年々バランスが悪く

なっているので他人ごとではない。ここで道を外れて木ノ袋谷に入る。

最初の堰堤を左岸から越えてゴルジェ状。実際はもっと凄みのある所。

写真が下手で普通の河原に見える。二番目の堰堤はどっちから越える

のだったかな。この谷に入っていたのは5年前の事、もう忘れている。

二番目の堰堤に近づけば自ずと分る。右岸から越える。天端から河原

まで高さがある。そういや水抜きの穴にいつも何かが突っ込んである。

鉄筋なら大丈夫そう。手を掛けて飛び降りる。登り返しは難しそうだ。

三番目の堰堤は覚えていた。天端上の眺めが此の谷の険しさを物語る。

でも左岸の巻き道に入ったのは間違いだ。右岸から越えるべきだった。

この巻き道は四番目の堰堤まで河原に降りずに越えてしまうの為の道。

クレモナロープに頼って飛び降りるが、腕力に自信がないので身体を

壁から十分離せず、腕を天端の角で擦りむいてしまった。次は右岸を

越えよう。最初に右岸に顕著な支流が流れ込む。此の谷も歩いている。

だが今日の目的は次の支流。ハム的には木ノ袋谷右岸第三ルンゼだが、

完全遡行した事のない谷なので語る資格はない。前回は上流の沢から

巻いて二番目の滝の上に出た。そこをやり直してみたいと思ったのだ。

一番目の滝は流心の岩がボロボロで左岸から巻く。二番目は外傾気味。

ハムには無理と右岸から巻いた。フェルトシューズを履いているのに

何しに来たのやら。この二つの滝の難易度を記憶も記録もしていない。

三番目の小滝は傾斜も緩む。それに手掛かりもあるので流心を越える。

まだ々水は冷たく感じる。積極的に濡れて楽しい水温や気温ではない。

ところで今日な何の日だったか。それを思い出せなくって悶々とする。

次は小滝とも呼べない露出した岩盤だ。5年前にもあった鉄パイプが

残っていた。介護用の手すりのような感じで越えて行ける。いつもは

一人の時はラジオかネットで音楽を聴いているのだが今日は入らない。

半年前にスマホを替えたのだが電池持ちは悪いし、カメラもイマイチ。

ラジオ機能があるけど不安定。まあ一括100円の品で仕方ないかも。

此の谷は奥に進むと一旦、谷幅が広がり傾斜も緩む。歩いて行くだけ。

此の谷は陰気な寒谷北尾根東面にあって明るい。何故か日が差し込む。

右岸の岩壁は数十メートルの高さだ。二俣のようだが右俣は少し先で

尾根に出そうな短さ。荒れた感じだが岩は大きく比較的安定している。

両岸が狭まって喉のような所。この倒木は5年前にもあった。それ程

朽ちていない。ただ流水に磨かれてツルツルしているので手掛かりに

ならない。この先で谷幅が広がり終盤を迎える。距離的にはごく短い。

木ノ袋谷出合は標高408m。三つの堰堤を越えた所で475mある。

稜線まで比高125m足らずでしかない。V字谷を跨ぐ倒木も以前と

変わらない。歩いているとそう感じないが振り返るとそれなりの傾斜。

すぐそこに寒谷北尾根の稜線。藪を分ける事もなく尾根道に出られる。

新緑はキレイだけど何の彩りもないのが少し残念だ。と思っていたら

僅かにシロバナウンゼンツツジの花が残っていた。季節は進んでいる。

尾根道から少し入ったプラトーに着く。治山ダム建設時には架線場で

あったろう。人工的に削られたかも知れないな。岩の上に座り込んで

クッキーとアイスコーヒーの昼食。これで展望があると良いんだけど。

608ピークから適当に下って行く。傾斜が緩くて藪の薄い所を選ぶ。

寒谷の河原に下り着く前には堰堤工事時代の電(電話?)線が現れた。

なのでコース取りは自然で悪くはなかったと、この時は思っていたが。

下流に二つの治山堰堤。その間は数十mしかない。本当に必要かな

と思うけど言ったところで仕方ない。寒谷らしいナメがあり好ましい。

此処は確信を持って下流に進んだ。堰堤上に右岸から支流が流れ込む。

見覚えのある支谷。寒谷に下った理由は巨木の谷を遡行し山寺尾根に

抜けるのが効率良いと思ったから。連休で掬星台は混み合ってるはず

なので避けたい。それに五郎杉も久しぶりに見てみたいと思ったのだ。

ところが登っても登っても一向に出会うはずの二郎杉が現れないんだ。

とすれば谷を間違ったか、二俣があるのに気づかず右股に入ったかだ。

誤りは間違いないので南側の尾根を越えてみる。此処も記憶にある所。

三郎杉に似た三俣の大木がある。だが隣の蛭が血を吸った後のような

胴が太い木に記憶がない。こりゃ駄目だ。遡行する谷を間違えている。

来るときに5年前のブログを、木ノ袋谷の最初だけを読み返して来た。

岩塊流といった感じの岩が出て来た。此処は掬星台東展望所の直下だ。

家に帰りブログを最後まで読み返すと前回は掬星台下まで上っている。

同じ間違いを2度した訳だ。小滝も登れず全く冴えない一日であった。

岩の丘へ抜ける作業路を拾って南側へ下ると、掬星台まで300mの

公設道標がある山寺尾根道に出る。巨木の谷についての記憶が曖昧で、

もう一つ堰堤を下流に越えるべきだったかと思われるが確信できない。

悄然として山寺尾根を下って行くと、モチツツジの正に花盛りである。 

名前の通り腺毛から粘着質の液を分泌する。それゆえ暑苦しく感じて

好きでない花だ。だが他に見るものの無い山寺尾根では存在感がある。

中腹以降は株の数が一段と多くなる。こんなに沢山あったのかと驚く。

或いは当たり年で花付きが良いのかも。杣谷道に合流するまで続いた。

東谷渡渉点でスニーカーに履き替え下山する。五毛天神のお祭りの日。




今日のBGM 気分上々(cover)

cover
www.youtube.com

 

アニメ「パリピ孔明」の実写版ドラマが作成されるとか家族は配役を

見てイマイチとか言ってるけどハムは期待する。16年前のこの曲も

再び日の目を見ないだろうか。メインテーマよりよほど良いと思うが。