摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

琵琶湖疏水お花見ハイク

昨夜は浜大津の宿に泊まった。暗い内から歩き始めランチを馴染みの

食堂で摂ろうと云うのが当初の予定。しかし琵琶湖疏水大津閘門から

第一トンネルまでの桜が素晴らしかったので夜明けを待って出発する。

10分程歩いて大津閘門下流の北国橋に着いたのは5時40分である。

雲間から朝日が差し込み三井寺の桜をピンクに染めている。観光船が

停泊していた。ちなみに蹴上までの乗船料金は9000円であるとか。

疏水に沿って第一トンネル上まで進む。桜の木は全て柵の内側にある。

緑の芝が美しい。観覧は道路から見るだけなのでシートを広げる余地

もなく、いたって静かな花見が楽しめる。ゴミの一つも落ちていない。

琵琶湖疏水第一トンネルは2436mもある。その間は歩けない訳で

小関越という旧街道を歩いて行く。通行する車も少なく緩やかな道を

のんびり歩いて行ける。峠では逢坂山から長等山への山道が交差する。

峠の少し先から車道を離れて歩道に入る。資材置き場が連続してあり

決して楽しい道とは言えないが、第一トンネルの第一竪坑が見られる。

深さは47m。トンネル掘削では日本で初めて応用された工法だそう。

第一トンネルの西口に下りて来た。此方も緑の芝に大木の桜が美しい。

前回この道を歩いたのは2020年10月の事。紅葉にもまだ早くて

此の先は変化のない景色に退屈してしまった記憶がある。さて今日は。

その時は桜の木がこれほど多いとは思っていなかった。進んで行くと

幾つか小橋が現れるので右岸に移ったり左岸に戻ったりしながら歩く。

時刻はまだ6時46分。近所の方が散歩されているだけで本当に静か。

一燈園脇の大木が伸びやか。ところで今日の天気は午後から雨の予報。

既にポツリポツリ雨粒が落ちてきている。ところがハムは傘を持って

来るのを忘れてしまった。何とか昼過ぎまで待ってくれと願うばかり。

諸羽トンネルの西出口。このころから桜の花びらが流れに乗って来る。

大津では風が吹いているのだろうか。数日後には疏水全体がピンクに

染まるかも知れない。此の付近には意匠を凝らした瀟洒な住宅が多い。

菜の花(たぶんセイヨウカラシナ)と桜の競演。10月に来た時には

キバナコスモスが咲き乱れていた。恐らく地域の方が育てておられる

のだろう。路傍のベンチに座って昨日のアンパンの残りで朝食を摂る。

安来橋から振り返ってみる。光線の具合が違うので若干趣きが変わる。

この橋を渡って山に入って行くと、毘沙門堂があり此処も桜の名所と

なっている。だが既に桜はお腹いっぱいなので立ち寄る気は起きない。

回送の観光船が大津に向かって行く。下りはゆっくり進めるらしいが、

流れに逆らう上りは速度を出していないと側壁にぶつかる危険がある

そうだ。乗客は乗っていないが、かなり大きな航跡波を残して行った。

天智天皇陵北端に沿って進む間は桜の樹も少ない。やがて124mの

第二トンネルが現れる。此処は左岸の住宅街を迂回する。さて此の先

第三トンネルの迂回がやっかい。交通量の多い三条通を歩くのは嫌だ。

第二トンネル東口から山道に入り北側を回るのもありだが、もう少し

先に進んでみたい。封ジ山北という少々変わった名前の児童公園では

桜が散り始めていた。写真は分り難いが風に吹かれ花弁が舞っている。

第三トンネルの東口。日本最古の鉄筋コンクリート橋という碑がある

日ノ岡第11号橋。此の辺りから山に入る道があるという古い情報を

ネットで見たので探してみる。だが私有地立入禁止の札に行き詰まる。

だからと云って三条通に迂回する気もない。橋を渡った左手から道の

無い所を進んでみる。高みに進んで行きさえすれば京都一周トレイル

に出会うだろう。踏跡と呼べるものも無いが小さな谷を進んで行った。

谷は穏やかであったが最後の詰めが足に来る。道の無い所を歩くのは

何か月ぶりだろう。朝の散歩程度では全くトレーニングになってない。

橋から稜線まで100mの標高差だが、翌日は筋肉痛で動けなかった。

ようやく神明山(218m標高点)の東側の尾根道に出た。すぐ先で

京都一周トレイルに出会う。でも歩いている道は何処に下るんだろう。

もっとよく探せばちゃんと道があったかも知れない。まあ仕方ない事。

新明山から北側へ下って行くと山火事注意の垂れ幕がある七福思案処。

展望も無い峠だが名前の通り、幾つも道が交差する。此処を通るのは

もう何度目だろうか。西側を下って行けば滝行場を経て南禅寺に出る。

観光客の賑やかな声が聞こえてくれば水路閣。さて此処からどうする。

南禅寺の境内は今年の1月に歩いたばかり。それならインクライン

抜けてみよう。この先の階段から水路閣に上り疏水分線に沿って行く。

水の流れは量もあり相当に早い。もしも落ちたらタダでは済まないな。

そこそこ観光客も歩いて来られるので擦れ違う時は用心する。この先

には蹴上発電所の取水口や水圧鉄管等があって見所のある観光ルート。

インクライン跡の上端に出る。観光客の方が嬉しそうに写真を撮って

おられるのを見ると、なぜだかオアフ島のレールロード・トレイル

思い出したり。傾斜は全然違うが、どちらも国際的な観光地って感じ。

仁王門通りに出ると断続的に雨が降り出した。やはり白川沿いに下る。

三条通に出る手前チェーンソーの音がすると思ったらタッセルホテル

の裏側で朽ち木の伐採作業をされていた。これはなかなか危険な仕事。

さらに下って祇園白川。サギが料理店の外で餌を待っている。どうも

お店の人が餌付けされているようだ。沢山の人が写真を撮っているが、

これってどうなんだろう。馴染みの食堂に電話すると今日は臨時休業。

雨も本格的に降り出して来たしどうしよう。そういえば四条河原町

タイ料理店が前から気になっていた。東華菜館の隣のビル7階のお店。

この景色が見たかった。もちろん本格的なタイ料理も味わえて大満足。





今日のBGM 


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