摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

荒地山(549m)から横池を経て薬大尾根

先週末は気温が25度近くまで上がったが、今週に入って最高気温が

15度なんて日もあった。金曜日はおおむね晴れ、気温も20度まで

上るという。暑すぎず、正にハイキング日和で見逃す訳にも行かない。

芦屋川の河口からスタートする。一昨日にまとまった雨が降ったので

いつもより水がキレイだったり。左岸の芦屋市側はともかく、右岸の

東灘区側は倉庫群で殺伐としている。沿岸に緑地帯が望まれる景色だ。

河口からは右岸を歩いて仏教会館手前まで進める。左岸には市民会館。

普段は気づかないが、段差のある辺りは天井川で、JR線が川の下を

潜るし、歩行者用斜行エレベーター付きの地下道とかあったりもする。

右岸の歩道を進み開森橋も過ぎる。緑色が濃くなって鮮やか。前方の

ピラミダルなピークが城山。この付近の週末はハイカーが道いっぱい

広がって歩いたりする。勿論住民も迷惑だろうがハムも歩きたくない。

高座の滝には向かわず城山登山口から山に入る。休憩していると工事

関係者が下って来られた。鷹尾山の西面は大規模な法面工事中である。

登って行くと岩の上にカレンダーが、毎日歩いている方の仕事だろう。

11時19分、城山の頂上に到着。此処には荒地山まで60分と示す

道標がある。ところで現在では、イグアナにお株を奪われた感じだが

2021年6月20日に熊の出没騒動があった。その現場がこの近く。

北へ少し歩いた此処。高圧鉄塔の建替工事の為に広く伐採されている。

その頃は工事中で有ったのでフェンス等はあったが、ほぼ同じ状況だ。

先日に京都北山のシャクナゲ尾根を下山中、家族が熊だ!と口走った。

すぐに大型犬だと判ったが、漆黒のラブラドール・レトリバーが少し

首をうな垂れて歩く姿は、遠い昔に平標山で見たクマによく似ている。

後ろに飼主さんがいたが、お話を聞くと山では放し飼いにされるそう。

私見だがほぼ9割方これが真相と思う。ラブラドール・レトリバー

盲導犬に採用される賢く優しい犬だが、独り歩きしていると遠目には

熊に見えなくもない。又2度目の目撃情報は先入観のなせる業だろう。

尾根上の高圧電線の下が伐採されて新しい展望岩が現れた。足元には

発電所の遺構らしき丸い貯水槽が見える。はたしてここまで刈り込む

必要があるかと思ったり。ここでは10分ばかり寄り道してしまった。

今日は3回目の焼肉山行。とはいえ山中でする訳でない。午後三時に

甲南山手焼肉店を予約しているだけ。しかし決められた時刻に下山

するのは難しい。この時は割り合い調子良く歩いているつもりだった。

因みにハムが漆黒の毛並みに感動して、綺麗な犬ですね!と言ったら

その犬にも伝わったのか、背を向けて座ったり手を舐めに来たりする。

ハムにしては珍しく飼い主さんとは15分以上も話し込んでしまった。

そんな楽しいシャクナゲ尾根での思い出を家族と話しつつ歩いて行く。

岩梯子は避けて右の岩場を登って行く。モチツツジも写真を撮って!

と言ってるよと家族が言う。このように花だけなら悪くないんだけど。

ボルダー群の上部では散りかけのコバノミツバツツジ。それはそうと

歩いている感じは悪くなかったんだけど、時間的には既に遅れている。

景色を楽しんでいる暇はない。少し急がねばと荒地山頂上に向かった。

頂上では賑やかな話声がする。オバさま四人組がランチの真っ最中だ。

但しその場所が六甲最高峰への一般道を塞ぐ形になっており、初めて

来た人には迷惑この上ない。そんな訳で立ち止まらず黒岩に向け下る。

黒岩は木陰があり休憩に適している。ところで家族はハンガーノック

状態(極度に空腹を感じて体に力が入らなくなりフラフラする)とか。

朝は中華粥。焼肉店の予約があるので食べ物は何も持って来ていない。

ジュースを飲んで人心地ついたよう。持ってきた水分のほぼ全て消費

する。歩いて来た城山から鷹尾山への稜線が明瞭に見下ろせる。その

向こうには西宮浜辺りが運河のように見える。さてそろそろ行こうか。

下り着くのは高座谷の上流。此処に悩ましい道標がある。進入禁止の

方向に進まないと魚屋道には出られない。よく見ると標柱に鷹尾山・

荒地山コースと記してあるので、そのルートを歩く人の為だけと解釈。

摩耶山上に幾つもある「戻れ」看板と同じと思っておこう。五分岐と

いう所にある付近の詳細地図。枠にまで印刷してある丁寧な私製看板。

鎖には鍵が付いているので、灌木が成長したら緩めるという事だろう。

その地図にダルマ岩と記された展望岩。家族はこんな所あったかなと

言うがもう何度か来ている。今日歩いた城山から荒地山の稜線を一望。

けっこう頑張って歩いたのに平坦に見えるのは、何だか損した気分だ。

魚屋道に出て南下すると分岐があった。急ぐとは言っても横池に寄る

時間は残してある。雄池を迂回して雌池の西側に出る道かと思ったが、

それはもう一つ北の分岐であった。少し歩くと雄池の東岸に飛び出た。

空が広くて気持ち良い。いつもハイカーの姿がある所だが今日は誰も

いない。イノシシもいない。もしかして睡蓮が咲いてないかと思って

来たのだがまだ一か月早かった。葉は少し増えているような気がする。

池にはオタマジャクシがいっぱい。一体何匹いるんだろうか、雄池の

周囲ずっとこの状態なので単位は億とかになりそうだ。その内何匹が

カエルになるのか、以前出会った生物クラブの中学生に聞いてみたい。

雌池に鎮座する巨岩。水が多い時は渡れないし、夏季は木陰が無くて

座っていられない。でも今日は気温も低くくて日差しを温かく感じる。

10分だけ小休止。人に慣れたクサガメの姿が見えないのは少し心配。

下山は魚屋道から薬大尾根を下る。路傍にミヤコツツジ若木を見る。

モチツツジヤマツツジが自然交配して出来た雑種ツツジであるとか。

薬大尾根に入ってすぐに東側に脇道がある。すると家族が声を上げた。

要玄寺川源頭の一つである斜面に藤色の塊が幾つも見える。写真では

分かり難いが、巨木に絡んだ蔓が見えるだけで6本はある。藤自体は

よく見るが、この狭い範囲に何本も自生かつ一株が巨大な点は珍しい。

脇道へ入ってみると斜面の下の方まで藤の花が見える。何て言ったら

良いか藤の谷。もっと探索してみたかったが時間切れ。尚下り着いた

薬科大脇にも大きな藤が自生している。焼肉店には14時58分到着。


今日のBGM 


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