摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

木ノ袋谷の支谷から寒谷北尾根608ピーク北側プラトーへ

この一週間は、どうも気分が乗らず、山にも行く気がしなかった。

医者からも週に2日ぐらいは、運動するように言われているが・・。

やや涼しい日が続いて、水に濡れそうな所には行きたくなかった。

ようやく月曜日にすっきり晴れそう。気温も25度まで上るという。

雲一つない青空の下、JR六甲道から、コアジサイ咲く杣谷道へ。

今日も初めての沢に入るので、家にある装備は全部持って来た。

木ノ袋谷に入って三番目の治山ダム。右岸から越すのが良さそう

だが、天端からの景色が見たくて、今日も左岸から越える。木の葉

が繁り前回より印象が薄い。あの険しい尾根の北側の沢を目指す。

前回手間取ったので、洗濯紐として使っている、短めのロープを

持参し懸垂下降する。でも、古いが太いロープが1本増えている。

河原には人の足跡もあったし、けっこう通行する人はいるようだ。

この谷には、百米と間を空けずに、県の作った治山ダムが連続する。

四番目の治山ダム手前、右岸から細い流れが2本並んで合流する。

このどちらが目的の沢だろう。下流側の沢は滝になっていて難しそう。

そこで上流側の沢に入り様子を見ることに。先行した家族によると、

此方はすぐに水流が消えている。下流側の沢の方が続きそうという。

上流側の沢から中間の斜面を渡ると、下流側の沢に下れる。だが

難しそうな小滝が見えたので、ついでに巻いてしまう。結果的には

二つの小滝を巻いて入渓したことになる。予想より小さな沢なので、

まだ目指す谷かどうか確信出来ない。三番目の小滝は登れそうと

家族が取りついた。その小滝に立てかかっているのは鉄パイプだ。

治山ダム工事の架線場から、流れ落ちて来た物だろうと思われる。

先行した家族が、まだ谷は続くというので、目的の谷と確信できた。

難滝が在ったら即撤退のつもりだが、今の所は左岸に逃げれそう。

木ノ袋谷との出合は、1米ほどの幅だったのに、谷らしくなった。

前方に二俣がある。太い左俣からは陽光が溢れている。細い右俣

は、すぐ上にスカイラインが見えている。左岸の尾根はかなり低い。

左俣に入ると右岸の岩壁が高い。これが寒谷北尾根の中腹から

帯状に続く、岩壁の北端ではないかと思う。写真では分らないが、

もう一段上にも岩壁があるので、高さは50米ほどありそうに思う。

二俣から谷は南西に屈曲する。木ノ袋谷は摩耶別山の影になって、

特に午後から暗い印象だったが、この支谷はダイレクトに日が差す。

V字型の険しい谷に、これほど光が溢れているのは珍しいと言える。

杉の倒木が多い。岩の詰まった段差を、倒木に乗って越えて行く。

谷の真ん中に大きな杉の木が直立している。根元は落石に打た

れてひどく傷ついている。こんな場所でよくここまで育ったものだ。

右岸にも大木が多い。家族は岩場に太い根を張る生命力に感動する。

一本杉を過ぎると稜線が近い。我々に登れるかどうか分からずに来た

ので、ホッとする一瞬だ。曇天の日はもちろん、太陽の低い冬に来ると

全く違う印象を受ける谷だろう。この季節に、晴天の日に来て良かった。

登り着いたのは予想通り、寒谷北尾根から北東に張りだしたプラトー

かつては架線場だったろう、人為的に平削された場所かもしれない。

樹幹越しに、芦屋浜から大阪方面の眺めがある。ここで昼食にしよう。

昼食は先々週食べて美味しかったツナ・クリームチーズのヴォロヴァン。

家族はデザートに、粒餡とバナナを詰めた物も作ってきた。この先はも

う大丈夫だろうと、ワインを200cc摂取するが、後で後悔する事になる。

608ピークから寒谷に下降する。五郎杉の谷の右俣を詰めて、掬星台

に出てみよう。体長の割に胴の太いがいる。今日会った唯一の動物。

寒谷に下って少し下流に進むと堰堤があり、右岸に小さな谷がある。

てっきり此処が五郎杉の谷だと思い入渓する。写真を見ると水流も

少ないし、河床の岩の形状も、色も違っているがまだ気づいてない。

すぐに水は涸れてしまう。ようやく違う沢だと気づいた。どうやら

一つ上の堰堤上流に下ってきたよう。面倒なのでこのまま登ろう。

どうにか尾根に乗ると左(南)側の谷に、杉の巨木が見えるので、

そちらが五郎杉の谷だろう。落ち葉にフェルトが滑って歩きにくい。

右に岩塊流が見えたので、一旦そちらに移り高度を稼いで行く。

ワインの酔いが効いてきたのか、なんだかとても辛くなってきた。

藪が煩くなった所で、左へ斜上して山寺尾根道の最上部に出る。

疲労困憊して掬星台に到着。だが、万歩計を見ると13,000歩。

驚くほど少ない。スマホに入ってたアプリだけど合ってるのかな。

木ノ袋尾根の展望岩から(4月13日)。この写真では出合から

右岸3番目の支谷に見えるが、実際には岩塔尾根の南側にも

支谷があるので出合からは、4番目の水流を辿ったということ。