摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

嵐山周回ハイク・・・京都市西京区・右京区

桜のシーズンで異様に高騰していた宿代がようやく落ち着きを見せた。

日曜日はビジネス客の利用が少ない。何とか泊まれる部屋を予約した。

だがチェックインは16時と遅い。それまで山を歩いて時間を潰そう。

京都は金券ショップで買った阪急電車株主優待券を使って行くので、

駅から歩ける所が良いので、嵐山を周回するコースを選ぶ。5年前に

歩いた逆コース。日本人・外国人半々の観光客と共に嵐山駅で降りる。

嵐山駅から西へすぐの所にある松尾山登山口。英語の案内はグーグル

地図でモンキーパーク入口は此処と表示されるが誤りだと記してある。

ゼンリンが手を引いた混乱期の名残かな。全部で三つも看板があった。

最初は手入れの悪い竹林の中を進み、南から上がって来る林道に合流

すると針葉樹の植林帯をしばらく歩く。Y字型の三叉路まで来て新緑

鮮やかな雑木林となる。ようやく山に入った感がしてホッとする場所。

岩を削って作られた道。薪炭を搬出する荷車の幅を確保してあるよう。

此の先には四差路がある。苔寺へ下る道。頂上へ寄らずに斜上する道。

我々は松尾山頂上へ向かう道に入る。灌木が繁る明るい尾根道である。

松尾山の頂上には三等三角点(点名:松尾)がある。尾根道の延長で

頂上らしからぬ所だが、東側が少し伐採されていて一応の眺望もある。

此の日は最低気温15度、最高気温は20度とまず々ハイキング日和。

松尾山の頂上より、少し先に進んだ三叉路の展望所の方が景色が広い。

禿げた所がモンキーパークで肉眼では多くの観光客の姿が確認できる。

渡月橋は意外にも人の姿が少ない。でも市営駐車場は大型バスで一杯。

アップダウンの少ない道を進んで行くと、この行程唯一の岩場がある。

此処で一般道を外れて稜線に出ると展望所がある。もっとも北側から

容易な道があるのだが、行き過ぎる恐れがあるので岩場から上がった。

渡月橋は見えないが、一般道から離れているので比較的静かな場所だ。

此の先には休憩に適した場所が無いので、とりあえず一休みしておく。

さて一般道に戻って歩いていると、嵐山城址への道を見逃してしまう。

松尾山、嵐山城址、烏ヶ岳には、何れも山頂を迂回するコースがある。

そちらに入ってしまった。寄りたかった所なので反対側からピストン。

しかし高齢者の団体が御食事中で、渡月橋展望ポイントには近寄れず。

なんだかなと元の道に吹き返した。するとさっき迄、前を歩いていた

二人組が戻って来られて、松尾山は何処って聞かれる。都会的な服装

だったので三婆々が、何処行くのって聞いていたけど無視した人達だ。

此の山には面白い私製道標がある。三つの山が迂回路と直登ルートが

ある事の概念図だ。ただし道は円形ではないので初めての人には理解

し難いかも。我々が歩いたコースを写真に黄色の線で描き加えてみた。

前方に見えているのは482ピークかな。此の山も一般道は迂回する。

此処でも下って来たハイカーに道を聞かれた。スマホの地図アプリが

普及してから街中でも山でも道を聞かれるのは珍しい。さすが日曜日。

三等三角点のある482ピークは、西側斜面をトラバースしてしまう。

これ以降は植林帯が保津峡に下山するまで続いた。5年前に来た時は

倒木の多い道だったが、かなり整理されたようで気づかずに通過する。

やがてロータリーと呼ばれる場所に来た。林道の終点で車両の回転場。

此処は資材小屋の裏側から保津峡への道が下っている。道標の一つも

あって良さそうだが何もない。前回は誤って林道を進んだりしている。

資材小屋の裏から道は直線的に下って行く。その先に愛宕山が見えた。

標高に相応しいマッス。猛禽類の羽のような尾根。これはカッコ良い。

植林帯に入ってから唯一の眺望であったので、しばし見惚れてしまう。

その後は淡々と下るのみである。昨日は一日で30mmの雨が降った。

そのため植林帯の道はぬかるんでおり、下り着くまでに3度も転んだ。

路傍に一輪のマムシグサ。さて花と呼んで良いか知らぬが綺麗な造形。

下りに次ぐ下り。保津峡の瀬音が聞こえる辺りが特に急峻。5年前は

折り重なる倒木を乗り越えるのに難儀した所。概ね整理されているが

皆無ではない。ちょうどトロッコ列車が通過したけど写真にはならず。

旧の山陰本線、現在の嵯峨野観光鉄道線をくぐる。ハムが子供の頃に

蒸気機関車に乗って大阪万博を見に来た線路。とんでもない大昔の話。

濡れた石畳がとても滑り易く、転ぶとそのまま河原へ落ちそうで怖い。

トロッコ保津峡駅に向かって護岸の上を歩く。前回は逆向きに歩いた。

その時、家族はとても怖かったそうだが、今回はそうでもないらしい。

やはり下流方向へは僅かでも下るし、視覚的に流れも影響するだろう。

トロッコ列車は約40分後にしかやってこないし、保津川下りの舟は

転覆事故を受けて運休中である。なのでトロッコ保津峡駅では休まず

小倉山に向かう。途中にサスペンスドラマのロケに使われる崖がある。

落合隧道の手前である。清滝川から上がって来た団体さんがゾロゾロ

向われた。景色は良いので一度行ってみるのは有りだ。我々は車道を

ダラダラ上がって行く。六丁峠に到着、小倉山へは車道を外れ山道に。 

桂川沿いの急斜面を斜上して行くのだが、それほどに良い道ではない。

木が生えてなければ足がすくむかも。途中にある鉄の橋は朽ちていて

桟がグラグラしている。つまり歩道として管理されている様子はない。

この山道が高雄ドライブウェイと合流した所に古い看板が残っている。

かつてはハイキングコースとして整備されていたようだが、いまでは

この看板と同じく放置されているようだ。良いコースなのに残念な事。

ドライブウェイ脇から不思議な舗装路が小倉山の山頂に向かっている。

何かの遺構を公園とされているようだが、ただ道があるだけで園地や

ベンチなどはない。イロハモミジの大木が多く秋にはキレイであろう。

途中に小倉山標高点への踏跡もあるが眺望が無いらしいので寄らない。

嵐山公園への下山口を見逃し舗装路の最高所まで行くと、眺望の良い

平地があった。私製ベンチが幾つかあったので行動食を摂って小休止。

嵐山公園に向けて下って行くが、登って来る人は全て外国人観光客だ。

散策路としてロンリープラネットとかに載っているのかな。渡月橋

京都タワーを同時に見る所があった。5年前よりも伐採が進んでいる。

渡月橋近くまで下ると繁華街並みの混雑だった。もうコロナ禍なんて

全然関係ない。そんな中リッチそうな外国人が専属カメラマン付きで

着物姿で闊歩されている姿が目立つ。場違いな我々は早く抜け出そう。

嵐電嵐山駅へいくと入場できない程の人混みだ。これでは二両編成の

嵐電に乗れるわけがない。JRの嵯峨嵐山駅に回ったが此方も同様に

通勤ラッシュ並みの混雑。二条駅まで乗るが各駅乗り残しも出るほど。


今日のBGM 


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