摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

西宮お花見さんぽ(五分咲き)

夙川の桜が見頃になっていると聞く。天気も良さそうだし散歩しようか。

混み合いそうなので朝早くに出かけようと思いながら、自宅を出たのは

10時過ぎ。気温は14度位、歩くには良いけど座り込むには少し寒い。

浜夙川橋から歩いて来たがのだが、桜の開花状況はまだ五分咲き程度か。

或いは今年は花弁のボリュームが小さいのか。写真も禄に取らないまま

阪神高速の高架までやってきた。此処でやっと綺麗と思える樹に出逢う。

阪神本線の高架を潜って香枦園駅の北側へ。此処の両岸には古木がある。

例年、早くに満開になる。どうも若い木より老木の方が開花が早いよう。

それでも枝先までは咲いていない。見慣れた景色なので少々退屈になる。

ここまでは夙川の左岸を北上してきたが、JRの鉄橋手前に対岸に渡る

ための飛び石があった。さて今まで気づかなかったのはどうしてだろう。

この辺りでは保育園児のお散歩を幾組も見かける。まだ余裕のある人出。

飛び石を渡った右岸に立派な御堂が建っている。夙川日切地蔵尊という。

期限や限られた日数とかいう意味で、他所にも同じ名前の地蔵尊がある。

この場所は大手前大学の東側というか裏にあたり、袋小路のような所だ。

河原に戻ってJRの鉄橋を潜り土手に戻ると大きな池のある夙川公民館。

片鉾橋の上流に老大木がある。水面まで枝を下げており絵になる一本だ。

多くの人がカメラを向けていた。この先で前途を阪急夙川駅に遮られる。

いつもは駅の西側を迂回するのだが、人の多さに恐れをなして東側から

回り込む。それも車道を渡った東側。こんな所に枝垂れ桜の大木がある。

まだ々満開ではないが中々に見事。いつもと違う所を歩いてみるもんだ。

再び土手に戻るが人の多さがとんでもない。平日でこんなだと週末には

凄い事になりそう。河原から離れて車道沿いに歩いて行くと、橋の名が

「おほゐでばし」。御婆さん三人組が「思い出橋」かと言い合っていた。

自分も読めずそう思ったが、反対側の欄干には大井出橋と彫られていた。

阪急甲陽線苦楽園口駅の南側。支流との出合。此処も水面が広く見えて

好きな場所だけど、なにせ人が多くて落ち着かない。もう切り上げよう。

最後に苦楽園口橋から上流を見る。何故か海に近い下流より夙川駅から

上流の方が開花状況が良かったと思われ。古木が多いせいかもしれない。

ここからは東側へ進んで、ニテコ池や広田神社に寄って帰る事にしよう。

人混みから離れてニテコ池まで来るとホッと一息。散策する人も少ない。

中段の池を一周する。池畔の桜は満開とは言えないが、とても気持ちの

良い所である。ただ周囲は高級住宅街で休憩できるベンチ等一つもない。

そこで震災記念碑公園に移る。此方も人出は少ないように見えたんだが

ベンチは全て埋まっていた。ちょうど昼時で弁当を食べている人が多い。

擁壁に腰掛ける所を見つけ、テルモスのコーヒーとチョコで一休みする。

そこから東へ数分歩くと廣田神社。正確には神社に隣接する広田山公園。

園内のコバノミツバツツジ群落を回遊する様に遊歩道が設けられている。

サクラと違って一斉に咲く訳ではないが、最盛期はもう少し先かと思う。

この公園には昨年の5月に一度来ているが、その時の印象よりも遥かに

株数が多く見事な群落だった。園内に幾本か桜もあるが圧倒されている。

若葉が先に萌え出てる株が無くて、花だけ咲かせている株ばかりである。

ひときわ色鮮やかな株。この前では記念写真を撮る方が幾組もいらした。

山ならば日当たり良い枝先だけに花をつけるが、ツツジに適したように

株の周囲を伐採してあるので、全体に花が咲いている様子が素晴らしい。

ところで園内で一番良い眺めと思ったのが此方。やや薄暗い林の中から

遠望する景色。そう思うのは我々だけではないらしく、家族が御婆さん

三人にシャッターを頼まれた。この写真を棺桶に入れると言われたとか。

因みに大井出橋の三人組とは別な方達。楽しそうに高低差のある園内を

上って行かれた。この公園は概ね東向き斜面に広がっている。現在地を

把握しかねグルグル二周した所も多い。濃淡のある色合いも又好ましい。

廣田神社側の入口に近い小山。此処は浅い谷を挟んで西向き斜面になる。

全体の開花割合はこんな感じかな。まだツボミの株も多い。4月2日に

ツツジ祭りが開催されるというが、確かにその頃が一番良さそうである。

西宮って昭和の頃は何処が中心か分からなかった。今なら西宮北口かも。

JR、阪急、阪神の三駅も微妙にズレた位置にある。でも広田参道筋を

下って市役所前に着くと、その昔はこの道が中心だったのかと思われた。