大和三山で唯一歩いていない耳成山(みみなしやま)に行ってみよう。
大和八木駅前の宿から歩いて10分足らず、錦織病院前の踏切へ来た
のは午前5時30分、まだ暗い、明けるのがすっかり遅くなっていた。
昼間はまだ暑い日が続くのに季節は確実に進んでいる。耳成山も黒い
影にしか見えない。ここまでは市街地で灯りもあったのだが、踏切を
渡ると田園が広がり真っ暗になった。ちょっと出発が早すぎたようだ。
ところが案内板に従って田んぼの脇を進んで行くと、耳成山の麓から
一人また一人と歩いて来られる。こんなに暗いのにと思うが、皆さん
公園で体操したり散歩したりの帰りのよう。10人ぐらいと擦れ違う。
登山口の様子や案内板等は暗すぎて写真にならない。概念図を見ると
斜上して直接山頂を目指す道と、開聞岳のように山腹をグルグル回り
上って行く道がある。まだ日の出まで時間が有るので後者の道を選ぶ。
ところが此の周回路は一向に標高が上がらない。ずっと樹林の中を進み
展望無しだが一ヶ所だけ畝傍山が見える所がある。小さな山だからすぐ
頂上に着くだろうと思っていたが、登山口から山頂まで20分かかった。
ちゃんとした道は山頂直下の神社まで、そこから先は踏跡が広がった
ような道が伸びている。三等三角点のある頂上は予想通りで展望皆無。
それに社や祠の類も一切無い。北側に道が伸びているので行ってみる。
少しだけ切開きがあって二上山が見えた。それぐらいで休憩に適した
所も無いのでさっさと下ろう。そうこうしていると三々五々上がって
来る人もいる。もちろん観光客ではなくてご近所の方達だと思われる。
耳成山の西側こそ田園風景が残っているが、東側の麓は新興住宅街で
人口密度は高いようだ。神社に下る途中では南東側が少しだけ見えた。
はっきりしないけど香久山だろう。背後の多武峰が見えないのが残念。
神社に参拝して表参道を下る。上りはグルグル回って20分掛ったが、
下りは6分ほどで登山口に着いた。ちょうど日が昇って来たのだろう
木漏れ日がオレンジ色。公園や麓の道は散歩をする人で賑わっていた。
踏切近くまで戻って来て振り返る。東の空に太陽が登りきったところ。
耳成山の名は何処から見ても円錐形で、耳のように飛び出た所がない
から付いたとか。とにかく大和三山がどんな山か知ることが出来た訳。
今日出会った動物
登山口に居た太った黒猫。近所の人に十二分に餌を貰ってるんだろう。
今日のBGM
でもね結局の所全て終わった後で、孤独になるのはあなたの方なのよ。