摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

夙川 鯉のぼり散歩

今日は5月5日(子供の日)。好天に恵まれたし4日になって夙川に

鯉のぼりが掛けられたから散歩に行ってみよう。例年は4月下旬から

あるのに5月に入っても無いので、今年も中止なのかなと思っていた。

それが一晩で景色が変わったので驚いた。浜夙川橋の下からスタート。

良い試みかもしれない。と云うのも例年子供の日の頃は、鯉のぼりが

雨風でくたびれていたり、ロープに絡まっていたりする事が多かった。

まだ二日目なので生地がシャキッとしている。風向きも良くて元気に

泳いでいる。余り広報はされてないと思うが、スマホやカメラを手に

散策する人や、小さな子供にポーズを取らせ記念写真を撮る方も多い。

阪神大震災で被災した香櫨園小学校に、静岡県の団体から寄付された

のが始まりとか。当時500旒あったそうだが、今は100旒位だろ

うか。水面に映る鯉のぼりの影が、きれいな魚の形をしていて面白い。

改めて考えてみると、以前はこの季節に山歩きに行くと、麓の集落で

庭先に大きな鯉のぼりを見かける事が多かった。だが最近見ていない。

いや昔は団地のベランダにも小さな鯉のぼりがあったけどそれも無い。

そのせいか鯉のぼりが新鮮に思われる。ただ天気が良いからだけでは

無さそう。我々の頃は黒いのがお父さん、赤いのがお母さん、それに

青いのが子供の一匹。少し時代が経つと小さな赤い女の子も加わった。

でも大きな緑って誰だろう。舅とか姑だと揉め事が起こりそうで心配。

阪神高速道路の手前で鯉のぼりは終わる。例年は阪急夙川駅南側まで

あったので、また現れるんじゃないかと期待しつつ進むがもういない。

我々と同じように探しながら上流に歩く人もいたが、阪神線、JR線を

潜っても現れないまま、結局夙川公民館前に一つだけあった。片鉾橋

から下流を見る。ここで終わっては運動にならない。もう少し歩こう。

阪急線を潜った所。こほろぎ橋という人道橋。いつになく水量が多い。

初めて気づいたが本物の錦鯉が一匹泳いでいる。さて何処まで歩こう。

スマホで地図を見ると、阪急苦楽園口の東側に大きな緑地や池がある。

苦楽園口橋で夙川を離れて東へ進むと大きな池が現れた。ニテコ池だ。

ちょうど北山池と同じように三つの池が南北に並んでいる。池畔には

名次神社という立派な神社、それに大邸宅があったりと雰囲気がある。

池の東側に回ってきた。背後は全面ガラス張りの低層高級マンション。

きっと部屋からの眺めはもっと良いはず。北側には甲山も見えている。

池の北側には広大な市立満池谷墓地があるが、公園墓地ではないよう。

敷地の南端だけ震災記念碑公園として開放されていた。園地の奥には

火垂るの墓誕生の地という碑があるが、しっかり小説と付記してある。

この付近は小高い丘の高級住宅街。道が直線でなく方向を失いやすい。

スマホのマップを頼りに更に東にある緑地に入った。標識も案内板も

なかったので先を行く家族は、本当に公園なのと言いだす。地図では

広田山公園。この先に廣田神社があるはずだが何方へ行けば良いやら。

それほど広い。廣田神社といえばツツジ。それは知ってたが決定的な

間違いをしていた。神社なので園芸種、ちょうど花期かと思っていた。

ところが遊歩道の両脇は、全てツツジの藪だが花は既に終わっている。

摩耶山でもよく見るコバノミツバツツジだった。因みにつつじ祭り

四月の中旬に行われるそうだ。山で見るより高木でかつ濃密に茂って

いるのでさぞや見事であろう。来年以降ぜひ花期に来てみたいと思う。

遊歩道をグルグル回って廣田神社の境内に入った。江戸時代の地図が

掲示されている。夙川は宿川、鳴尾は成尾、宮川は打手川。芦屋川の

西岸が芦屋とされ、東岸は芦屋新田となっている所とか中々興味深い。

それに本殿が大きく厳かな佇まいである事に驚く。相当に格式が高い

と思われた。帰って調べ直すと兵庫県一の古社であるという。つまり

西宮という地名は、京都の西にあるこの神社を指したものなんだそう。

さて々帰ろうか。最近に整備されたらしい広田参道筋を南下して行く。

この参道は国道171号線手前まで続いた。鯉のぼりから始めた散歩

だけど知らない所も多くあり存外楽しめた。家に着くと32000歩。

この鯉のぼりは5月14日まで。15日には全て無くなっていました。

設置・回収の素早さには少々驚きます。作業の様子を見てみたいです。