2014年から16年にかけて、摩耶第四堰堤より上流の支谷を好ん
で歩いた。杣谷源流遡行と題して5回記事にしている。その第3回に
これより上流の杣谷左岸には遡行対象は無いと、決めつけてしまった。
だが先日、杣谷上流を歩いた時にナメを持つ支谷を見かけた。勧進滝
とパックマン岩の中間辺り。入り口からすぐ奥に壁が立っているので、
その上はガレに埋まって、伏流しているのではと思ったが確かめよう。
大した装備も持ってないのに、此処まで杣谷道を歩いて大汗をかいて
いる。途中2度も休憩したりヨレヨレ。高島トレイルで少し歩けるよ
うになったかと思ったが全然ダメ。水流の上を歩いてやっと汗が引く。
杣谷の河原からも見えていた滝に突き当たる。高さは2m程だが難し
そう。滝身の左側から中央にかけて取りついてみる。小さいスタンス
があって右手が落ち口にかかる。体を引き上げようとしたら、右手の
ホールドが剥離して、その小さな衝撃で、左足のスタンスが崩壊した。
見た目よりも脆い岩相のようだ。打たれ弱いハムはあっさり巻く事に
した。だが後で逆層気味の滝身右側を試すべきだったと後悔している。
左岸から巻き上って落ち口に出る。見下ろすと杣谷の河原まで見えて
いる。さて勧進滝より一つ上流の谷は、入口こそナメだったが、すぐ
ガレで埋まり、水流を見ないまま稜線まで土砂の詰まった谷を歩いた。
そのため以降は杣谷源流域の左岸には興味を失っていた。稜線までの
標高差が僅かであることも要因である。だが予想に反して、最初の小
滝を越えても、河床の岩盤が露出し少ないとはいえ水流が途絶えない。
さらに一段上がると谷幅が広がり、奥には濡れたナメ滝が見えている。
明るく穏やかな渓相が好ましい。この風景を見れただけでも来て良か
った。全く期待していなかっただけに、 まだ水流が続いていて嬉しい。
奥のナメ滝。岩が露出している部分は均等に濡れている。乾いている
所がない。風化して柔らかい岩質なので、僅かな水流にも浸食されて
岩が均されるんだろうか。小さな凹凸を拾って、流心を歩いて行けた。
ナメ滝の上も河床の岩が露出し、気持ちよく歩いて行ける。実際には
短い距離なので、味わって歩かないとアッという間に終わってしまい
そう。上の写真の奥でガレに埋まり、伏流するようになってしまった。
二俣に突き当たる。両岸の岩壁が迫り恐ろし気な所。この付近の地形
を考えると、向かって左側つまり西側の方が、詰めで急峻になるはず。
そうでなくとも右の方が幅広いので、本流とみて躊躇なく右俣に入る。
驚くべき事にガレはなくなり、河床は僅かに濡れている。傾斜の緩い
ナメ状が続いて、最奥は傾斜が上がっている。階段状に見えなくもな
いが、何だか複雑な形状で、近づいてみなければ抜けれるか分らない。
やや傾斜は上がるが階段状で抜けれそうだ。ところが指が掛るような
ホールドは少し力を入れるだけで、塊りごと剥離してしまう。段々を
押さえつけるようにして流心を登って行く。左右の壁際はもっと脆い。
さらにガリー状を倒木を手掛かりに抜けて行くと、滝というか岩壁に
突き当たった。中央を登れないかと中段まで上がってみるが、どうも
難しいというか、足をかけても崩れそうで、諦めて右岸を巻き上った。
この上も二俣状になっているが、やはり右の方が穏やかなので、緩や
かな所を選んで歩いて行く。傾斜はさほど上がらない。前方には既に
スカイラインが見えている。稜線まで数十メートルに過ぎないだろう。
飛び出した所は長峰山から杣谷峠への一般道。振り向くと六甲線一五
鉄塔の基部が見えた。予想通りの場所。面白い谷だった。単独では短
すぎるが杣谷遡行と組み合わせれば、手軽な半日コースになるだろう。
一段上がった所のベンチで小休止。アプローチの疲れもあって今日は
これまでにしよう。家族には此の後に炊飯器沢に行くと言って来たが、
そんな体力は残ってない。杣谷峠に下り、ドライブウェイを掬星台へ。
昼食は天国ベンチ。最近ユーチューブで、インドの食堂や屋台の動画
を見るのに嵌っている。今日の昼食は、その中でも一番美味しそうに
見えたチーズ・チキン・サンドイッチを、家族に頼んで作って貰った。
このために神戸スパイス二宮店でマサラも買ってきた。パンは3枚使っ
ている。タンドリーチキンも沢山。バターも沢山。マサラも沢山かけて、
カロリー一杯。肝心の味は現物を食べた事がないので似てるかどうか?。
今日のBGM
インドのチーズチキンサンドイッチの作り方 / Cheese Chicken Sandwich