摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

第3回 杣谷源流遡行

10月26日の日曜日。今日も朝から動く元気がない。どうしようか。

それでも空は晴れ上がり、気温は高い。短いコースを考えてみよう。

家を出たのは12時過ぎ。ケーブル・ロープウェイを乗り継ぎ掬星台。

イカーで賑う掬星台で昼食を済ませて、ドライブウェイを杣谷峠へ。

総じて紅葉はまだまだだが、北向き斜面は僅かに色づき始めている。

杣谷峠から勧進滝まで下って、その一つ上流の支沢を登ってみよう。

此処から見た長峰山の西斜面は、相当に急である。気が引き締まる。

今年の9月14日に、この支沢を少し登り、勧進滝落口へ高巻いた。

今日はこの沢を登ってみよう。入口から30mばかりの所で崖崩れ。

今年の台風による物だろう。大きな岩が不安定に積み重なっている。

乗り越えれると思っていたのだが、目の前にすると恐ろしくなった。

何しろ傾斜のある滑の上に、岩塊や倒木が乗っているので、一旦、

バランスが崩れればどうなることか。右岸の立木を頼って越える。

越えた上流は、階段状の岩が露出した川床だが、長くは続かない。

すぐに沢筋は岩や土砂で埋もれてしまう。思ったよりも小さな沢。

水流がもう一度現れるが、これも一瞬のことで、後は伏流する。

見上げれば木々の葉が色づき始めている。だが気温は20度以上。

沢筋は土砂の詰まった窪みに。土砂は柔らかくとても登りにくい。

稜線まで、そんな調子かと思ったら、大岩が両岸から迫ってくる。

ここはチムニーというか、両足で突っ張ってズリ上がって越えた。

大岩を抜けると稜線が近い。飛び出した所は六甲線一五鉄塔東側。

気温が高く汗びっしょりだ。ベンチで冷たい水を飲んで一休みする。

期待した程の沢ではなかった。木の袋谷出合より上流の杣谷左岸で、

遡行価値がある支沢は、勧進滝の上流のみ、というのが今日の収穫。