摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

道南 自転車旅行9日目(大成〜島牧)・・・2017年9月9日

9日目の朝は、暗い内に出発準備を済ませた。計画段階で

一番緊張すると思われた、道道740号線を通過するからだ。

4年前に全線開通したが、3kmを超える太田トンネルがある。

大成野営場から国道を走り、道道との分岐に6時前に到着。

740号線には大成市街とのサインで、北檜山に抜けれると

記されてない。もう一度ネットで、状況を確かめ走り始める。

出発時は雲が厚かったが、西の空が明るい。それにしても

海の色が凄みを帯びている。まだ眠っている大成の町内に

開いている商店はない。次の瀬棚町までは何も無いだろう。

分岐から1時間走ると、太田まで、5kmのサインが現れた。

相変わらず北檜山に抜けれるとは記されていない。この点

が最後まで疑問だった。利用促進は考えられていないよう。

7時4分、帆越山トンネル(1857m)入口。ヘッドランプを

点滅にして、後ろ向きに首にかける。後方から来る車両は

気づいてくれるだろうし、回せば前方を照らすことも出来る。

端の歩道は自転車で走るには狭い。3日目の37号線では、

大型車の通行が多かったので、ほとんど狭い歩道を歩いた。

たまたま運が良かったのか、走り抜ける間1台の通行もない。

帆越山トンネルを抜けると、太田漁港と集落が見えてきた。

旧道はより海岸に近い所を通っていて、トンネルではなくて

覆道であったため、荒天時は太田集落が孤立化したという。

山側に鳥居あったが、思わず立ち止まった。本殿に通じる

階段が恐ろしいほど急峻、太いロープがフィックスしてある。

時間があれば是非にも参拝してみたかった。帰宅してから

ネットで調べると、太田神社は想像以上の山岳霊場だった。

港から振り返えり、海から聳え立つ太田山(485m)を望む。

珍しく道沿いに公園があったが、キャンプは禁止の立て札。

此処に来て、やっと北檜山に抜けれると交通標識があった。

奥に見えるのが、太田トンネル(3360m)。入口まで行って

聴き耳を立てると、車の走行音が聞こえたので通過を待つ。

幸いこのトンネルでも、対向車は数台あったが、追抜きは

1台だけだった。緊張はしているが、トンネル内は無風で、

平坦なので走りやすい。日昼部トンネル(1161m)が続く。

旧の瀬棚町側に出てきた。もう長いトンネルはない。あれ

だけ立派なトンネルが作られているのに、北側は1車線の

道路が断続的に残っている。用地買収の問題だろうかな。

海岸線が緩やかな弧を描く。その奥が瀬棚市街のはずだ。

まだ8時を過ぎたばかりだけど、結構遠くに見える。実際に

此処からは、北海道らしい平原の中を走るようになっていく。

9時ちょうどに、平原の真ん中を流れる後志利別川を渡る。

大成から山を越えて来た国道229号線と合流すると、風力

発電の側を通って、瀬棚市街に入る。割と大きそうな町だ。

そう思ったのが大きな間違い。町の入口にセイコーマート

があったが、スーパーでも在るだろうと行き過ぎたら、その

後は土産物屋しかない。三本杉海水浴場で水を補給する。

三本杉から弁天岬までの20kmはひたすら海岸線を辿る。

寒村が続くばかりで商店はない。食料が切れたので水を

度々飲んで走り続る。平坦なので楽だが陽射しが厳しい。

2時間ほど同じような海岸線を進むと、道は山に入って

行く。島牧村との境、茂津多トンネル(1974m)手前で

ギブアップ。家族にラインで「食料より日陰が欲しい」と

泣き言を送っている。工事現場に自販機があったので、

リアルゴールド500ml(140円)を買って、しばらく座り

込む。再び走りだしトンネルに入ると、涼しくて生き返る。

続いて、狩場トンネル(1648m)。この区間は10kmの

内、8kmがトンネルと言われている。確かに長いトンネル

の長さを合計すると、6.7km、その他の覆道も併せれば

そのぐらいかな。兜岩トンネル(1370m)、白糸トンネル

(1806m)と連続する。暑さで弱ったハムには、トンネル

は涼しい。平坦で楽に踏める。交通量が少ないのも良い。

トンネル群を抜けてからも2時間走り、14時ちょうどに

道の駅よってけ!島牧に到着する。100円のミニトマト

を買う。冷蔵庫で冷やされてたし、とても甘くて美味しい。

島牧村の中心に到着。役場の向かいにセイコーマート

人口1538人、850世帯の村。小学校と中学校があり、

診療所もある。放課後の小学校で子供達が遊んでいた。

今日は空腹のまま走ったので、少々多めに食料を買って

しまう。合計1111円。378円のスペイン産ワイン以外は

全て1個108円以下の商品ばかり。ペペロンチーノが旨い。

大平地区という看板を見て、てっきりこの辺りがキャンプ

適地とされている大平海岸だと、思ってテントを張ったが、

トイレや水道もないと家族にラインで言うと、どうも違った。

大平トンネルの手前で張ったのだが、本当の大平海岸

は、トンネルを抜けた先だったよう。張ってしまったので

勘弁して貰おう。疲れ切ってるし、もうワインも飲んでる。

本日の走行距離:97km  (出典・地理院地図)