摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

玉手山を越えて明神山(274m)へ・・・大阪府柏原市・奈良県王寺町

昨年10月に信貴山に行った時、駅で明神山のパンフレットを貰った。

標高274mだけど眺望はすこぶる良いという。ただ王寺町側からは

頂上へ車道が通じているので、山歩きとしては少々魅力に欠けている。

明神山だけでは一日ハイクとして時間も持て余しそう。なのでお隣の

柏原の見所を幾つか回ってから登るとしよう。という訳でJR柏原駅

本当は近鉄道明寺駅にしたかったが、料金面でJRに軍配が上がった。

柏原駅から700m程南下すれば大和川。右側は近鉄道明寺線の鉄橋。

我々は左の新大和橋(歩行者及び自転車専用)で渡る。この橋が見所

一つ目かも。明治7年に村人の寄付で架橋されたという歴史のある橋。

只すぐ痛んで維持も困難になり明治13年には官費営繕となったとか。

石川との合流点で架橋には向いてない所だったかも。橋を渡った後は

河原に下りて南下して行く。ナヨクサフジの紫色の花が満開であった。

やがて前方に見えて来るのが、昭和3年に架橋された玉手橋。当時の

姿そのまま。背景に大和葛城山金剛山が並ぶ。これが二番目の見所。

大阪鉄道(現近鉄)が道明寺駅から玉手山遊園地への通路として架橋。

主塔や橋台がレンガで装飾されており、遊園地へのアプローチとして

当時はお洒落だったろう。現在は柏原市が管理する歩行者・自転車橋。

吊り橋なので歩いていると若干揺れる。渡ったら玉手山公園を目指す。

来場者用に架橋する位だから分り易い道が残っているはずと思いきや、

昭和ぽい住宅密集地をウロウロしてしまう。どうも公園敷地も入口も

往時とは相当変わっているらしい。とは言え玉手橋から16分で到着。

現在は柏原市立玉手山公園である。今年の3月末までは有料の遊具も

あったというが、隅に片付けられてしまい遊園地としての面影はない。

見回せど他の来場者はいないが、園内整備されている職員はチラホラ。

なので園内はゴミ一つ落ちてなく至って清浄である。メイン広場から

展示物のあるコミュニティ広場や、遊具等のある冒険の広場へは急な

階段を上らねばならない。これは幼児を連れて上がるのは無理っぽい。

とりあえず展望台に行ってみようと北側へ進む。一見すると古そうだ

ったけどベンチは新しい物だ。後でお借りしたトイレも新築だったし

柏原市としては廃園する気はなさそう。でも維持費は相当掛かりそう。

展望台からの眺めは意外に良い。玉手橋や歩いて来た住宅地が足元に。

石川の対岸にある緑の塊は何れも古墳だという。遠くにハルカスから

梅田のビル群。六甲山も薄っすら見えている。天気予報は午後から雨。

野外劇場に玩具や昆虫の展示館も残っているが、何とも言えない気分。

早々に東口から退出しようと思ったら、更に急坂を登らねばならない。

大阪夏の陣供養塔の辺りが最高所かな。東側に二上山が僅かに望める。

東口を出るとすぐ瀟洒な住宅街となる。どん々下って近鉄河内国分駅

此処は府道27号線や、国道25号線と165号線の合流点があって

とても交通繁華な所だ。だけど一歩脇に入ると静かで古い町並が続く。

国道25号線沿いに行けば次の目的地だが、それを嫌って裏道を歩く。

緩やかな峠状を越すと最終目的地の明神山へと続く山並が見えて来た。

その前にもう一ヶ所見所がある。国道25号線に出て少し東側に進む。

巨大な機械工場とセメント工場の間の細道。国道から10mも入ると

目的の川端橋(青谷つり橋)の主塔が現れる。なぜかアンカレッジ

機械工場の敷地内。吊り橋って言うからもっと長閑な所と思っていた。

渡り始めればそれなりの風景だ。大和川だけに川幅は広いし緑も多い。

定員は15名って書いてあったけど、二人でも揺れるし合板の床板が

頼りない。渡った先には廃止された立派な野球場が有って少々驚いた。

観覧席やナイター設備もある本格的なものだが、国の治水対策に協力

するという理由で取り壊されるそう。右岸アンカレッジはスタンドと

一体だが橋はどうなるのか。東側にちょこんと高いのが明神山だろう。

再び国道25号線に戻って、農道を南側の山並みに向って上って行く。

河内国分寺跡を背に山裾の車道をしばらく東へ。すると唐突に斜面を

上る道が現れた。まあ此処を上がって行けば稜線上の道に出られそう。

とにかく急峻で一直線だ。畑が尽きると合板張りの小屋が二棟現れた。

最初の小屋には山羊が三匹。白黒で遠くから見ると牛かと思ったのは

ポニーだった。とても清潔にされているのか匂いは全く気にならない。

さらに上がると馬の家族がいた。ペットとして飼っておられるのかな。

こんな急斜面では世話は大変だろう。ところで川端橋の来歴について

調べても良く分からない。その場所がかつて渡船場だったと云うだけ。

その通行を守る為に架けられたとは思うが、その昔は工場の従業員が

あの橋を渡って野球を楽しんでいたと思う。馬小屋を過ぎるとやっと

緩やかになる。最初は明瞭だったのに稜線の手前で道を失ってしまう。

僅かな距離だが斜面を適当に上ると、思ったより広い稜線の道に出た。

この時に何だか左腕の付け根が痒い。羽虫が飛んでいたので咬まれた

と思っていたが、夜になると体左側面が掌大2ヶ所赤く腫れあがった。

どうも何かの木にかぶれたよう。過去ウルシの経験はあるが、その時

ほど酷くはない。只露出した所でなく布一枚通してかぶれたのが怖い。

前を行く家族は何ともなかったが、とにかくこの行程はお勧めしない。

主稜線の道は関西電力の巡視路のようで非常に歩きやすい。要所には

黒いプラ階段や簡易な舗装も施されていた。その割には明神山が遠い。

稜線に出てから30分で、ようやく明神山らしきピークが見えて来た。

既にパラパラと頭上の葉っぱを叩く雨音が聞こえている。湿気も多く

視界もボヤっとしている。やがて広い稜線道から脇に入る小径が現れ

明神山を示す私製道標があった。ここは大人しく道標に従って行こう。

やがて立派な東屋のある園地に到着した。明神山の頂上の一角に違い

ないだろう。ほっと一安心。雨も激しくなっていたので東屋で小休止。

広い道に外周路という道標がある。どちらに行っても頂上に着きそう。

取り敢えず北へ上って行く方向を選ぶと、半周位もした先に頂上への

舗装路が現れた。朱色の鳥居がまず目に入るが神社がある様な雰囲気

でない。整えられた都市公園と云う感じ。展望台の下にベンチもある。

弧を描く展望台が三基ある。全部繋いで円形だったなら万博の大屋根

リングは明神山のパクリって言えたろう。眺望は広く奈良盆地を一望。

大和葛城山金剛山が大きく見える。ただ雨模様なので霞んではいる。

西側の展望台には大きな輪っかと鐘があった。出来た当時の写真では

悠久の鐘という銘板だけだったのに、現在は恋人の聖地という銘板が

後付けされていた。家族がまたしても無駄に鐘を鳴らす。控え目な音。

南東を向いた展望台からは信貴山生駒山。とにかく展望は良いので

空の澄んだ日に再訪したいと思う。さて下山はJR和歌山線畠田駅を

目指す。列車は1時間に1本。次の発車は50分後だ。急いで下ろう。

と思いつつ自販機があるのに気が付いた。少々お高いが誘惑に負けた。

冷たいレモンスカッシュが美味しい。そんな事をしていたら後45分。

グーグルマップでは徒歩で47分表示。舗装道路を小走りに駆け下る。

まず現れたのが明神4丁目辺りの高級住宅街。瀟洒で意匠を凝らした

邸宅が並ぶ様子は東生駒帝塚山のよう。それでも畠田駅に近づくと

古い町家も現れ、新旧何れも裕福。奈良県のイメージが大きく変わる。

ずっと小走りで畠田駅に13時7分到着する。間に合ったと喜んだが

毎時11分発は和歌山行きだったという大間違いに気付く。まあ王子

行きは22分発だったが救い。なぜか畠山みどりさんを思い出す駅名。

 

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