摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

鳳凰山(934m)西狗牙嶺から登る・・・・・ランタオ島・・・2012年1月3日

フォートラベルという旅行サイトの、「jun2」さんの投稿記事で知ったのが、

鳳凰山の「狗牙嶺」という尾根。険しい尾根のようで登高意欲をそそった。

ところが、バス停からの山の位置関係が、どうしても分からず取り付きに

辿りつけるか、不安だった。どうも自分が思っている方向と反対みたいだ。

地下鉄・東涌駅から、11番大澳行きのバスに乗車。「石壁警崗」で下車する。

バスから下車して、振り返ると鳳凰山が見えた。位置関係の不明が氷解した。

石壁警崗のバス停はダム湖の堰堤の一端にある。昨年も、此の路線に乗車した。

海辺から登ってきたバスは、ダム湖の周囲を通って観音山に向ったという記憶だ。

海から山に向って走り、ダムがあるなら、その先に目指す山頂があるだろうという、

日本的な考えに囚われていた。バスは峠を越え、側面から堰堤上の道路を横切る。

バス道をしばらく戻ると、公園がある。此の奥の橋を渡ると、狗牙嶺への道がある。

石壁郊遊径というトレイル。此の道自体はダム湖の側壁をトラバースするように、

鳳凰山麓の昂平に向う。その途中で右手に、狗牙嶺への尾根があるという具合。

急な階段を幾つかこなすと、緩やかで広い道となる。右手の尾根が中狗牙嶺だろう。

水平道といっても良いようなトレイルを、進んでいくと、先方に深い谷が現われる。

対岸は岩尾根となっている。これが西狗牙嶺の取りつきに違いない。この道は谷を、

大きく回り込むのであろう。対岸のほぼ同じ高さに、水平なトレイルが見えている。

路傍の大岩に書かれた落書き。五言律詩だが、漢文の素養なく意味が分からない。

岩尾根をへつるような道。岩が多いせいか疎林となり、前方ににダム湖が見える。

期待通り、トレイルが尾根を回り込むところが、西狗牙嶺の取りつきであった。

振り返ると照葉樹林の森に、歩いて来た道が一筋の線となって見えていた。

西狗牙嶺の取りつきから、背の低い照葉樹が茂る藪斜面を、ひとしきり急登。

傾斜が緩くなりなった所で、一気に展望が開ける。これから進む尾根が見える。

足元には石壁水塘。堰堤の先は海だ。天気が良ければ素晴しい景色に違いない。

昂平の大仏。本当に何処からでも良く見える所に作ったものだ。その向こうは大東山。

緩やかだった岩尾根だったが、やがて目の前に岩峰が壁のように聳え立つ。

稜線には一筋の道が続く。ここからが狗牙(犬の歯)という名の由縁であろう。

急斜面は、目の前に地面があるので、それほど怖くない。ところがピークに達すると、

両側がすっぱりと切れ落ちて、50センチもはずせば奈落の底。ちょっとクラクラする。

右手からは、伸びやかな稜線の中狗牙嶺が登ってくる。下れば稜線漫歩を楽しめそうだ。

中狗牙嶺との合流点を目指し、急な細尾根を登って行く。薄日が差して、かなり暑い。