摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

シャープ・ピーク(468m)・・・・・・西貢・・・2010年12月27日

香港で一日だけ山歩きが出来るとしたら、迷わずこの山に登る。

500mに満たない標高だが、香港一の美しい自然を楽しめる山。

今回の旅行中、一番天候の良い日をあてたかった。幸い今日は、

昨日の北風も治まり快晴に恵まれた。祝日なので、バスも多い。

MTR鑽石駅から96R黄石碼頭行きバスに乗車。北潭凹で下車。

北潭凹(峠)には、トイレや飲料水の自販機、案内板等がある。

マクリホース・トレイルに入るが、コンクリ舗装の道でがっかり。

シャープ・ピークが見えたが、道はすぐに赤徑へ下ってしまう。

キャンプの帰りだろうか、大きな荷物の大勢の学生とすれ違う。

一旦赤徑近くの浜辺まで下ったトレイルは、廃村を抜けて行く。

やがて道は登り返して大浪坳の峠に至る。この間ずっと舗装路。

峠からシャープピークに階段道が上って行く。ようやく土を踏む。

登るにつれ、大鷲が翼を広げたような勇壮なシャープピークが現れる。

本当にこの山は、標高468mなんだろうか。にわかには信じられない。

だが標高の低さは登れば実感する。あっという間に肩まで登ってしまう。

道は乾燥し大きな砂利道で歩き難い。所々岩場があるが難しくはない。

大湾からの稜線道と合すると、後は大展望の道を山頂まで一気に登る。

山頂はハイカーで混み合い、三角点の写真を撮ろうとするがままならず。

北側に少し下りコバルトブルーの南蛇湾を見下ろし乍ら、昼食休憩した。

こんな美しい山を、峠からのピストンで終わらせるのは、もったいない。

山頂からは西の東湾山鞍部へと、南西の大湾へ、二本の稜線が下る。

どちらも捨てがたいが、東湾山への稜線が長いので、そちらに下ろう。

東湾山との鞍部まで下ったところで、シャープ・ピークを振り返る。

摩耶山は猪が沢山いるが、香港の山には牛がいる。放牧されてる

のかな。野良牛かな。大人しくて登山者には、何の興味も示さない。

日本の山は雪が積もると立派に見える。それは尾根や谷の陰影が

ハッキリするからだろうか。香港の山は木が無い故に立派に見える。

下りついた谷底には水流があって、一帯がキャンプ地となっている。

道が縦横にあるので、展望の無い樹林の中では、少々迷ってしまう。

南の尾根の末端に登り返せば、東湾の展望が開け大湾への道も分る。

山頂から下ってくる稜線道と出合った後、大湾の砂浜の北端につく。

靴を脱ぎ波に足を洗われ乍ら南に向う。波打ち際の砂は固くしまり、

足跡が僅かに残る位で歩き易い。こんな楽しみが用意されてるとは。

シャープ・ピーク登山の最後を飾る、素晴らしいフィナーレだった。

今日は休日なので、山頂以上に浜辺には行楽客の姿が多い。愛犬を

散歩させる西洋人の姿が多かった。此処まで歩いて来られたのかな。

鹹田湾への乗り越しから、楽しかった大湾の砂浜に、別れを告げる。

下った鹹田湾には、食堂が二軒並んでて、行楽客で賑わっている。

お値段は高めだが、海を見ながら食事する気分は、悪くないだろう。

この先の、西湾村にも食堂が数軒あったが、お客さんは少なかった。

鹹田湾南端からは、コンクリ道のマクリホース・トレイルに戻る。

一旦西湾村まで下り、バス停がある西湾亭まで単調な登り返し。

休日で西貢行きミニバスはピストン運行。満員になり次第出発。

西貢から92番の鑽石駅行きバスに乗り、彩虹駅と鑽石駅間は

夕方道路が混むのでMTR彩虹駅で下車し、地下鉄に乗換える。

満足な山行ができて、とても幸せな気分で佐敦の安宿に帰った。