今日も曇りだったら、もっと低い山に登ろうと思っていたが、
朝、安宿の小さな窓から見上げると、青い空が見えている。
それなら、西貢の馬鞍山(マーオーシャン)に行ってみよう。
地下鉄・彩虹駅から92番の西貢行き二階建バスに乗車する。
二階最前列に座るが、意外に香港の人には不人気な席のよう。
西貢からは、99番の泥涌行きに乗車して、水浪窩で下車する。
登山口は、こんなところ。水浪窩バス停からは、100米程戻る。
二階建てバスには、車内に次の停留所表示があって便利だが、
たまに表示がとぶこともあり、前後のバス停名もメモしておこう。
登山口付近は、バーベキュー場等があって、ちょっと複雑だ。
マクリホース・トレイルの案内標識もあるが、少し不安になる。
「香港低山散歩」の案内のように、舗装道路を歩くほうが良い。
トレイルもやがて、舗装道路に合流し、ゆるやかに登っていく。
この先は、公設標識が随所にあって、なんの不安もなく歩ける。
馬鞍山がどんどん大きくなる。ツバキに似た花が咲いている。
逆光で黒く見える緑の笹原、茶色が多い冬の香港では珍しい。
思いのほかに、あっけなく稜線に出る。風が強くて寒い。
マクリホース・トレイルは、馬鞍山の頂上には寄らないが、
山頂を目指す登山道はある。道標に従って山頂に向かう。
稜線からが本格的な登り、ハイカーも途中で休む人が多い。
海の向こうに高層ビル群が見えている、香港ならではの風景。
北側には牛押山。吊り尾根を登ってくる人が見える。いつか
歩いてみたい。吐露港の向こうには、貯水池の堰堤が見える。
その横に八仙嶺がかわいらしい。その向うは中国本土の山か。
馬鞍山の頂上13時30分に到着。登山口11時だったので
2時間半もかかった。三角点は高さ1m位、電信柱ぐらいの
太さのコンクリート柱。三角の金属板が埋められていている。
牛押山の稜線を、沙田側に下りたくなったが、まだ不案内な香港。
ぐっと我慢して、「香港低山散歩」の案内どおりトレイルに戻った。
ピストンなんて大嫌いな歩き方。研究して良いコースを選びたい。
大金鐘へ向かう伸びやかな尾根。左右両側の展望が開けて、
空を行くようだが、歩いてみると割りと幅がある。写真の人は
愛犬がこの道を行くのを、ビデオに撮ろうとスタンバイしてる。
自分が歩くより人が歩いてるのを、見てる方が気持ち良い。
空港でもらった観光パンフレットにも、此処の写真が大きく
使われていた。左手の小山に登って撮ったら、より高度感
が出たかなと少し反省。家族が歩ききった所で追いかける。
マクリホース・トレイルは、なぜか大金鐘さえも巻いてしまう。
幸い一旦トレイルを離れるが、大金鐘を越えて又戻る道がある。
急斜面だが距離は短い。振り返ると馬鞍山が、随分高く見える。
進行方向には、昂平という平原というか台地がある。面白い地形。
大金鐘から下っても、トレイルには戻らず草原の中を適当に進む。
とても風が強く、帽子が飛ばされそうで押さえてると、無帽の人が、
たぶん「僕の帽子は西貢まで飛んで行ったよ。」って話してくれるが、
広東語が分らず、すぐに反応できない。無視したみたいで、ゴメン。
昂平では、若い人達が凧揚げを楽しんでた。振り返って大金鐘。
「香港低山散歩」は、さらにトレイルを進み茅坪から北港に下る
コースを案内するが、西貢の街もみたいので、ここで東側に下る。
良い道が西貢に下るが、すぐコンクリ道になって、ちょっと興ざめ。
かなり標高の高い所まで住宅がある。傾斜が急で車道は左右に
逃げて行くが、直進方向にも、きっと細い歩道があるに違いない。
まるで民家の庭先を通るような感じで、か細い歩道が続いていく。
ひょっこり四車線道路に出る。歩道橋を渡ってしばらくで海鮮街へ。
中華の海鮮は高く食事は無理だが、店先を見てるだけでも楽しい。
西貢の街を一通り散策し、92番鑽石山駅行きバスで帰途に着く。