摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

京都で早朝散歩・・・京都御苑・堀川遊歩道の巻

この日は四条堀川の宿に泊まっている。京都市内では比較的安い宿が

集まっている地域で競争も激しい。いつも値段だけで選んでいたけど、

地図を見直すと二条城が近く、更に足を延ばせば京都御苑も散歩圏だ。

という訳で此の付近でも最安値の宿を選ぶ。ビジネスホテルではなく

ツインばかりの観光安宿。でも新しいので快適。午前6時に出かける。

堀川通を北上して二条城外周を時計回りに半周し北東角に来たところ。

竹谷町通に入って東へ進んで行く。雨に濡れた街角に地蔵堂の灯りが、

オリエンタルな雰囲気を醸し出している。遠い昔にポカラへ行く為に、

真っ暗なカトマンズの下町を、バス停に向って歩いたことを思い出す。

丸太町通に面した間之町口から京都御苑に入る。少し靄が掛っている。

此処は環境省所管の国民公園という位置付けらしい。なるほど苑内に

ゲートボール場やテニスコートもある。だがそれにしては人影がない。

まだ暗かった二条城の外周は、ランニングや散歩する人が少なからず

いたのに。細かい砂利が一面に敷かれてるので歩き難いからだろうか。

或いは御所という場所に何か遠慮があるのか。余所者には分らないな。

寺町御門から一旦東側に出る。外塀と寺町通との間に緑地帯があって、

土の上を歩ける。恐らく掘割が埋め立てられた跡だろう。正規の歩道

ではないが、細い踏み跡が北へ続いている。家族が何故か屈みこんだ。

近寄ると切り株にキノコが密生していた。家族がブナシメジだと言う。

どうも怪しい。採取する気は全くないが、後でグーグルレンズで画像

検索するとヒラタケらしい。その答も全幅の信頼はおけないと思われ。

緑地帯を北上していくと梨木神社の境内に出会う。一之鳥居を潜ると

マンションの壁面に突き当たる。定期借地権で開発業者に貸した土地。

参道の真上で神社本庁も反対するはず。為に離脱し単立神社となった。

清和院御門から再び御苑内に入る。砂利の上を歩くのは気が進まない。

北側へ歩道が続いているのでそちらに入ってみよう。公衆トイレの脇

から地道が始った。西側には京都迎賓館を見つつ林の中を進んで行く。

メタセコイア等の巨木が立ち並んでいる。コオロギの里・母と子の森

とか名前が付けられている。昼間はバードウォッチングで賑わうそう。

この時は人影も見えず、奥深い山の中のような幽邃感さえ漂っている。

7時15分、そろそろ帰途に付こうか。今日の宿はチェックアウトが

10時なので少々せわしない。今出川口が見えた所で西へ向きを変え、

落葉の降り積もった林の中をショートカットして、乾御門から出よう。  

乾御門から武者小路通を西進する。京都としては至って普通の街並み。

でも千家の官休庵という茶室があったり。堀川が地上に表れる上端に

行き着いて水流の細さに驚いた。これは琵琶湖疎水から引いてきた水。

その流れに沿って下って行くと、少しづつ水量も増えて来る。歴史を

語ると長くなるが、自然の川でなく昔から人工的な水路であるという。

賀茂川からの水が途絶え、荒れていた川を平成時代に整備されたとか。

小さな滝の横。人工だが趣がある。遊歩道としてはトリッキーな部分。

橋の銘板を見ると、これが色々な伝説で有名な一条戻橋。清明神社に

あるミニチュアは見知っていたが、実際本物があるとは知らなかった。

一条戻橋を潜ると視界が広がる。続いて堀川第一橋(中立売通り)が

現われる。この時は何も知らず通り抜けたが、明治6年に架けられた

石造橋。本来は全円アーチだが川のかさ上げ工事で半円になったとか。

さらに下って二条城前の松並木が見える所。川の流れの中に飛び石が

施されている。雨で濡れているので恐々下って行く。さて散歩に良さ

そうな遊歩道だが、この時間帯は通勤路として利用する人の方が多い。

二条城東大手門前で堀川は暗渠に入り約1500mの遊歩道は終わる。

地上に出たとたん二条城に向かう外国人観光客の姿をアチコチに見る。

四条堀川の宿に着いたのは8時15分。熱いシャワーを浴びて人心地。

 

今日のBGM 


www.youtube.com (音量が最大なのでご注意ください)

15年以上も神戸のFM局でDJをされている。番組ではオバちゃん

キャラなのに・・・。