摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

稲荷山(233m)・・・京都市伏見区

紅葉の季節が終わり、京都の宿泊施設の価格がやっと落ち着いてきた。

予算が余っていたのか全国旅行支援も再開されたので、2泊の予定で

京都旅。中日の昼食は伏見の食堂と決めて、そこまで散歩してみよう。

宿は京都駅南側。まず朝食代わりに亀井商店のサンカクを買いに寄る。

生地が生焼けというかクリーム状の不思議な食べ物。150円だった

のが170円に値上がりしていた。東山橋からみる稲荷山。低いよね。

橋を渡って京阪本線の踏切を越えると東福寺の境内。11時前なのに

市立日吉ヶ丘高校の生徒が下校してくる。二学期の終業式だったのか。

珍しく観光客の姿のない臥雲橋。お坊さんがバイクを押し渡って来た。

三葉楓の樹冠ごしに通天橋を望む。後ろを通り過ぎた高校生の二人が

雪が積もるとキレイだよって話している。機会があれば見てみたいが

そうなればカメラを持った人で大渋滞しそう。この景色でも十分満足。

庭園の拝観受付のある方丈前まで入ってみる。紅葉の時期には此処も

入れず今回初めて。拝観客の姿も少なく、のんびりした雰囲気が漂う。

国宝の三門(1425年)を横目にしつつ、六波羅門から東側に出る。

車坂の高級住宅街のどんづまりに京都一周トレイルの公設道標がある。

右へ行けば眺めの良い四つ辻に出られるが、とんでもない混雑を予想。

今回も左の階段を降り、裏参道というか清滝社経由で一ノ峯を目指す。

臥雲橋の架かる洗玉澗の上流に当る谷筋を行く。時刻は11時30分。

ちょっと慌てる。余裕を見て出てきたのだが、カタパン屋さんで焼き

あがりを待っていた時間が長った。ランチタイムに間に合うだろうか。

今日はこの沢の上流で左俣の道に入ってみたい。清瀧からの参詣道に

入らず、そのまま林道を歩いて行く。この上に橋があり右俣に渡れる。

四つ辻にはそちらが近いが、頂上である一ノ峯は、左の方が若干近い。

直線的な階段が続いて足に来る。すると上から大きな振り分け荷物を

担いで降りて来る人がいる。とんでもなく重いらしく左右にフラフラ。

道を譲ると問わず語り「お酒なんです」と言われる。ゆうパックの人。

その後も5・6人同じ荷物を担いで降りて来られた。中には青息吐息

という人もいる。どうも山上の社に奉納された清酒を降ろされている

のかと思われる。でも一人が運ぶ量としては度が越えていたかと思う。

山上の周回路に合流し頂上の一ノ峰を目指す。まだ新しい鳥居が続く。

初穂料は100万円以上するので、ここまで人力で運んでも納得だが、

ゆうパックの人達は十分な配達料貰ってるのか。などと考えてしまう。

一ノ峰の手前で石段が急になる。この上でカラフルなヒジャブの女性

女性たちが固まっている。まだ学生さんかなって感じだが、内一人が

もう登りたくないと言っている。昔は遠足なんかでよく見かけた風景。

一ノ峰に到着したのは11時48分。思ったよりずいぶん早く着いた。

これなら伏見の食堂のランチに間に合いそうだ。此処にいる観光客の

7割ぐらいが外国人。表参道は大混雑だろうから南側の裏参道を下る。

白菊の滝へ下って来た。この建物が南アルプスの山小屋を思い出させ

好きな雰囲気の所。車道に出る前の路肩は、野イチゴが自生する場所。

冬イチゴも生るよと前に教えて貰ったので、探して見るが見つからず。

特に見所が有る訳でもない裏道を下って来たが、既に何組もの外国人

観光客と擦れ違ってる。さらに此の先では上がって来る人が数珠繋ぎ。

中には小さな子供連れも。どうも表参道の混雑を避けて来られたよう。

伏見神寶神社手前から稲荷山を望む。この後千本鳥居の上に飛び出る。

そこからの混雑ぶりが凄かった。時刻的に上りの人が多くて、下りは

遠慮しなければならない。外国人ばかりでなく日本人も結構おられる。

これだけ外国から人が来られるのだから、参拝する価値があるのでは。

そう見直して訪れる日本人も多いんじゃなかろうか。そう言う我々も

その類である。西へ向かい竹田街道沿いにある食堂に伺い昼食を頂く。

この頃は食堂選びの基準に、調理されている人が誰だか分かるお店と

思うようになった。今日のお店は昭和なオープンキッチン。勧進橋で

鴨川右岸に下り北上。塩小路橋から京都駅へ。思っていたよりも近い。