摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

吉田山(121m)・・・京都市左京区

久しぶりに京都に行きたくなり昼食を電話予約。西大路御池の食堂を

出たのは13時30分。近くのバス停から市バス203系統に乗車し、

北白川で下車すると、バス道を挟んで南側が吉田山の北側入口である。

吉田神社北参道。正面の道は緩やかだが、今日は左手の急な道に入る。

それにしても僅か千円のランチの予約できるというのも、京都独特の

文化かもしれない。客回転を重視するならとてもできない事だと思う。

店前に行列が出来ると、近所から苦情(いけず)されるという側面も

あるよう。予約で席が空いているのに断られる。我々もしばしば体験。

一見さんお断りと思えなくもない。尾根沿いに疑似木土留階段が続く。

10分足らずで吉田山展望台到着。東屋と方位版があるが見えるのは

東側の大文字山のみ。正面に火床が見えているが送り火の日に来たら

どんなだろう。121mの標高点は今立っている東屋の辺りだろうか。

吉田山一番の見所は頂上ではなく東面の神楽岡貸家群。紅葉の綺麗な

所であり観光客の訪れない名所。大正時代に作られた銅葺屋根の高級

借家が並んでいる。しかし最上段の一軒は鋼板に葺き替えられていた。

老朽化は否めないので仕方ない事だ。紅葉の最盛期には遅かったかも

知れない。モミジの葉に艶が無い。北側に比叡山が秀麗な姿を見せて

いた。日の暮れるのが早い初冬。これから四条通まで歩いて行く予定。

足早に借家群の上端辺りだけ巡る。残念ながらカフェや食堂として開放

されている家は無い。もしあれば東側の庭越しに眺めを楽しみたいもの。

借家群の南側上端から細道を辿って行き、竹中稲荷社へ尾根沿いに進む。

吉田山の山中には、兼好法師ゆかりの吉田神社を初めとして四社がある。

僅かな距離で、その一つ竹中稲荷に至る。ここは参道に立ち並ぶ鳥居と

桜並木の紅葉が美しいのだが、勿論それは全て枯れ落ちてしまっていた。

更に進むと自然に宗忠(むねただ)神社の境内に入る。1862年創建

だが吉田神社に劣らぬ立派な神社。後で眼病平癒の御利益があると知る。

祈願しておけばよかった。参道を東に下ると正面に真如堂が見えて来た。

すぐ真如堂(真正極楽寺)の門前に至る。此処へ来るのは何度目だろう。

京都の寺社仏閣に対する認識を改めさせられたところ。本堂内等有料の

区域もあるけれど、美しい紅葉が眺められる境内については無料である。

今日も国内外の観光客が多数訪れている。紅葉の様子は終わりかけ乍ら、

写真にすればまずまずで、真正極楽寺という名の通りという景色である。

この総門は1695年の築。吉田神社の神々が通り易いよう敷居がない。

総門から本堂に直接向かうよりも、南側の脇参道を歩く方が美しい庭を

楽しめる。緑の苔庭と降り積もった落葉の対比。正面に三重塔があるが、

紅葉と一緒に写せない。いろいろ場所を変えてカメラを向けるが難しい。

さらに進んで鐘楼の上から何とか三重塔を写せた。この位がやっとかな。

それにしても自由に歩き回らせて頂ける。三重塔と鐘楼どちらも江戸期

の建築というが、京都では室町時代の建築何てざらにあるからだろうか。

さすがに撞木は外してあって勝手には鳴らせない。梵鐘は戦時中に金属

供出に遭ったけど終戦で返還されたそう。こんな所を歩いて良いのかと

思いつつ、鐘楼上を一回り。さて本堂裏の敷き紅葉の様子を見に行こう。

紅葉の名所として真如堂の良い所は無料であるだけでなく、落葉後でも

敷き紅葉が美しく長い期間楽しめる所。まだ今日は落葉が少なくて苔が

見えている。なので観光客も上にカメラを向け庭に注目する人はいない。

一番人気のあった撮影スポットは此方。二十人近い人か一箇所に集まり

写真を撮っているので、てっきり団体さんと思ったらみんな個人観光客。

やや傾いた日差しを透かす紅葉と、黒い屋根のアングルが良いのだろう。

名残惜しいが暗くなる前に四条河原町に出たい。石畳の道を南側に進む。

何処が境界か分からぬが、犬の散歩禁止検討中(真如堂)だった看板が、

犬の散歩禁止に変われば金戒光明寺の境内である。歩く人は割合少ない。

金戒光明寺墓所上端に出る。標高80m程あるので西山まで見渡せる。

此処も由緒ある寺院で大きな伽藍や山門があるが、境内に桜やモミジは

少なく観光に向かない。石段途中から南へ路地に入り岡崎神社脇に出る。

更に南下すると平安神宮から岡崎公園。左に京セラ美術館。右には府立

図書館を見て大鳥居。琵琶湖疎水を慶流橋の交差点で西に進むと白川筋。

碁盤の目の京都の街を斜めに歩いて行ける数少ない道で気に入っている。

そのスタート地点に面白い石碑を見つけた。どうやら川の水を堰き止め

プールにしていたようだ。背後の遺構が上流側の堰。昭和48年にこの

石碑を立てたのが、川端少年補導委員会と記されているのが何とも昭和。

それにしても水流が多い。先週に見た布引貯水池の渇水状況からすると

信じられない気分である。三条通に出る手前で川沿いから離れて西側の

路地を進む。和食店蕎麦屋が二軒並び、和菓子工場いずれも人気の店。

白川というと知恩院下の一本橋(行者橋)が有名だけど、他にも二本の

細い橋がある。それらを渡ってみたりし乍ら川沿いに下り祇園東に入る。

段々観光客の姿を多く見るようになり白川が鴨川に合流すれば四条大橋

今年も夏の暑さに負け10月半ばまで、外出せず散歩すらしてない状態。

気が付けば晩秋というより初冬になってしまった。この先こんな年月を

過ごす事になるのか、まあ仕方ないな。安い立ち飲み屋に寄って帰ろう。

今日出会った動物

 

今日のBGM 


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我沒有力氣度過這個夏天  用秋天的落紅葉包圍自己