摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

名残の紅葉を求めて二本松林道へ

11月半ばから風邪をこじらせ寝込んで散歩もままならず、ようやく

回復した。三宮の医院での受診を兼ねて、二本松林道を歩いてみよう。

上りは一番楽な道と思い、北野町西公園から堂徳山南尾根にとりつく。

公園からの景色に違和感。すぐ下の白い邸宅の屋根にブルーシートが。

無住となったよう。その西側は更地になっている。此処へ来る途中も

美しかったハンター坂の洋館の庭が荒廃していた。何か変化を感じる。

公園奥から猪除けの柵を抜けて急峻な尾根道に取り付く。相変わらず

滑り易い。ずっと暗い照葉樹の森が続いて山頂でやっとモミジを見る。

三角点に小さな私製山名板が新しく掛けられていた。まず々悪くない。

山頂の北側、小屋跡と思われる台地。写真では盛期のように見えるが、

やはり遅かったな。此処には公設のテーブルとベンチが有ったのだが、

朽ちてしまった。家族と中華粥の朝食を作ったのは15年も前の事だ。

山腹の道を進み二本松林道に降り立つ。林道東端までモミジが続くが、

これでは往復する気は起きなかった。紅いというより茶色に近いかも。

今年の夏は暑くて雨も少なかった。そこから急に冷え込む日も続いた。

例年であれば11月末は二本松林道の紅葉の最盛期。今年は10日程

季節の進み具合が早いよう。西側に向かって再度山ドライブウェイに

下る手前の大木。葉が散ってしまいボリューム感が乏しくなっている。

二本松バス停から一般車両通行可能区間に入る。この奥には鯰学舎と

いう高級料亭があるので、タクシーや高級自家用車が通ったりもする。

今日はこの先で伐採作業があるらしく、軽のバンが追い越して行った。

二本松林道は何度も来ているが、2019年11月30日が素晴らし

かった。その記憶が強くて、同じ日にちを選んで来たような所もある。

夏が暑かった為か降雨が少ないからか、葉がチリチリにいじけている。

猩々池の貯水量もこの通り。1817年に作られた農業用溜池だけど、

その頃なら大惨事だ。琵琶湖の水位が低いというニュースを聞いても

他人ごとのように思っていたが、知らずに異常気象の只中に居たんだ。

ここで二本松林道から離れ、猩々池の左岸を通って北に向う。すると

スリットダムが有って驚いた。銘板を確かめてみると平成31年完成。

もう5年も歩いてないのか。でもこの谷にこんなダムが必要なのかな。

鯰学舎の手前で右側の尾根道に入る。300m程の区間だが大龍寺に

直接向かうより植生に変化があり好ましい。登り着いた善助茶屋跡は

モミジではないが真っ赤に紅葉した木が残っていた。北に転じ大龍寺。

驚いた事に銀杏の黄葉が盛期。散り始めて間もなく名物の敷き黄葉は

来週辺りが見頃になりそう。あれ?例年モミジの紅葉よりも早く散る

んじゃなかったか。これも異常気象の一つの現われかと思ったりする。

数年前に伐採され展望が良くなった再度山頂上。割合人の多い所だが、

大学生風の若者二人だけ。スニーカーにナップサックという普段着姿

だが下りしな「登りは体力、下りは技術だ!」と名言を残して行った。

修法ヶ原池まで下って来た。紅葉は終りに近いが人出は意外にも多い。

平日だが旧ボートハウスのコーヒー店が営業していてお客もそこそこ。

とりあえず一周してみる。池越しに見えるのが先程までいた再度山だ。

蛇谷を下って行く。ここも針葉樹に縁どられた紅葉が綺麗な所だけど、

やはり一週間は遅かったかな。時刻は13時30分。少し曇って来た。

市ヶ原には数組のハイカーが昼食中だったし、焚火の煙も漂っている。

全般に根強いアウトドアブームが続いているという感じ。貯水池まで

下って来ると貯水量の少なさに驚いた。廣助稲荷より上流では普段は

見られない湖底の石積の堰が見えていた。紅葉は最早終わりが近い姿。

現在の所、神戸市水道局から渇水についての情報提供はないが、実際

どうなんだろう。これから冬にかけ纏まった降雨は見込めそうにない。

かろうじて五本松堰堤下のイロハモミジが見事だが足早に下って行く。

滝之茶屋は木曜定休で営業されていない。一度ぐらい湯豆腐でビール

とか贅沢してみたいものだが一度も入った事がない。雄滝は細い乍ら

水流がある。もちろん貯水池から流れ出た水ではなく観光の為の放流。

新神戸駅前から裏滝道を下って行く。加納町三丁目の布引ビルが解体

されたのは記憶に新しいのだが、土地は絶対売らないと大書していた

滝道ガレージが更地になっているのに驚いた。色々変わって行く三宮。

 

今日のBGM 


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