摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

芦屋地獄谷から横池へ

6月に入ってから梅雨空が続いたので山に出かける気がしなかった。

それが土曜・日曜と晴れ、今日も晴れると言うので流石に家を出る。

平日ではあるが、阪急芦屋川駅の北側公園にはハイカーの姿が多い。

今日は暑いので地獄谷から横池に行ってみようと、まず高座滝に着く。

滝の茶屋は閉まっている。看板にはロックガーデンとあるが賢明にも

芦屋とは冠していない。そんな説明が無用だった頃のデザインだろう。

高座滝から小さな尾根を乗り越して、通称「芦屋地獄谷」に入渓する。

既に神戸市東灘区の区域であって、此のブログの表題も正確性を欠く。

六甲山系に地獄谷は幾つかあるので、区別する為の言い習わしである。

地理院地図には地獄谷と記されているが、砂防事務所の堰堤の名には

梅谷が付いている。おおよそ地名とはそんなもので正確を求めるより、

判り易さの方が優先されるようだ。休日には行列が出来る最初の小滝。

次の滝の前に苔の生えていない巨岩。記憶を巡らせても思い出せない。

最近に落ちて来たのではなかろうか。家に帰って古い写真を見直すと

3年前に撮っているが、此の岩は無かった。落ちたのはその後だろう。

さて芦屋ロックガーデンとネットで検索し、最初に出て来たのは何と

芦屋市役所の公式ホームページ。そこにはロークガーデンが神戸市の

市域だとは一言もない。問い合わせ先は芦屋市地域経済振興課だとか。

しかし他の市域の状況について、どう答えるつもりなのか大いに疑問。

また芦屋市役所発行の案内マップも芦屋ロックガーデンと記載がある。

当然の事ながら芦屋市が設置する公設道標は、東灘区内に無いのだが。

小便滝に到着。右俣の流れを追えばA懸に至る。地獄谷もここまでは

ロックガーデンへの通路として長く利用されている。岩にステップが

刻まれており、何とも人工的な雰囲気がして沢歩きの楽しみは少ない。

まあ此処まで愚にもつかないような事を書き綴って来たのはそのせい。

梅谷第二砂防ダムを越えると、やっと地獄谷も落ち着きを感じられる。

岩が露出した川床に真砂が溜まる様子は、六甲山の沢らしく好ましい。

二段の滝に到着。上下の滝とも釜は持っていない。上段がドーム状の

岩壁に囲まれているのが見応えがある。その内壁を左岸から巻き上る

ルートも楽しい。全体のスケールは小さいのだが此の谷では好きな所。

美しくないが滑床が続くのは嬉しい。芦屋市だろうが東灘区だろうが、

地名の曖昧さってあるだろう。でも登山が地方の主要観光資源である

韓国だったら、どんな論争が起きるかなって想像してみるのも面白い。

二段の滝の他にも幾つか小滝がある。書き忘れていが小便滝下流では

何となく有機臭がしていた。そういう点でも下流域は楽しめなかった。

地獄谷には建物等はないのにどうしてだろう。猪が多いからだろうか。

他の山域の水は平気で飲むハムも、六甲山系では湧き水にしろ絶対に

飲まないようにしている。今日も二人で2Lの水分を持ってきている。

奥の二俣を右へ入り、谷幅一杯の巨岩脇を抜けると風吹岩もほど近い。

幾つか道がある。その中で唯一濡れた道を選んで進む。マーキングも

あるが信用できない。高みに上がればいずれにしろ道に出るだろうが、

どうせならピッタリ風吹岩に着きたいのだ。シダ藪の道を抜けていく。

樹林の中の急登をこなすと正に風吹岩に到着。いつも人の多い所だが

今日はお一人だけ。すぐに移動されたので、久しぶりに岩の上に登る。

梅雨の晴れ間なので、湿気が多くてボーっとし冴えない眺望であった。

新しく出来た山名標識の脇にチョコンと子猫がいた。餌は沢山貰って

いるよく太っている。我々に餌をねだる様子もなく。何だこいつらと

睨みつけている。でも居心地の悪そうな地べたにいるのは何故だろう。

風吹岩からは魚屋道を北上し横池の北岸に回り込んだ。雄池の睡蓮は

今が盛りであろう。無数の白い花が咲いている。ただ例年より水量が

極端に多い。そのため花が岸から遠くて花見をするには不都合である。

更に西側に回り込んで写真を撮ってみるが、スマホでは望遠も効かず

様にならない。それにしても睡蓮は急に水かさが増えても水没しない

だろうか。これでは例年より茎が相当長くないと浮かんでいられない。

雌池に回ると先月より更に水量が増えている。池畔の巨岩が水没寸前。

昨年は水が少なく巨岩の基部まで露出していた。いつもの大岩に座り

桃のゼリー各1個の大休止。爽やかな風が吹き抜け気持ちの良い午後。

風が強くなると面白い事が起こった。睡蓮の葉がパラパラ捲れ上がり

臙脂色の裏側を見せるのだ。さあ帰ろうかと思うと草亀が一匹寄って

来た。昨年いた三匹の内の一匹かな。生きていたかと少しホッとする。

 

今日のBGM 

[COVER] B-DAY TRACK #417RYUJIN” | Every Second by Mina Okabe

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