摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

摩耶山 行者尾根から掬星台へ

11月の第三土曜日。今年最後のリュックサックマーケットの開催日。

家族が不用品を出品するという。当日の朝にバタバタ準備をしたので

出発が遅くなってしまう。なるべく短時間で掬星台まで行き着きたい。

上野道か山寺尾根かと思ったが、人が多そうなので行者尾根を選んだ。

賑わう王子動物園を抜けて青谷。行者堂までは下って来る毎朝登山の

人ばかりで意外に静かだった。針葉樹や照葉樹の多い谷で初めは暗い。

それでも中流の不法耕作地辺りで谷が広がり秋らしい色合いを見せる。

今頃は表六甲ドライブウェイ沿いがキレイだろう。二本松林道はまだ

早いかな。旧摩耶道と合流するとハイカーも増え一気に賑やかになる。

それを避けるように行者尾根に入る。出品物を詰めたザックは大き目。

いつもなら二度三度休憩するのだが、今日は時間に追われ歩き続ける。

本気で出品するなら、11時には開店準備を終えていないと売れない。

というのも掬星台に人が多いのは、11時から13時半ぐらいまでだ。

既に11時を過ぎており焦っている。売上に期待している訳でないが、

何も売れないのでは面白くない。この先一組追い越して天狗道に出る。

アドベンチャールート出合で休憩していた団体に追われる羽目になり、

いつになく急ぎ足で歩く。どうも休日の天狗道はせわしない。脇道に

入りホッと一息。ごく短い区間だけど山歩きの良さを思い出させる所。

ようやく辿り着いた掬星台。来客はそれほどでないが出店者数は多い。

家族が片隅に店を広げると、ハムはする事がないので一回りしてみる。

一番繁盛してるのは観葉植物のお店。安くはないが次々と売れて行く。

それと香り高いコーヒーのお店。ウッドデッキではアコースティック

コンサートが開催。だがスピーカーを持ち込んで大音量で演奏したり、

マイクで語りだす勘違い出演者がいたりと本来の趣旨からズレていた。

何だかなぁと思っていたら、園地北側でサックス・ギター・ベースの

トリオが演奏を始めた。これが秀逸。サックスの優しい音色が絶妙だ。

良いものを聴かせて貰った。風もなく陽射しの暖かい長閑な摩耶山上。

14時半で店仕舞い。売れたのは持ってきた物の三分の一程。家族は

もう少し売れると思っていたらしい。「自分の要らない物は、他人も

要らない」という事か。山寺尾根を下って水道筋で野菜を買って帰る。