摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

知恩院から東山山頂公園を経て清水寺へ

此の日は10時チェックアウトの宿に泊まっていた。昼食まで散歩し

少しお腹を減らそう。何度か歩いた東山だけど、知恩院から清水寺

抜けるルートを改めて歩いてみたい。手軽に観光も山歩きも楽しめる。

宮川町から建仁寺や銅閣寺を経て、円山公園までやってきた。紅葉は

来週がピークだろうか。それに合わせてホテルの値段も高騰していく。

どうせ歩くならその頃にと思うが懐が許さない。右端が清水山だろう。

円山公園の北隣が知恩院。庭園拝観は有料だが境内を歩く分には無料。

その昔に旅行会社で添乗していた家族は、京都の寺院は何処も彼処も

拝観料が必要だと思っていたらしい。もちろんハムもそう思っていた。

だが意外に無料で入れる所が多い。知恩院はその代表ではなかろうか。

国宝である三門を潜り、石段を上がれば此れも国宝の御影堂を拝める。

仏歌が聞こえる堂内の拝観もできそうだが、無信心なので止めておく。

浄土宗について少し勉強してから拝観したい。いずれそんな時が来る

ような気がする。経蔵前の池の周囲の紅葉も見ごろ一歩手前。宝物殿

の扉が開いていたが、団体で来られていた信徒向けの行事なのだろう。

これまた重要文化財の大鐘楼の脇を抜けて山に入る。16時に閉門と

なるので逆コースの場合は注意が必要。それにしても毎朝6時に開門

する手間は相当な物。我々が思っていたイケズな京都とちょっと違う。

東山三十六峰の山名によるならば知恩院の裏山は、華頂山という事に

なるのだがそのピークが何処なのか未だ知らない。残念ながら針葉樹

や照葉樹が多く登山道は暗い。緩やかな九十九折の山道を辿って行く。

円山公園への道との分岐にある六地蔵。内二体は崩れてしまっている。

何故に地蔵と言えば六体なのか。ずっと不思議に思っていたがネット

で調べればすぐ分かる時代になった。ただし理解するには難しすぎる。

以前に歩いた菊渓への分岐には、知恩院の三門から30分で到着した。

ここまで来れば東山山頂公園へは一投足。すぐ舗装された車道に出る。

右へ行けば山頂公園駐車場。左へ行けば青蓮院門跡(将軍塚)である。

市内を一望できる大舞台があるのだが、拝観料が500円要る。いや

入場料と言った方が合っているだろう。8年前に造られたものなので

清水寺の舞台とは比べるべくもない。でも観光バスが2台停車してる。

ほぼ同じ眺めが公園の展望所から無料で眺められる。いつ来ても余り

人はいない。何とはなく落ち着かない場所なので長居する人は少ない。

東側にベンチやトイレもあるので、そちらで休憩するハイカーが多い。

我々も公園東側のベンチに移る。水も何も持たずに来たので自販機で

ジュースを一本買って休もう。山科区の市街を挟み音羽山や醍醐山の

連嶺が存外に立派に見える。因みに右側にあるのが阿含宗の大菩提寺

公園から南へ僅かに下れば四差路。西へ下れば菊渓を経て高台寺だが

境内を通行できるか否か不明。たぶん通れないんだろう。東側の林道

を辿れば京都大学花山展望台に至るとか。此処は大人しく南へ向かう。

通行止となっている清水寺へ直接下る道で、何か工事が始まっていた。

今は子安塔より南側に出る道しか通れない。清水山の頂上はすぐそこ

だが、針葉樹の林で展望も紅葉も期待できない。もう下ってしまおう。

車道に降り300mほど北側に戻れば清水寺の門扉。ここも時間的な

制限はあるが入場は無料で出来る。拝観料が要るのは本殿と大舞台だ。

ただ拝観コースの逆行は禁止なので、清水寺から山に入るのは難しい。

いや々400円の拝観料を払って、本殿から大舞台を通って子安塔へ

来れば立派な観光ハイクのスタートだ。それに韓国では山に登る為に

散々仏教寺院に拝観料を払っている。だが何か合理的でない気がする。

まだ少し時期が早いのか、今年の色付きが悪いのかと云う紅葉の具合。

此処まで来れば観光客が溢れている。入国規制が解かれたので外国人

の姿が多く見られる。それに修学旅行生。もうコロナ禍もどこへやら。

コロナ禍以前と違っている点にも気づく。数年前はレンタル着物姿は

たいてい中国の人だった。現在は日本人の恐らく学生が男女とも多い。

そういう京都の積極的な楽しみ方が、逆輸入的に定着した様に思える。

一際鮮やかな紅葉の一角から清水山を見上げる。内外の観光客に交り

修学旅行の小学生が多い。中高生はタクシー利用が多いので運転手と

五人程で歩いているが、流石に小学生は観光バスでクラス単位のよう。

門前の土産物屋が並ぶ通りは大混雑。コロナの影響なんて全く無関係。

清水産寧坂青龍園。何だか分からずに無料のようなので入ってみる。

池と三軒の茶室の配置が見事だ。実はここ複合商業施設の中庭だった。

よーじや、西利、井筒八つ橋本舗、有喜屋等々の有名店が周りを囲む。

帰りは阪急電車なのでいつものように八坂の塔へ向かって行く。この

大混雑の中結婚写真を撮って居られる。今は上手く加工できるのかな

陶あん八坂店前に居た外国人三人娘。派手な着物が凄く似合っている。

誰もがそう思うようで、他の外国人観光客から一緒に写真と求められ

大人気だ。実に平和で穏やかな一日。こんな日が続くことを願いたい。