摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

芦屋川河口から荒地山へ展望ハイク

4月下旬は菜種梅雨だとか云われたが、5月に入れば週間天気予報に

晴れのマークが並んだ。2日(月曜日)は飛び石で平日である。少し

混雑もマシかなと思われるので、運動不足の解消の為に歩いてみよう。

先週は隔日に雨が降っていたし、昨日も一日雨模様だった。その為か

河口付近の海水がいつになく澄んでいる。対岸に見えるのは深江浜の

工場や倉庫群。その向こうに摩耶山が見えているけど、やっぱり遠い。

天気が続くと伏流する芦屋川下流にも、今日は水がかなり流れている。

乾いた河原では目立たなかった飛び石に気付く。右岸を歩いて行こう。

上流に見えるマンション。住人の方のブログを拝読していた事がある。

一見古びた建物だが室内はとても広い。そのブログも途絶えて久しい。

お元気にされているだろうか。そんな事を家族と話し乍ら歩いて行く。

つい先日はベージュ色だった河原全体が、濃い緑色になっていて新鮮。

出来れば開森橋まで歩いて行きたいが、仏教会館の前で段差があって

行き止まり。JR線が川の下を走っている所。石屋川では高架となり、

草津川は廃河川となったので、天井川の説明としてよく取上げられる。

阪急芦屋川駅を抜けて山芦屋町に入る。以前は右の道を行くと芦屋川

右岸の山道に入れたそうだが現在は通行禁止。一度も歩いた事がない。

15年前の記録では普通に歩かれており、立派な石段もあったりする。

滝道を進んでエルザ山芦屋下を右折して城山登山口に到着。なんだか

スッキリしている。時計や温度計が無くなっている。クマ出没注意の

ポスターも勿論無い。この先の変化を予告されているような気がする。

尾根尻を回り込むと、先の右岸道が通行禁止になってから、迂回路と

して使われていた道の入口。一見すると工事中が理由の規制のように

見えるが、立て看板を見ると工事後も永続的に立入禁止になるようだ。

やや強引な文章は一般市民の通行権を否定する内容。工事中の迂回路

を設けない理由付けかと思ったが、よく読むと工事後は擁壁や柵等の

設置で、道が寸断され通行不能となるのでないかという気がして来た。

九十九な道を城山に向けて歩いて行くと、広い範囲が伐採され大きな

フェンスが設けられていた。素人考えでは伐採により保水力を失われ

かえって土砂崩れが起き易くなりそうだが、果たしてどうなんだろう。

さて芦屋川右岸道はどうなるのか。工事は平成6年度まで続くという。

市内に住んでいるが道の保全に向けた動き等は聞かない。城山の頂上

までは4名のハイカーと擦れ違う。いつもの平日の朝よりも少ない数。

城山から尾根道を少し進むと高圧鉄塔がある。ここが昨年5月に熊が

発見されたという場所。当時は鉄塔の立替工事中だったが解放された。

ヘリコプターで資材を運んでいたので、広く伐採され荒地山が見える。

北東にはチョコンと甲山が頭を出している。その向こうは箕面辺りの

山並みか。以前はこんな展望があった記憶がない。建替工事によって

高圧鉄塔の位置が尾根中央から芦屋川寄りに変わったのではなかろか。

東側が広く開けているので大阪平野の眺めが良い。家族が先日歩いた

交野山が見えるはずと言うが、低い山影が見えるけど同定に至らない。

南側は西宮浜までで芦屋浜は見えない。花火の観覧には向いてないな。

鉄塔を過ぎると何処から伸びて来たか、路傍に資材運搬モノレールの

軌道が設置されている。それに沿って伐採も行われており、鷹尾山の

頂上でも荒地山を望める。こんな工事をしてたら熊も猪も居られない。

モノレールは存外に長く続いた。この先で方向転換所があり芦屋川に

向って軌道は下っていた。つまりかなり広範囲の東斜面が工事の対象

となっているようだ。平日に搬器が動いている所を見てみたいものだ。

新神戸線一八鉄塔に到着。此処は以前から展望の良い所。ただし真南

を向いているので、冬でもないと休憩するには日光が強すぎる。少し

北側へ歩いて藪に囲まれた岩で小休止。河口から歩いたせいか疲れた。

更に進むと荒地山の巨岩群を望む所がある。さて右岸道が通れないと

なると道畔谷に入るには此の先で踏跡を拾って、東側へ下るのが一番

近道かもしれないな。一時散々歩き回ったが記憶が曖昧になっている。

鞍部から登り返すと岩梯子。以前は小さな木札が下がっていたが無く

なっている。家族は記憶にある岩梯子と違うもっと狭い所だと言うが、

聞くと昔にボッカで訪れたので、大きなザックを背負ってたのだろう。

岩梯子の中途で北側に吸い込まれてしまった。正しい道筋ではないが

以前より藪が少なくなり入り込み易い。本来はボルダリング用の通路。

最近はハイカーも多く通っているようだが、やや危ない所もあったり。

ルートを誤ったのか藪を分けて、左下から上がって来たチーズロック。

絶好の休憩場所ではあるがそれだけに訪れる人は多い。クライマーの

邪魔もしたくないので先に進もう。元の道に戻り荒地山頂上に向かう。

もう少しボルダー群を楽しみたい場合は、チーズロックから北上して

プロペラ岩を経て黒岩に抜けるのが良いだろう。というのも荒地山の

頂上は樹林に囲まれた広場で、とても魅力的とは言えない場所だから。

頂上から西側に下って昔馴染みの岩へ来た。真ん中が割れているけど、

左側が二畳ほどの広さの平頂である。古いリングボルトはあるが今は

使われていないよう。摩耶山から西おたふく山まで見える展望の良さ。

昼食は家族の作ったミートパイ。摩耶山の山椒がたっぷり入っている。

デザートはチーズパイ。食後はトカゲを決め込む。日向だが暑くなく

日光に暖められた岩が気持ち良いぐらい。結局2時間近く休んでいた。

帰るのに一番楽そうな高座谷を下る。ところが10m程の岩壁を下る

のに四苦八苦。なんとか下り着いて振り返った写真。左が奥高座の滝。

右にも流れがある。上りならなんて事のなさそうな中央の階段状岩壁。

家族には「昔は普通に歩いていた所が、衰えて難しくなっているんだ。

思い知れ!」と散々馬鹿にされる。バランスや体力もそうだが、近頃

身体の柔軟性が無くなった。まあとにかく楽しく歩けたので良い一日。