摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

清水山(242m)・・・京都市東山区

まん延防止重点措置が発令される前の日曜日。11時過ぎて賑やかに

なりつつある四条大橋。何処へ行くともなく人の流れに乗っていたら、

西側にやけに低い山影が見えた。たぶん清水山の主稜線だと思われる。

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このまま歩いて行き何処まで行けるだろうか。清水寺からアプローチ

しようとして、昨年には無かった進入禁止の看板に追い返された事は

記憶に新しい。暇を持て余しているので、行ける所まで行ってみよう。

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四条通りを歩いて行き八坂神社に突き当る。この門が一般的には一番

知られているが、西楼門と呼ばれ正門は南側らしい。確かに入っても

正面に本殿が有るわけでない。古びた絵馬堂の前を通って北側へ進む。

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いつの間にか丸山公園に入っている。この付近は著名な料亭が並んで

いて、何処までが公園通路なのか料理屋への進入路なのか分かり難い。

ひょうたん池から清水山を望む。左手奥から将軍塚には行けるらしい。

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だが右手の清水山を目指していくと、山裾の長楽寺には拝観料の文字

が見えた。無料で入れそうな大谷祖廟に自然と吸い込まれてしまった。

御廟は一度参拝しているので、南側の墓地に入ってみる。存外に広い。

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いや広いだけではなかった。石段をどんどん上に続いている。最上段

まで上がると、京都市街を俯瞰する展望が得られる。愛宕山の左隣に

つまり保津峡の奥には、亀岡の牛松山が意外に秀麗な姿を見せている。

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墓地の最上段から山に入る道はなかったが、南側に下りながら探して

いくと、測量の為らしき切開きがあった。入ってみると急斜面を強引

に斜降して行く。最後はズリ落ちるようにして谷沿いの道に出会った。

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幅も広くしっかりした道だし草刈りもされているが、現在ハイカーが

日常的に歩いている様子はない。この谷を降りて行けば高台寺の境内

に入ると思われる。通過できそうにないし敢えて確かめる気もしない。

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谷沿いに登って行くと三叉路に出た。この谷川が菊渓川という名前で

あることは分るが、行先は何も記されていない。恐らく左側は将軍塚。

木橋を渡って右俣へ進む。なんで標識をペンキで汚す必要があるのか。

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悲しい気分になる。進むにつれ道は広くなり、堰堤に出会うと案内板

があった。今歩いている森は高台寺国有林であり、堰堤は防火用貯水

ダムとのこと。そんな目的のダムは六甲山にはなく京都ならではかも。

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貯水ダムからは林道が主稜線を越えて、東山ドライブウェイに通じて

いるようだ。峠状のところで京都一周トレイルが南北に交差してくる。

一度歩いているがその様子に覚えがない。東屋やベンチが幾つかある。

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標識を見てようやく記憶が戻った。トレイルを南側に進めば清水山だ。

この先は道標に困ることはないだろう。ほんの少し進んだ所で多くの

張り紙を見る。各国語で記された通行止の標識。3年前と変わらない。

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倒木によって通行止めとされているが、3年以上も処理されていない。

大文字山の大規模な倒木帯が、問題なくハイカーが通過できる状況を

思うと、清水寺が裏から入られるのを嫌がっている様にしか思えない。

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暫く進むと分岐があり子安の塔を経由して清水寺に行ける。その前に

清水山の頂上へ行っておこう。展望はない上に一度訪れているのだが、

ピークを踏んでおかないとハイクとして纏まりに欠ける様な気がする。

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清水山頂上一帯には杉が植林されている。此処までの雑木林に比べて

スッキリとしている。墓地から強引に入ったせいか、何となく感じて

いた息苦しさから開放される。しばらくすると頂上を示す道標がある。

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トレイルから20m程入った杉林の中に三角点が有る。周囲に比べて

高い場所でもなく登頂感は全く得られない。立派な山頂碑が立っては

いるが、現在の地理院地図とは、標高が30cm違っているのが残念。

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元の分岐まで戻ろうとトレイルに出ると、小さく京都タワーが見えた。

京都市内の山を歩いていると、その位置で現在位置を想像できるのが

面白かったりする。曇り空にボンヤリ霞んで見える山は同定できない。

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子安の塔への分岐に入ると立派な道が下って行く。ところが何故だか

下るにつれて先細りになる。最後は普通の山道程度に。しかも倒木を

越えたりもする。主稜線の道は立派だが、西斜面の道は少々心許ない。

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舗装された車道に出て来た。此処を北側に進めば子安の塔に至るはず。

南側に下れば清閑寺に至るよう。ただ市街から回って来るには交通量

の多い国道一号線を歩かねばならず、ハイクとしては魅力的ではない。

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車道の突き当りには清水寺の裏門が有った。注意書きが沢山あるので

入れないかと思ったが、そういった類の看板は無いよう。脇の歩行者

用の門から入り、観光客の人影が見え隠れしている左手へ進んで行く。

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すると子安の塔に着く。西暦1500年に建立され重要文化財だとか。

最近塗り直されたようで古さは感じられない。観光客が此処まで足を

運ぶのは、塔自体を見る為ではなく、此処から清水寺の全景を見る為。

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境内の木々もその為に絶妙な配置となっている。紅葉の時期に来れば

さぞかし綺麗であろう。観光客の皆さんと舞台の裾へ向け下って行く。

何度か来ている清水寺であるが、今日の客層は明らかに異なっている。

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何が違うかというと修学旅行生と中高年の姿が無い。若いカップルか

単独の女性ばかりが目立つ。何かのブームなんだろうか。写真の右下

に以前は無かった進入禁止の看板。やはり此方から子安塔に行けない。

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産寧坂を下って行っても、擦れ違うのはカップルばかりでしかも若い。

時刻は13時35分で、四条大橋を歩き始めてからちょうど二時間だ。

思ったより簡単にミニハイクが楽しめた。まだ々歩けそうな京都旅行。

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今日のBGMも


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