少し考えたいことがあって一人で家を出る。16系統のバスは超満員。
途中のバス停で待つ人を乗せずに進む。時間帯が悪かったとまた反省。
遊びに行く者はこのご時世、遠慮が必要だろう。もっと早く起きねば。
六甲ケーブル下バス停には8時45分。或いはもっと遅くが良いかも。
普通でも足は遅いのに、考え事をしながら歩いているので牛歩に近い。
二本の杖を突いた御老人にもあっさり抜かされて、後ろ姿も見えない。
山羊戸渡入口のヘアピンカーブ。東から日が差し山田堰堤上の岩場が
明瞭に見えている。あそこを歩いたとは自分でも信じられなくなった。
いや違うかな、正面から見ると実際より斜度が立って見えるのだろう。
山羊戸渡をトボトボ歩いて行く。この尾根もミツバツツジの多い所だ。
長峰山の西南面等よりは花期が遅いと思われるが、やっぱりほとんど
の株は若芽が萌えだしてしまっている。花を咲かせているのは一割程。
山羊戸渡の上部の崩壊が著しい。北側の斜面の土砂が削げ落ちている。
それに伴い木も倒れたり、枯れ死しているので妙に展望が良くなった。
それは良い事でなく、手前の岩は蹴飛ばせば崩れ落ちてしまいそうだ。
数年前に家族が木登りした松も枯れている。根元の土が流されたのも
枯れた要因か。この付近の景色は数年内に大きく変わるかもしれない。
小学校で隆起した山が、やがて崩れ平原になると習った事を思い出す。
神戸市立自然の家の裏手に出て来た。六甲ケーブル下から2時間半も
掛かっている。おそらく最長記録。杣谷峠へ回るのも面倒くさくなり、
人気が全くない自然の家のグランドを抜けて、ドライブウェイに出る。
今年はミツバツツジより桜の方が綺麗に思える。アゴニー坂北斜面に
三種三様の彩りを見せる山桜。まだ少し歩けそうだし新穂高に行こう。
例年なら新穂高辺りは、ミツバツツジの開花が摩耶山では一番遅い所。
新穂高頂上を望む定番撮影スポットまで来たが、だが此処でも若葉が
先に萌え出てしまっている。もう諦めた方が良いのだろうけど何処か
真っ盛りって所がないかと心の隅で思っている。ゆっくり歩き続ける。
新穂高の頂上に到着。とても静かだ。六甲山牧場を望む側に一つだけ
花を咲かせている株があった。やはりボリューム感に欠ける。花には
急な気温上昇、その後の冷雨と、今年の季節変化は厳しかったのかな。
山頂で昼食を済ませ展望岩場まで下って来た。この岩場は南側からも
上がれるのだが、その取りつきに気づかずにそのまま下ってしまう人
が多いようだ。結局又戻って来るので道のようになってしまっている。
今回一番期待していたのが、三枚岩の上辺の尾根道。3年前に歩いた
時は満開だった。それは2018年4月16日。今年は2週間季節が
早いだろう。掬星台へは桜谷道で戻ろうと思っていたが面倒になった。
徳川道とシェール道の合流点から水道管管理歩道に入る。展望も良い
道なので、もっと歩かれて良いだろうが、他の人と出会った事がない。
高圧線が邪魔だが新穂高も望める。疲れが出て歩みはさらに遅くなる。
摩耶別山の頂上にある配水場へ、生田川の水を揚水する為の水道管が
地下に埋まっている。現在は使われておらず、管理歩道として整備さ
れた道も朽ちつつある。麓から見る山は同じようで年々変わって行く。
2012年に1200万円かけて改修された掬星台北側トイレの惨状。
器は作っても維持管理できないのでは意味がない。岩の丘の改名には
有名人を審査員を迎えて多額の賞金まで出した。それで摩耶の石舞台。
どうやら掬星台からオテル・ド・摩耶にかけての一帯は、規制緩和で
再整備されるらしい。既に公募も始まっているようだ。コロナ問題で
どうなるか分からないが、寒谷北尾根の通行などには支障が出るかも。
今日のBGM
FMラジオを聴きながら歩いていたら此の曲が聞こえて来た。「私は
今日まで生きてみました。」という歌詞が耳に残る。その先を聴きた
くて思わず道端に座り込んだ。何となく考え事の答えを貰ったようだ。