摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

天望山(482m)から六甲山上

六甲山上にあるレストランの食事券を貰った。あえて土曜日に行こう

と思ったのは、何度か前を通ったが、客が入っているのを見たことが

無かったから。平日にポツンと無料客だけというのも気まずいだろう。

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天望山へ長く行っていない。ドライブウェイ新道の関電巡視路入口が

落石防止フェンスで覆われたと聞く。下って来て出られず、この辺り

まで降りて来たと言う記事を読んだような。それも一年以上も前の話。

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という訳でワープする。(良い人は真似しないで下さい)巡視路が閉

鎖されてから2年以上も経っているので、此方側にハイカーの踏跡や

関電の巡視路が出来ているのでは、という甘い期待も若干持っていた。

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トンネルを抜けた所で西へ斜上すると新道脇に出る。長峰大好きさん

が何度も踏査されたインスタは拝見しているが、それも一年近く前で

記憶は曖昧となっている。まあ何とかなるだろうというのが失敗の素。

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新道脇の斜面にトラロープが下がっていた。一段上がると北東に直進

するマーキングテープと、西へ斜上するテープがあるよう。いずれも

山仕事用の粘着性のないピンクテープ。ハイカーが付けた物ではない。

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そこで西へ向かうテープを追って行く。落石防止のフェンスに沿って

急峻な斜面を上がるが、どうにも良くない。テープは続くので一定の

通行は有るだろうが踏跡とは言えない。岩場の下のトラバース部分で

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先行していた家族が戻って来た。写真で見ると何でもなさそうだけど、

傾斜があり足元が定まらない。「へつり」が不得意な家族にとっては

難易度が高かったよう。灌木にシュリンゲをセットして通過して貰う。

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現状で不安定な岩は除去されている感じだったが、岩に番号が符って

あるのは、個別に状態を経過観察されているのではないかと思われる。

その為定期的に通行されるのだろう。我々が入るべき所ではなかった。

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更に斜上していくと巡視路に飛び出た。一番低い位置の送電鉄塔手前。

やはり最近は歩かれていないようだ。関西電力は水車新田にある水道

施設から天望山を越えて来る道を、今後は保守に利用するのだろうか。

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大正13年建設の篠原線一〇鉄塔。この辺りで東側から新しい巡視路

が出来ているんじゃないかと探すが無かった。以降も注意していたが

それらしきは見当たらない。すぐ上方には二番目の鉄塔が見えている。

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昭和30年建設の神戸東線二九鉄塔。鉄塔周囲は木々が繁っているが

西側に僅かに展望が抜けて、長峰山東南面の険しい様子が観察できる。

足元に見える新道が尾根を回り込む辺りから、天望山に登る道もある。

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少し上ると最近の崩落現場と思われる所があった。同じく岩に番号が

符ってある。今は安定しているが、豪雨で土砂が流されれば、転がり

落ちても不思議でない。新旧ドライブウェイの真上と思うと恐ろしい。

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続いて神戸港線五鉄塔。天望山の頂上に立つ六甲線八鉄塔がすぐそこ。

この尾根はムベの実が多く生る所で、今日も落ちているのをいくつか

見掛ける。採集の為に登って来る人もいたけど、今も来られてるかな。

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頂上は数年前に関電が伐採したが、また繁り始め展望は東側のみ良い。

見えているのは油コブシだろうが、右側の鉄塔のある低い山が坊主山

か。一時期良く歩いた山域だったが、今はもう興味を失ってしまった。

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天望山はもう来ないかな。岩場に取りついてグイグイと高度を稼いで

行く尾根道が魅力だったけど、山頂はそれほど訪れたい場所ではない。

水車新田から登るのも迂遠に過ぎる。それに新道に入るのは避けたい。

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天望山の頂上から少し北側に向かうと、右手の鞍部に下る踏跡が有る。

記憶ではもっと細かったように思うが、良く踏まれて広くなっている。

鞍部から六甲ケーブル山上駅へ至る尾根道も、以前より歩き易いかも。

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急な尾根を辿りアイスロードとの分岐へ来れば、後は笹原の緩やかな

道のはず。この尾根に幾つかある電話と刻印された石柱。写真を見て

気付いたが裏に24と刻印されている。電話線が埋設されてるのかも。

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背の低いミヤコ笹の小道を、気持ち良く歩くつもりで来たが、何だか

背の高い笹が多くなっている。ネザサが増殖してミヤコ笹が駆逐され

つつあるのではと勝手に思い込む。真意はともかく魅力は減じている。

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六甲ケーブル山上駅の下まで来た。西側には長峰山、摩耶山別山

行儀よく並んでいる。それぞれの標高差が如実に分かる景色が珍しい。

此処から山上道路に出るまでが、足元が切れているし草深く危ない所。

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六甲ケーブル山上駅は意外に賑わっていた。写真では数名に見えるが、

発車待ちのバス車内は超満員だし、背後には30名ばかりのバス待ち

の列が有る。天覧台のレストハウスに客が溢れているのは初めて見た。

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大きな考え違いをしていたかも知れない。六甲ミーツアートとかいう

イベントが開催されているらしい。ハイカーの姿よりも観光客の姿を

沢山見掛ける。ケーブル山上駅からレストランまで3kmの車道歩き。

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レストランは満席なので名を聞かれ、30分後に来てくれと言われる。

歩道は人が溢れている。展望の良いフードテラスも大勢の人。とても

一か所にじっとしていられない。コロナの影響なんて微塵もないよう。

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いや土産物店で行列ができているのは、コロナ対策で入場制限がある

のかな。我々を含めハイカーの姿もチラホラ見るが、完全に場違いで

居場所が無くてウロウロされている。この付近は他に休憩場所もない。

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店に戻っても更に待って、着席できたのは都合1時間後。食事は勿論

美味しく頂きました。六甲山上のレストランに入るなんて初めての事。

体験としても面白かったかも。何より悪かった家族の機嫌が直って吉。

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帰りは天狗岩南尾根を下る。いつ来ても天狗岩は展望が広くて良い所。

休んでいると少し寒く感じる。色づいた樹もあり、今年の紅葉は例年

より早いかもしれない。霞んでいるようでも大峰の山影が見えていた。

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