今週に入っても一日2万歩継続中。5月8日の水曜日は家族に所要が
あり、一人で山に行くことにする。ある程度歩数が稼げて、新緑の時
期に気持ちよく歩けそうなコースとして、西おたふく山が思い浮かぶ。
JR摂津本山駅から打越峠を越え、住吉川河畔の道。見上げる西おた
ふく山は新緑がまばゆい。ただ山頂直下の笹原の色が、枯れたように
見ている。気温が低いせいか、5月3日沢山いたアブが今日はいない。
西おたふく山を見てからも、住吉川左岸をかなり歩く。こんなに歩い
たっけと思う頃に、ようやく公設道標が現われた。道標には「西おた
ふく」と山の字が記されていない。昔はそういう呼び名だったのかも。
本庄橋跡への道を分けて、九十九に登って行く。植林帯を抜けて六甲
らしい雑木林に入った所で振り返る。見えているのは七兵衛山と打越
山で、その鞍部が打越峠。海岸線が見えないと結構歩いた気がするが。
登るにつれて道はどんどん良くなる。ふと油コブシの道を歩いている
んじゃないかと錯覚するほどだ。遠い昔に笹薮を分けて登った記憶が
あるのでひとしおだ。学校の遠足等に利用されているのかも知れない。
照葉樹林を抜け落葉樹の疎林に出る辺りが、この登山道で最も気持ち
良い所かと思う。路傍の笹はキレイに刈り込んである。瑞々しい新緑
は今が盛り。六甲の植生がこんな所ばかりなら、どんなに良いだろう。
山頂南側の笹藪末端に到着。枯れているわけではないが、確かに薄茶
色の葉が多い。この付近は芦屋辺りから見ても、それとわかる箇所だ。
普段は緑色をしてると思うのだがどうしてかな。雨が少ないからかも。
登山道は山頂一帯に設けられている周遊歩道と合流する。これが曲者
で入ってしまうとグルグル迂回して一向に山頂に近づかない。そこで
笹原の中を一直線に山頂に向かう踏跡に入る。かつての登山道だろう。
やや頼りない道ではあるが辿って行けば、ドライブウェイから入って
来る車道の末端に出る。本当の山頂には電波塔があって立入り出来な
い。此処以上には、展望が効く箇所もないので実質的に山頂と云える。
奥池と住宅街の様子が、手に取るように見える。一戸一戸が大きくて
絵本に出てくる町のようだ。かつては雷岳、今はゴロゴロ岳と呼ばれ
てはいるが、「岳」という漢字からは程遠い山容の山。どうしてかな。
六甲ドライブウェイが部分的に舗装し直されていた。いつもは車道を
歩くが、今日は足にも余裕があったので、全山縦走路を忠実に辿った。
石段が続く人工的な道だが、山頂直下へはやや西寄りからアプローチ。
1992年に返還されるまで米軍の通信施設があり立入出来なかった
六甲山の頂上。その後に此処へ来たのは数度に過ぎない。快晴で展望
があるのは初めてのこと。最高峰という名に恥じない空の広さ開放感。
実際には平日というのに人出が多い。土日だったらどんなだろう。ハ
イキングの目的地としては魅力に欠ける。標高の割には奥池バス停や
有馬から、それにドライブウェイ経由と安易な手段も選べるからかも。
賑やかな山頂を避けて、南側の広場で昼食休憩。平たい石が幾つも配
置され、日陰こそないが良い休憩場所となっている。今日の昼ごはん
は、家族が作ってくれたフライパンピザ。蓋代わりにアルミ箔で覆い、
そのままガスコンロで温める。少し焦げ臭い匂いがしたら十分だろう。
固まっていたチーズが溶けている。岡本のダイエーで買ってきたノン
アルコール・ビールで頂こう。全く期待してなかったのだが、国産と
あって、プライベートブランドとしては悪くない。四大メーカーの内
いずれかのOEMなのかも。ピザはクリスピーではなく、パンのよう
な生地に仕上がっている。直径20センチのピザでお腹一杯になった。
下りは一軒茶屋から黒岩谷西尾根に入る。この道を初めて歩いたのは
10年以上前のことだ。その時は踏跡と言ってよいレベルだったのに、
現在は立派な登山道となっている。なので半ば、駆け足で下って行く。
西おたふく山から登ったのだから、東おたふく山も寄ろうという考え。
土樋割峠からの登りで最高峰を振り返る。下って来た黒岩谷西尾根が
顕著だが、ネーミングは好きでない。摩耶山がホームなので黒岩尾根
と紛らわしいせいもある。人工的に薮が刈られて趣のない東おたふく山。
雨ヶ峠上の四等三角点。やっぱり角の字が。正字を彫ると欠け易いので、
この字体を使っているのかも。何十年も見ている三角点だが今頃気づく。
魚屋道を下って蛙岩の手前で、関電巡視路に入る。今日初めて歩くのは
此処からだけ。とても良い道で楽に下れると思ったが意外にも難渋した。
なるほど低山での遭難ってこういう所で起こるのかなって、思ったほど。
すぐに広田西線四三鉄塔。最初の内は高圧電線に沿って伐採された明確
な巡視路を下る。モチツツジの多い斜面でそれなりに華やか。ところが
次の鉄塔を過ぎると、一気に道は心許なくなり巡視路を外したと思った。
南側へ一つ支尾根を越えて、谷を下るようになるとプラ杭階段が現れる。
ならば関電の巡視路に違いない。とても急峻な谷で一歩誤れば相当なダ
メージを受けるに違いない。肝心の階段も諸所で崩れかけていたりする。
谷まで下って来たが此処は何処だろう。対岸の斜面も急で取りつけない。
下流に小さな堰堤が見えるので、そこまで行くと上に広田西線四一鉄塔
が見えたので、上がってみたがこれが失敗。鉄塔から道も無く危うげな
尾根を下る。やがて右手に大きな堰堤が見え階段道に合流。何の事はな
い小堰堤を越え、そのまま谷沿いに下れば良かったのだ。登りに使うな
らともかくも、下りで良い道だと思って入ると手強い思いをするだろう。
飛び出したのは東高座堰堤下。高座川の支流に下ったという事になる。
自宅からJRを使ったものの、最高峰まで18000歩。意外に2万
歩の壁は高い。最終的に自宅まで歩いて、約33000歩でしかない。