3月9日の土曜日。家族は所用があるが、快晴の予報で気温も13度
まで上がるというので、一人で家を出る。神戸市バス16系統の終点
六甲ケーブル駅から、表六甲ドライブウェイ旧道を淡々と歩いてきた。
快晴の空にクラゲみたいな雲。新道との交差点のバリケードにガード
マンも立っていて工事中だったが、路肩修復も終盤だからかハイカー
の通行は黙認という対応だった。山羊戸渡入り口のヘアピンカーブを
通過して、表六甲線カーブNO.42まで歩く。理由は上の写真を撮り
たかったから。山田堰堤から長峰主稜線への地形が良く分かる。黄色い
ラインは過去に歩いた所で、青いラインは未だ歩いたことのない谷筋だ。
写真を撮った後は、山羊戸渡に向かう。10回以上歩いていると思うが
快晴の日に歩けば、また新鮮に感じて楽しい。細かった道も広くなった。
山羊戸渡の南側の斜面はまだしも、北側は急峻な上に岩の風化が非常
に進んでいる。その事も再確認したくて、谷や尾根を覗きながら歩く。
奥摩耶ドライブウェイに出ると北側に進む。六甲山牧場では羊が放たれて、
乗馬を楽しむ家族連れとか、すっかり春の行楽シーズンを感じさせる風景。
六甲山牧場から西六甲ドライブウェイに入る。摩耶山に毎日登っておられ
るというSさんは、この道でバイクにはねられ足が不自由になられたそう。
自分も注意しなければと、山道以上に気を張って歩いていく。長い道のり。
ようやく獺池。Sさんとはずいぶん以前に、此処からシェール道に抜ける
途中に2度出会っている。その後も何度かお見掛けしているが、昨年には
三枚岩の往還に続けて数回お会いして、色々とお話を聞かせていただいた。
くねくね曲がるドライブウェイを40分も歩いて、ようやく三角形の新
穂高が見えてきた。黄色い花が満開。名前は何だったけ。思い出せない。
帰って調べると、満作(マンサク)のよう。樹形が扇型が多いというが。
ドライブウェイを歩いてきたのは、三枚岩の写真を撮影する為。1ルンゼ、
2ルンゼが合わさって一枚に。3ルンゼが2枚目。4ルンゼが3枚目に見
える。この風景が名前の由来かも。六甲線一九鉄塔との位置関係も明らか。
そのまま進み黄連谷の道を下る。黄連は地下茎が黄色いそうで花は白い
草花。開花の時期は春だと云うので、探しながら歩くが見つかなかった。
生田川沿いの徳川道に下ってきた。しばらく杉の植林帯を歩いて来たの
で、落葉樹林の明るさにハッとする。二十渉の中ではとても好きな場所。
桜谷出合で小休止し、徳川道をシェール道分岐まで進む。ここは四差路
になっている。右から入る水道管理歩道に入る。かつて生田川の取水施
設から摩耶別山の配水所へ、水を送っていた水道管が埋設されている道。
ブログを始める以前に、とあるサイトで水道管理歩道と紹介されていた。
当時はまだ路肩を固める土嚢も新しく、何らかの役割を担っているよう
に思えたのだが、現在は荒れ放題。展望の良い道で振り返ると石楠花山。
ところで此の尾根を桜谷東尾根と呼ぶ向きがあるようだが、実際には
此の尾根と桜谷との間には、別に顕著な尾根があり紛らわしい。上の
写真、明るい尾根と暗い尾根との間が桜谷。手前の谷には堰堤もある。
前述のSさんは「水道管尾根」と呼んでおられた。その方が分り易いか
もしれない。帰って地理院地図を見ると、ちゃんと破線が記されている。
水道管尾根では馬酔木が満開になっていた。思ったよりも春は進んで
いる。今日は六甲全山トレランとかいう催しが、開催されていたよう。
爽やかに晴れた3月の第二土曜日。いつになくクリアに市街が見える。
風があって肌寒く感じるが、遅い時刻なのにハイカーや観光客が多い。
三枚岩の写真を撮るだけなら、ロープウェイで往復しても良かったが、
それでは単調に思えて、山羊戸渡を絡めてみた。車道歩きが半分以上
となったが余り疲れていない。水道筋商店街でパクチーを買って帰る。