摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

芦屋地獄谷を詰めて、横池に睡蓮を見に行く 2018.6

月曜から木曜日まで梅雨の様な天気が続いた。週末は家族に所用がある。

金曜も午前中は用事があったが、せっかく晴れたので午後から山に行こう。

昼食を済ませてから家を出る。昨日の雨で、空気が洗われて陽光が眩しい。

高座の滝から尾根を越え、地獄谷入渓は14時前。水量はそこそこ多い。

平日でもハイカーの多いロックガーデンだが、流石にこの時間に谷には

人影はない。水量が多い為か以前に来た時とは、別の谷のように思える。

我が家の家訓の一つに、「有る物は使え。」というのがある。なのでメット

を持ってきた。大袈裟に見えるかもしれないけど、足腰も弱ってきたので、

何処でこけるか分からない。足元は水陸両用という事でジャガーシグマ。

ただジャガーシグマの難点は、舗装路の歩行で足裏が疲れる事。なので

高座の滝まではインソールを二重にして、入渓時には一枚に戻している。

風化した花崗岩だし、黒い苔もないのでフリクションは概ね良好と言える。

右岸に岩壁がある。かつてはゲレンデだったろうが、今はどうなんだろう。

見上げると上端まで登れば展望がありそうだ。左側に道が有るので登って

みよう。だが途中で岩壁上端からの下降路を、どうも見逃してしまったよう。

展望のある岩場に出たが、先程見た岩壁からはかなり上に登ってしまう。

それなりに展望は良い。南東の方向には、鷹尾山から大阪平野が望める。

北側にはピラミダルなA懸。万物相やB懸尾根が、いつもと違う角度で

望むことが出来る。ちなみに登ってきた道を、さらに進めばシキモリ道。

帰りは違う踏跡を辿ると、岩壁を乗り越したのか、少々上流に下り着く。

なんだか難しそうな所を登っているように見えるが、柔らかな花崗岩

大きなステップが、人工的に刻まれているので、梯子を上っているのと

変わらない。是非はともかく、ロックガーデンへの通路という役割の谷。

A懸からの支谷が合流する。小便滝という下品な名前が定着しているが、

どうだろう。もっとましなネーミングはないだろうか。さて此処から上流は

歩いたことがない。今日は最後まで、地獄谷を詰めるというのが目的だ。

大きな堰堤があるので、左岸の巻き道で越える。昭和64年1月完成した

梅谷第2砂防ダム。とすると地獄谷は通称で、正式には梅谷なのだろうか。

もう一つ。昭和64年は7日しかないし、正月休みも考えればレアな存在?。

堰堤上からは今回初めて歩く。堆積地を過ぎると2米小滝。丸っぽくて

以外に苦労するかもと思うが、やはり人工的にステップが切ってあった。

二段8米ほどの小滝。上段の側壁がドーム状になっている面白い形状。

此処は左岸の巻道を使い落ち口に至る。やはりステップが切ってある。

ネットで幾つか遡行記を見たが、この滝以降について記録は余り無い。

それで二段の滝以降は、平流となってしまうと思っていたが、2米程

の小滝が現れた。確かに記録される程の滝ではないが、嬉しい誤算。

今度はシダ藪の間にナメ床が続いている。予想もしない面白い変化。

どんな所だと思っていたかと云うと、風化したロックガーデンの様子

から花崗岩の真砂が、びっしり河床を埋めているのではと思っていた。

もちろん水量があってこそで、渇水期には歩いていても楽しくはない

かもしれない。2米程の小滝。左岸に二つの巨岩が被さるようにある。

二俣があるので水量多い左俣へ進む。右俣の方が風吹岩に近いかも。

一気に水量は減じて、伏流したり倒木があったり、荒れた感じになる。

水流が途切れた谷に、何の樹だろうか巨木が立っている。凹状の地形

は続くが、此処を遡行終了点としよう。明るい右岸(西側)の斜面を登る。

僅かな登りで魚屋道に飛び出た。金鳥山への分岐と、風吹岩の中間辺り。

平日だし遅い時間なので、空いているだろうと風吹岩に立ち寄る。それ

でも二組のハイカーがおられた。昼食は済ませているので水分補給だけ。

なかなか優雅な姿で日向ぼっこしている野良ネコ。十分に餌は貰ってい

るようで、貧乏そうな我々を見向きもしない。今日出会った唯一の動物。

風吹岩からは芦屋浜が良く見える。少し遠いが芦屋の花火が見れそう。

風吹岩から横池(雄池)に向かう。睡蓮の花は前回(5月15日)より沢山

咲いている。というか葉が池の全面を、埋め尽す勢いで増えているようだ。

16時だが多くの花は閉じかけている。睡蓮は日中に花びらが開いて、

午後になると閉じる、それを3日間繰り返して花の寿命は終わるという。

睡蓮の花を見に来るには、何時頃が良いのだろう。和名ヒツジグサは、

未の刻ごろに咲かせるからというから、正午過ぎぐらいが良いだろうか。

横池から南側に伸びる尾根に入る。お気に入りの展望岩のある所。

今日は、この緩やかな尾根を下って、八幡谷から阪急岡本に下ろうか。

最初は明瞭な踏跡があったが、途中で東側の谷へ下って行ってしまう。

そちらに入れば良かったが、尾根を辿ることに拘る。その後も尾根筋に

薄い踏跡があったが、傾斜がきつくなると道を失い、笹藪に突っ込んだ。

ようやく谷まで下り着く。対岸の斜面は植林帯で、左岸に杣道があった。

そのまま谷筋を200米程も下ると、八幡谷沿いの一般道に合流できる。

A懸への通路位に考えていた谷だが、最後まで遡行すると、短いながらも

とても楽しい沢歩きが出来た。もっと水量の多い時に、また歩いてみたい。

自宅まで歩いて帰ると、万歩計アプリは31,303歩。半日の割には多い?。