摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

杣谷源流から木ノ袋谷源流をウロウロする

水曜日は一日中雨が降った。深夜になっても降り止まない。だが天気

予報は木曜日は快晴だという。午前3時頃は雨音が聞こえていたのに、

夜が明けると空には、雲は幾らも残っていない。それなら山に行こうか。

長峰大好きさんがInstagramで、詳細な地図を紹介されている、木ノ袋谷

源流域に行ってみようかと思う。杣谷道を歩いて行くべきだが、せっかく

ケーブル友の会に入っているので、掬星台経由で端折って行く事にした。

スマホの電源を入れるのを忘れていて、万歩計アプリは星の駅から計測。

奥摩耶ドライブウェイを杣谷峠まで歩き、パックマン沢へと杣谷道を下る。

勝手にパックマン岩と呼んでるが、デザインされた人は、何て呼んでるの

かな。ぜひ聞いてみたい。岩の上に乗ってるように見えるが、斜面を登ろ

うとしている図。確認したい事が有って、入渓する前に右岸の尾根を登る。

2年前この右岸尾根に登った時、対岸に岩塔が見えた。杣谷道の近くだと

思い道沿いを、一度探したが分からなかった。なので位置を再確認したい。

前回は冬枯れの時期で、もっと大きく見えていたと思う。今は頭だけ見える。

元の谷へ戻って、右俣に入渓する。昨日の雨で水量に期待して来たが、

若干、多目かなという程度。冬には氷結し易く、杣谷道からも見える滝。

此処も三俣になっている。遡行した事はないが、右手に細い流れがある。

続く3米直瀑。緩やかな右岸の斜面を簡単に巻けるが、家族は右側の

立木を使って、落口へ小さく巻く。ハムはもちろん斜面から巻いて行く。

岩塔はさして河床から離れていないと思われ、左岸を見上げていれば、

基部が見えるのではないかと思うが、それらしい岩場は見つからない。

大きな階段状の滝。傾斜は緩やかで、登っていても高度感は感じない。

階段状の滝を越えると、左岸に岩場が見えたので登ってみる。大きな

岩場だが形状がちがう。頂部に上がっても、目的の岩塔とは思えない。

少しだけ南東に展望があるが、標高も高すぎると思われ別の岩だろう。

再び谷に戻り遡行を続ける。この谷の良い所は源流部が笹原である事。

想像力を駆使すれば、上越の沢を思いだせなくもない。二俣が現れるが

水量の多い方を追って行くと、谷の傾斜が落ちると、泥濘に足を取られる。

この丸岩の少し先に右岸の尾根が低い所があり、過去2度そこで遡行を

終了しているが、今日は水流もあるので、もう少し先まで歩いてみよう。

杣谷峠からアゴニー坂への稜線が直ぐ上に見える。此処で水流が消える。

すぐ横に木の袋尾根への道が有る。家族は行き過ぎているので呼び戻す。

尾根への僅かな登りにも明瞭な踏跡が有るので、この谷を遡行する人

は結構おられるのかも。上の写真の地点から、反対側へも踏跡がある。

その踏跡でも良かったが、もう一段上にも踏跡があり、いつもそちらを

歩いてアゴニー坂に抜ける。途中の丸い大岩の所で、木ノ袋谷へ下る

明瞭な踏跡がある。道なりに歩いて行くと、元の尾根に戻ってしまった。

目を凝らして踏跡を探すと、僅かに笹の短い所があり、そこを下って行く。

数年前に一度だけ、この尾根を木ノ袋谷の10米滝まで下ったことが有る。

その頃は、ハッキリした踏跡だったと思うが、かなり分かり難くなっている。

この付近の踏跡はハイカーが付けた物ではなく、堰堤工事の際の作業路

の跡なので、次第に薄くなっていくのだろう。樹木の無い禿げた所がある。

長峰大好きさんがInstagramの地図で、B地点と示されているコルだと思う。

見上げると木の葉の間から、オテル・ド・摩耶の建物が見える。いつもは

地図を持ち歩かないのだが、今日は印刷した詳細な地図を持参している。

A地点からB地点へ来て、この後は、D6,D4,D5のチェックポイント

を通過する予定。実際にした事はないけどオリエンテーリングみたい。

コルから西側へ浅い谷を下ると、すぐ右手に堰堤(D6)が見えてくる。

堰堤(D6)を背にして下って行くと二俣があった。先行する家族は前方に

別の堰堤(D4)が見えるという。それで多分此処が転換点と思ってしまう。

左俣を登って行く。水流もあるので合っていると思っていたが、複雑な

地形も、2500分の1という詳細図の距離感も理解できていなかった。

だが堰堤(D5)は現れない。苔のナメ滝を越えると伏流する。稜線も

近いようだし間違っているとやっと気づく。下降し堰堤(D4)に出よう。

という訳で堰堤(D4)の堆積地へ下ってきた。此処も二俣となっている。

左俣に入ると10米も進まない所で、前方に堰堤(D5)が見えている。

凄く近い。これが2500分の1地図の距離感かと、二人して納得する。

左岸から巻き上るが、棘々の木が多くて、半袖の家族が悲鳴を上げる。

「やっぱり長袖が良いかな。」とか言ってるが、何年山歩きしてるのやら。

堰堤(D5)の上は二俣になっている。ナショナル炊飯器が落ちている

右俣は、すぐ二つに分かれるので実質的には三俣。今日は南寄りの

左俣を登ろうと思う。傾斜のあるナメが見えた。我々に登れるかな?。

取りついてみるとナメは平滑ではない。指先が掛るだけのホールド

が得られる。ただボロボロ崩れる所も在ったりと、余り気は抜けない。

中段に緩やかな所が有り一息つける。上段は最後だけ傾斜が上る。

岩の表面が洗濯板みたいなので、登っているとナメという感じでない。

登ってきたナメを振り返る。このナメが岩屑に埋まらずにいるのは、

傾斜が急なだけでなく、両岸が緩やかで岩が詰まらないからかな。

ナメ滝の上は、岩屑が詰まり伏流するので、遡行は此処で終了する。

オテル・ド・摩耶北側の展望岩場に出たい。早目に左岸尾根に乗ろう。

左岸(北側)の尾根に乗ると岩場が現れる。非常に脆い岩で崩れ易い。

こんな所も堰堤工事の架線場だったらしく、ワイヤーなどが残っている。

目的の展望岩場は南側が険しいので、北側から裾を巻き上がれば

辿りつけそうだと思っている。その為、何となく右へ回り込んで行った。

正面に壁が立つので、さらに右(北側)に回り込むと踏跡に出た。

やや北に寄り過ぎたようで、展望岩場の裏(西)側に登り着いた。

東側へ下ると展望岩場。長峰山から六甲山牧場にかけての展望

が良い。木陰が西日を遮り、夏は涼しくて絶好の休憩場所となる。

今日の昼食は、ピタパンのサンド。中空に焼き上がり具が詰め易い。

掬星台手前に、濃い赤の花が咲いている。帰ってから調べてみると

タニウツギというらしい。近くのヤマボウシは、まだ咲いていなかった。

星の駅に到着し、スマホアプリの万歩計を見ると、なんと6800歩。

その割に疲れてるし、時間も掛った。水道筋で野菜を買って帰ろう。

この山行は、長峰大好きさんのInstagramの地図を参考に行いました。