摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

寒谷五郎に会いに行こう

2月9日の金曜日は快晴の予報。気温も9度まで上がるという。

何かと忙しい家族も空いている。久しぶりに摩耶山に行こうか。

篠原北町から掬星台を望む。雲一つない青空をバックに星の駅、

東展望台までハッキリ分かる。まず目指すのは山寺尾根の上部。

長峰坂から杣谷道に入らず摩耶東谷を進む。深谷第三堰堤を

越えると小滝が凍っていた。ゴミの多い東谷も今日は少し綺麗。

小さな滝壺が額縁の様に凍っている。氷の結晶が飾り硝子の

ようで美しい。実際はもっとキラキラしていたが写真が下手で。

上流の二条の小滝では、飛沫がオブジェのごとく凍っている。

ずいぶんと大きくなるものだ。ここから左岸の尾根に取り付く。

取りついた尾根は最初に岩場があるが、後は一定した傾斜の

穏やかな様子。踏跡は無いが下生えが少ない疎林で歩き易い。

古い鋸目を二つ見たが、その外は人の気配を全く感じない。

人跡濃い東谷から登ってきたとは思えない。静かで清らか。

この尾根の中腹に、腰掛けるのに適した岩が散乱する所が

ある。日当たりも良かったので、紅茶と菓子パンで休憩する。

中腹から上は照葉樹が多くなり、やや暗くなるが、斜度は

変わらない。ロープウェイから見るとこの尾根は直線的だ。

行者小屋からの道と合流しロープ場を過ぎると、山寺尾根

の一般道に飛び出す。神戸市の立てた通行止め看板の所。

そこから適当に北側の斜面を下って行く。雪が残っている。

少し下った所に、倒木の枝が幾本も、元の木より大きく成長

しているのを見る。驚くべき生命力だと、家族と感想を言い合

っていたら、その先に、幹が5本に分かれた杉の木が見えた。

あ々、これが寒谷五郎か。今日一番会いたかった杉の木だ。

どうやって、こんな形に成長したのかな。掌のようにも見える。

更に斜面を下っていくと、染み出した水が凍りついている。

いったん寒谷に下るつもりだが、確か合流する辺りは水流

が有り、岩盤が露出していた。危ないようなら戻って来よう。

右岸の斜面に変わった形の杉が見えるので、近寄ってみる。

この木は幹が三本に分かれている。なので三郎君なのかな。

谷筋に戻り下っていくと、特徴的な大木があった。次郎だね。

家族は巨木だが「気」は感じないと、分かったような事を言う。

その後の谷は凍った所も多かったが、傾斜は緩くて無事に

寒谷本流に下りついた。下流から2番目の治山堰堤の上だ。

本流を次の堰堤との中間辺りまで登り、適当な所から左岸

斜面に取り付く。寒谷の堰堤は県が作った物で名前がない。

寒谷北尾根に乗るまでは急斜面が続く。家族は藪がうるさい

と言うが、昨日歩いた荒地山に比べれば、よっぽど歩き易い。

石垣をコンクリで固めてある。架線の支柱を建てる為の土台。

登り着いたのは、寒谷北尾根608ピークの手前。ここから

はハッキリした道が、オテル・ド・マヤの脇まで続いている。

608ピークはミツバツツジの密生地。もう花芽が出ている。

日当たりが良くて暖かい。倒木に座り込み昼食休憩にする。

オテル・ド・マヤのジャグジー脇に到着したのは14時4分。

登って降りて又登り疲れた。今日は此処を最高所としよう。

いつもは何気なく見ているが、山寺尾根の鞍部が思うよりも

深く見える。神戸製鋼の煙突から、煙が真直ぐ上がっていた。

この山行は、長峰大好きさんのInstagramを基にしました。