摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

道南 自転車旅行11日目(盃〜美国)・・・2017年9月11日

旅行11日目は5時半起床する。今日は何とか持ちそうだが、

明日は雨が降るという予報。何処まで走るか決めかねている。

昨夜温泉に入れていないので、入浴できるキャンプ場が良い。

熊が怖いので入口よりに張ってみた。だが、もし出合えたら

写真の一枚も撮りたいので、テントはキャンプ場の奥に向け

て張った。その割に朝まで良く眠れた。とても静かなサイトだ。

6時走りだす。盃の名所、弁天島。岩内で夕食を買い過ぎた。

昨夜は、冷凍の鶏からあげ450gをジプロックに入れて、コッ

フェルで解凍し温めて食べた。かなり多すぎてまだ満腹状態。

神恵内(かもえない)村に入ると、国道229号線は桟道のよう。

この村の人口は899人。村の中心部を通過したはずだが、申し

訳ない事に全く記憶に残っていない。あっという間だったのかな。

盃から1時間走ると道の駅があった。ベンチに座っているのは、

流木で作られたオブジェ。カラスに狙われながら、昨夜残した

水餃子を朝食にする。道の駅を出ると大森トンネル(2509m)。

約25年前、積丹半島はとても走りたい所だったが、当時はまだ

国道229号線は一周しておらず、不通区間があったので、結局、

走らないまま、自転車からも遠ざかった。それを思うと感慨深い。

岩の真ん中に穴の開いた「窓岩」。此処までの道中幾つも同様の

な岩を見たが皆同じ名前だった。この先の窓岩トンネル、西の河

原トンネル、大天狗トンネル、積丹トンネルがかつての不通区間

何れのトンネルにも広い歩道があるので、安心して走れる。

対向のライダーが手を挙げて、サインをくれた。この旅行中

は初めて。ママチャリのハムも旅行者とみてくれたんだろう。

少し嬉しくなって、ペダルの回転を上げる。積丹町に入ると

神威岬が見えてきた。最果てに来たって云う感じが強くする。

まだ幾つかのトンネルを抜けると、岬に向かう登り坂に入る。

9時50分、神威岬の駐車場に到着。恐れていた観光バスは

1台も停まってない。駐車場から少し登ると神威岬の全景が

見えた。多くの観光客が思わず足を止め、写真を撮っている。

残念ながら陽が差していないので、シャコタン・ブルーという

程には海の色は美しくなかった。中国人観光客が多いという

話もあったが、この日見たのは、韓国人2家族と中国人2人。

灯台のある岬の先端まで来た。眼下に見る神威岩の奇観より

手前の岩場に、沢山の硬貨が投げてあるのに驚いた。その数

半端でない。回収して清掃協力金の募金箱に入れた方が良い。

駐車場に戻ると、「北海道一周」という札を付けた自転車の

青年が話しかけてくれる。ママチャリで旅行していることに

興味を持ってくれたよう。「どうしてママチャリなんですか?」

「安いから。」としか答えられないが、納得出来ないみたい。

別れ際に「頑張って下さい。」と言われるが、頑張らないの

が今回の旅。積丹ならウニ丼、でも食べれる値段ではない。

11時47分、野塚野営場に到着。此処で寝るのも良いかと

思ってたが、山側の温泉ホテルは廃業し、敷地は草が繁り、

窓にはベニヤが打ちつけられている。それなら先に進もう。

229号線から道道913号線に入った所で、家族がラインで、

丘の上に「岬の湯しゃこたん」という新しい施設があると言っ

てくる。戻って14時まで入浴。確かに景色は良かったが・・・。

やや味気ない公営の施設だった。神威岬で盛り上がった気分

も覚めてしまう。再び道道913号線に入り、今度は積丹岬

目指す。側道の狭い所で、1台だけ観光バスに追抜かされた。

自転車で一番怖いと思うのは、大型トラックやダンプではなく

観光バス。積丹はもうオフシーズンなんだろうか。急坂を登っ

た駐車場から、観光用のトンネル歩道を抜けて島武意海岸。

その後に積丹岬灯台にも寄ったが、展望はない。カラスに

狙われ乍らアンパンの昼食。神威岬の景観に比べて遥かに

地味だし来なくてよかったかも。段々と雲が暗くなりつつある。

後志管区の観光パンフで17km先の、美国漁港緑地広場

に、新しくキャンプ場が出来たと知る。まだ15時過ぎなので

そこを目指そう。低い段丘に挟まれた緩やかな谷間を進む。

この緩やかな登りが辛かった。一見すると水平か或るいは、

下ってるのではと思うのだが、自転車に跨るとペダルが重い。

ほとんどの区間を押し歩いた。美国港まで登りが三分の二。

17時30分。美国港に着き目を疑う。緑地広場という名だが、

荒れた海岸にトイレと水場があるだけ。コンビニが近いのが

救いか。夕食を買いに行って戻ると、もう真っ暗になっていた。

本日の走行距離:65km  (出典・地理院地図)