摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

宮崎県の旅3日目 大崩山(1644m)湧塚コースを下山する・・2017年5月11日

三里河原で見掛けた方が、山頂におられた。モチダ谷コースを登って

来て、二枚ダキコースを下られるという。「二枚ダキなら2時間半だが、

湧塚コースなら4時間半だな。」と言われる。まだ正午なので大丈夫。

と、この時は安易に考え、のんびり下り始めた。山頂付近のアケボノ

ツツジは二分咲きといった風情だが、株によっては満開のものもある。

何しろ2月に計画した日程なので、花が見られただけでも十分満足。

大崩山の山頂は展望も悪く、立ち寄る人は少ないという事前の情報

だったが、今日は数十名の方が山頂付近にいた。アケボノツツジ

開花期だからだろう。緩やかな宇土内コースからの人も多そうだった。

山頂から少し下った石塚からの展望。此処には団体が昼食休憩中。

平日なのに結構な人出。展望は良いが山名が同定できなく残念だ。

先ほど登ってきた上鹿川への分岐を過ぎて、上祝子への道に入る。

本来ならスズタケが密生しているはずだが、120年に1度という

開花を終えて、すっかり枯れてしまっている。その為やけに明るい

広い尾根筋を下っていく。数年後に来れば景色は違うのであろう。

アケボノツツジが諸所に咲いていて飽きさせない。湧塚コースを

下って行くが、途中で一旦、坊主尾根コースの分岐に入って下る。

坊主尾根を一段下った所から、りんどうの丘に向かう道に入る。

家族は「春なのに何で、りんどうなんだ。」とか文句を言ってるが、

湧塚コースをただ下るよりは、眺望も変化もあると思ってのこと。

道は谷の源流部を水平にトラバースして行く。湧塚の岩峰が間近

に見える。最奥には豊富な水流があって、よき水場となっている。

さらに進むと、りんどうの丘に到着。数張り分のテントサイトが

ある。さすがにリンドウは咲いてなかったが、ツツジはキレイだ。

平地のように見えて、実は断崖絶壁の上。北側の岩場は空中に

突き出ている。湧塚の岩峰群の絶好の展望台。しばし休憩する。

りんどうの丘から北へトラバースすると、すぐに上ワク塚基部。

ステップが刻んであるが、家族に「降りれなくなるから、止めて

おけ。」と言われる。そうだな、35年前なら登れただろうけど・・。

道は上ワク塚基部から、岩場の裾に沿って下っていく。右に

残置ロープがあったので登る。中ワク塚の上に出るのだろう。

下調べが足りない為に、この付近の道が良く分かっていない。

ここでも用心して頂部までは登らずに、尖った上ワク塚の姿を

望む場所までにしておく。谷から吹き上げる風が凄く強かった。

時刻は既に14時を過ぎている、思ったより時間が掛っていた。

後から案内図を見ると、この中ワク塚から下ワク塚間には尾根

伝いのコースもあったようだ。だが、中ワク塚の上にはマーキン

グは沢山あったが、公設道標は無かったので、元の道に戻った。

確かめた昭文社の地図は、昭和61年発行のもの。道は一本しか

記されていない。通行が少ないのか荒れた感じのトラバース路を

進む。3か所あるスラブの通過は、雨天時には怖いかもしれない。

長いトラバース路を終えると、右手に鉄梯子があった。下ワク塚

に登る物だろう。時間が気になるが、せっかくだから立ち寄ろう。

ここも安全に上がれる所までで、止めておく。家族はまだ先へ

行けそうだと覗いている。此処からは小積ダキの展望が良い。

再び登山道に戻ると、既に15時20分。少々焦り始めている。

だが展望の良い所があると、つい立ち寄ったりして進まない。

次は袖ダキの上に出る。この付近は展望所に立ち寄る脇道が

幾つもある。道標は少ないので迷い易い。しばらくうろついた。

正面に小積ダキを見る絶好の展望所だ。写真はボリュームが

思ったように出ていないが、二人共その迫力に圧倒されている。

ワク塚方向は逆光になる。此処に男性が、友人を待っていた。

もっと景色を楽しみたいが16時近い。休まずに下りにかかる。

袖ダキからは急斜面をドンドン下るようになる。それにしても、

あんなに緩やかな谷を登ったというのに、尾根コースの険しさ

は、とても同じ山とは思えない。急峻な樹林帯の下りが続いた。

袖ダキからの辛い下りを40分間。予定では、明日もう一度こ

の道を登り、坊主尾根を下ろうと思っていたが、もはや気力も

体力も残っていない。明日は温泉に入って休養しようと決めた。

祝子川の渡渉点。小積ダキの上にいた男性が友人と合流して、

先行されている。ガイドブックによると、此処には橋がある事に

なっているが、台風の度に流され、飛び石伝いに渡るしかない。

二人の男性は、役所か何かの方のようで、橋の代替策を考えて

おられた。その様子を見て、他のルート取りを探していた我々に

「此処を渡れ」と言って下さり、手助けしてもらって飛び石を渡る。

増水時には徒渉できず困ったという通報も多いらしい。渡渉点か

ら大崩山荘までは、足元の不確かな所が多い。明るい内に帰れ

て良かった。5時20分に小屋を出て、帰り着いたのは18時過ぎ。