摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

黒岩谷西尾根から六甲山頂に登る

1月14日は梅田に所用があり出かけていた。夜に帰ってくると、

小雪が舞っていた。恐らく六甲山頂付近は多少は積もるだろう。

今朝目覚めると、期待通り山はうっすら白く、青空も見えている。

阪急バスで東おたふく山登山口に行こう。慌てて用意して始発の

阪神芦屋駅のバス停に向かう。バス代330円は覚悟の上のこと。

有馬線のバス停は、市役所ではなく税務署前にある。間に合った

と思ったら、運休を知らせる貼り紙がある。8時半のバスは来ない。

貼り紙を見て「よそに行こう。」と立ち去るハイカーも数組いたが・・。

諦めきれず営業所に電話した所、8時55分発のハイランド行きから

運行再開すると言われる。途中、阪急芦屋川駅で20名程のハイカ

を乗せたバスは、雪化粧した東おたふく山登山口バス停に到着した。

家族はスタスタと先に進んで行く。分り易い人で気にいった道は

歩みが速くなる。途中追い越した人にも、「うれしそうですね。」と

言われたらしい。追いかける八ムは、息切れがしてる。風は弱い。

イカーを何組か追抜くと我々の前は、二人分の足跡だけになる。

電信柱も並ぶ無粋な林道だが、新雪であれば少しは楽しみもある。

蛇谷北山への道を右に見て、土樋割峠から住吉川上流黒岩谷へ

下って行く。緩やかな道をわずかに下るだけで水流が見えてくる。

林道が谷へ下り着いた所で対岸に渡る。道標類は何もないが、

なんとなく此処が渡渉点であり、対岸に道があることが分かる。

道は最初だけ急登して低い尾根に乗る。この道を歩くのは2度目。

ブログを始める前だから8年前位かな。家族は全く覚えていない。

今朝はまだ誰も歩いておらず、小動物の足跡だけが点々とある。

確かこの尾根の前半は岩場が多く、後半は笹藪の道だったはず。

前に歩いた時より、格段に道は良くなっている。明瞭な道が続く。

岩場と言っても、泥壁の中に岩が詰まっているような所が多い。

土が凍っている今はしっかりしているが、普段は崩れ易いかも。

少し登れば展望も得られる。うっすらと奥池の住宅街が見える。

雪は数センチ積もっているだけ、陽が差せば途端に溶けるだろう。

湾岸部は晴れているようだが、頭上の暗い雲は動こうとはしない。

前方にこれから辿る尾根が見えている。こんなに見晴らしの効く

尾根だったろうかな、遠い記憶を紐解こうとするが思いだせない。

東側には、蛇谷北山から石宝殿への稜線が、かろうじて見える。

西側の尾根には七曲りの道。風に乗ってハイカーの声が聞こえる。

思ったとおり、岩の細尾根が終わると、笹藪の穏やかな道となる。

この尾根を歩いている間、家族のスマホに外国にいる友人から

LINEの通話がしきりに入ってくる。よほど電波状態が良いらしい。

針葉樹の小木に雪が詰まっている。これは樹氷といえるだろうか。

自動車の走行音が間近に聞こえる。前の小山が山頂なんだろう。

一軒茶屋に到着した。七曲りからは次々とハイカーが登ってくる。

車で雪遊びにきた家族連れもいたりして、一転して賑やかになる。

一軒茶屋から山頂へは車道を歩くことになる。雪でも無ければ歩く

気にもならない。山頂へ上がるのはこれで4度目。9年に1度ほど。

11時前に六甲山頂到着。バスを使ったせいもあるが、我が家に

しては早い時間。さすがに山頂は風があって、じっとしてると寒い。

せっかくだから、お約束の雪ダルマを作ってみる。予め赤い木の実

でも取っておいたら良かった。今日は雪で隠れて見当たらなかった。

山頂付近は風を避け休憩出来る場所はなかった。下山する途中、

どこかで食事しようか。石宝殿を目指して進む。この付近は車道に

そって、細切れの歩道もあるが、車道を歩く方が楽というジレンマ。

歩道から車道に出た所に神戸市との境界標識。トンネルの中に

西宮市との境界があった。つまりこの100m程の区間が芦屋市。

車道を離れ、石宝殿の境内に入る。通ったこともあるはずだが、

全く記憶にない。それもそのはず社殿は見当たらず宝殿は何処。

石宝殿の駐車場が風当りが弱い。片隅に座り込み昼食にする。

パンデュースのドゥミバゲットは昨日、大阪駅で買って来た物。

今朝、家族が生ハム・チーズ・レタスのサンドイッチを作った。

テルモスの湯でインスタントコーヒーを作って、簡単に済ます。

駐車場の隅から土樋割峠に下る道がある。右手には六甲アイ

ランドが見える。午後には晴れるつもりだったのだが空は暗い。

土樋割峠からは、このコースがメインルートだろうと思うが、

意外に道は広くない。展望も良くないし、山頂までの車道歩き

も考えると、人通り少なく静かな黒岩谷西尾根の方が好ましい。

もっとも芦屋市の設置した公設道標があって、道は分り易い。

さした登り返しもなく、蛇谷北山の狭い頂上に到着。標識が

なければ通過してしまいそうな所。僅かに南側の展望がある。

芦屋市の最高峰だというが、見えているのは神戸市東灘区。

土樋割峠に下ると雪が激しくなる。東おたふく山を目指す。

過去2度は来たはずだが、東おたふく山の頂上ってこんな所

だったかな。もっとスッキリした草原だったようにも思うのだが。

眼下の景色に少々驚いた。ゴルフ場の向こうは荒地山だろうか。

とても低く見える。その左手の海岸線は、甲子園浜のようだが、

とするとこの景色は東側?南側?。回り込むように下るのかな。

雨ケ峠からゴルフ場を抜けてきた。ずっと新雪で歩きよかったが

風吹岩の手前では、踏み固められた雪がツルツルになっていた。

前の団体ハイカーの一人がこけて、突き指されたようで大騒ぎ。

風吹岩から先は、積雪もほぼ無くなっていた。蛙岩から谷道へ。

出だしこそ良いが、すぐ泥濘の道となった。今日みたいな日に

歩く所ではなかった。この道が魚屋道というのは本当だろうか。

もう少し東寄りの場所に下るのかと思ったら、何のことはない

12月28日に歩いた尾根道と同じ所に下った。森北町7丁目。

道なりに下れば甲南山手駅。我々は橋を渡って芦屋駅に向かう。

330円のバス代は痛いが、雪景色を楽しめて良かったなと思って

いたら、家族に家計費が足りないから、預金を崩せと言われ凹む。




今日のBGM