摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

摩耶東谷・本谷から支流を詰め山寺尾根へ (支谷編)

6月18日は第三土曜日。杣谷堰堤から摩耶東谷に入り下流

遡行した。深谷堰堤から第二堰堤までの短い区間だが、変化が

あって楽しめた。シャワーも浴びたが、快晴なので気持ち良い。

深谷第二堰堤を乗越し、堆積地に下ると右手から支谷が入る。

ちょうど一月前、5月の第三土曜日に歩いたが、最後の二俣を

左に入ったところ、険悪で歯が立たず、尾根に逃げてしまった。

その二俣の右を詰めてみようと再度来た。すぐ治山ダムがある。

一番目のダムは右岸の急斜面を上り、バンドに沿ってトラバース。

堰堤間は大きな岩の積重なるガレ。藪もなく楽に歩いて行ける。

とても静かな所。鳥の声がよく聞こえる。そうか伏流してるので

水音も全くしない。そこが他の谷と違うんだ。好ましい雰囲気だ。

2番目の堰堤は左岸の崩れた斜面から越える。水通し天端の大岩

は、当然そのまま。作った後は、ほったらかしの感が強い治山ダム。

3番目の堰堤も左岸から越える。国の作る砂防ダムは名称があるが、

治山ダムには名称も記号もない。どうやって管理しているのだろうか。

2度目なので淡々と歩いて、二俣まで到着した。左俣は水流がある。

右俣は岩床が露出し、水流どころか濡れてもいない。それで前回、

左俣を選んだ。だが地形的に考えると、右俣のほうが山寺尾根に

出るには近いように思える。今日は右俣を最後まで詰めてみたい。

岩床が露出していたのは、僅か10mほど。後はここまでと同じ

ガレとなる。ずっと岩床が続くのではという期待は消えてしまう。

すぐに4番目の堰堤が現れた。しかも大きい。これには驚いた。

水流のない左俣が本流ということなのか。確かに谷は広いけど。

4番目の堰堤の側壁には、ステップがあった。鋼製だろうが、

滑り止めのカバーもついていて、とても登りやすい。上流側

も設置されていて安全に通過。全部の堰堤にあると良いな。

4番目の堰堤を越えると、子供用の水筒。ペットボトルなどの

イカーの落としたゴミが散見された。ということは此の谷は

山寺尾根の一般道まで直上してるに違いない。そう確信する。

少し登ると谷が屈曲して、ゴルジェがあるように見えた。だが、

岩壁は右岸だけ発達し、左岸は土の斜面でゴルジェではない。

右岸の岩壁は立派なものだ。上流に向かって100m程も続く。

上の写真は振り返って下流側を見たもの。この谷唯一の見所。

もっとも川床はガレが続いて、斜度も緩く通行には問題ない。

再び谷が屈曲すると、ガレは終わり、落ち葉の降り積もった

凹地となる。スカイラインも見え、この辺りで右手の尾根に

抜けてもよさそうだ。だけど今日は最後まで詰めてみたい。

登っていくと傾斜が強まる。岩の露出した部分はまだ良いが、

その上で、落ち葉が覆う急斜面に苦労した。木の根を頼りに

ずり上がっていく。もっとも左俣の険悪さを思えば気楽なもの。

少し斜度が落ちたところで振り返る。木の根が露出してなけ

れば、登って来れなかったろう。あと10mほどで稜線に出る。

辿り着いたのは、山寺尾根の一般道から一段上がった岩場。

行者小屋からの尾根道が合流する手前だった。予想よりも

掬星台に近い場所だった。100mも進めば水平路との分岐。

300mの丸木階段を上り掬星台へ到着。先月に左俣を詰め

た時はヨレヨレだったが、今日はまだ余力がある。摩耶東谷

の本谷遡行と比べても、遥かにスッキリした好ルートだった。