摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

杣谷から支流を遡行し、天狗塚に直上する(杣谷編)

5月22日の日曜日も昨日に引き続き快晴。さあ、何処に行こうか。

岩ヶ谷の一本北側の無名谷を、この4月に3度も迷い歩いたあげく、

未だに詰め切れていない。すこし暑いかもしれないが行ってみよう。

杣谷はナメから始まる。かつては休日ともなると、子供達が遊んで

いたが、杣谷堰堤の土砂撤去工事に伴い、杣谷道が付け替えられ、

堰堤上の堆積地に入りにくくなり、今は東谷の河原で遊ぶ人が多い。

確かに旧道は、水流に侵食され、通行不能になっている。だがその

少し北側の、トタン板や古材が立てかけてある場所から、良い道が

堆積地に下っている。どうして此の道を、新道にしなかったのだろう。

ただ、そのおかげで静かな沢歩きが楽しめる。すぐ横に一般道が

あるとは思えない。入口から100mほどは、ナメと釜が連続する。

これで規模さえ大きければ、「七ツ釜」とでも、名前が付きそうだ。

水質は決して良くない。すぐ上の杣谷第2堰堤に溜まる、泥濘の

せいだろう。だが明るい陽光に水流が輝いて、忘れさせてくれる。

水は冷たく感じないし、まだ蜘蛛の巣も無く、沢歩きに良い季節。

以前は子供達が飛び込んで、良く遊んでた釜。この上で杣谷道の

新道と交差する。すぐ上に杣谷第2堰堤がある。右岸がら乗り越

せるが、今日は主目的が天狗塚直上。一般道で巻くことにしよう。

杣谷道を辿り左下に堰堤を見ると、すぐ河原に下る踏跡がある。

昨年12月に歩いたばかりなのに、草が繁って見過ごしてしまう。

少し戻ってロープを見て気が付いた。通行する人はいるのかな。

下った所は堰堤上の堆積地。しばらく平凡な河原が続く、前方に

大滝があるかのように見える。近づけば何のことはない、傾斜の

緩い小滝の連続に過ぎない。が知ってはいても、毎回ハッとする。

小滝が幾つか連続するが、階段状で普通に歩いて行ける。以前は

岩の色が、もっと赤かったように思うが、今日は何だか茶色っぽい。

左岸の河床に、コンクリートで固められた、プール状の遺構がある。

魚の生簀だったのだろうか。何度も歩いていて、初めて気がついた。

二条に流れる階段状の小滝。小さくとも変化があって飽きさせない。

次の小滝が意外に難所だ。此処は水心にホールドが多く、水流さえ

少なければ容易に通過できるのだが、今日はいつになく水量が多い。

側壁はノッペリしていて登れそうにもない。まずは家族が取りついた。

頭から水を被り、水勢に負け引き返してきた。ハムも取り付こうと

思うが、今日はメットを持ってこなかった。視界が確保できそうに

なく諦める。先行しズブ濡れになった家族から恨み言を散々と・・。

さて、どうしようかと思ったが、左岸に落口に向かって狭いバンドが

伸びている。このバンドを使って小さく巻いた。これはこれで楽しい。

続いて6mほどの滝。杣谷本流のハイライトだ。我々に到底流心は

登れないが、滝に向かって左側壁に、ホールドが多く容易に越せる。

高度感も出て楽しい所。勿論滑落すれば、無傷では済まないだろう。

登り乍ら、何でこんなに水量が多いのかと、考えるが思いつかない。

先週は晴天続きだったはずだが。家族に月曜日は土砂降りだったと

教えられる。6日前の雨が原因。それほど杣谷は水が引くのが遅い。

6m滝を越えると杣谷道が河原に近づく所。ハイカーの休憩適地だ。

我々も岩盤に座り込んで、リンゴ一個の小休止をとる。この上には

摩耶堰堤がそそり立っている。僅かな距離だが水心を行き楽しもう。

摩耶堰堤下で杣谷道に戻り、巻き上がって行く。白い花が満開。

対岸にも、同じ種の白い花木が幾本か見える。気づかなければ

それまでの風景だが、同じ道を何度も歩いてるからこそ新鮮だ。

コアジサイが咲いていた。通常のアジサイより一ヶ月ほど早い。

壊れたモトクロスバイクが放置してある所の斜瀑。これまでは、

一般道の側なので、人の目が気になり登ろうとも思わなかった。

いざ取りついてみると階段状で楽しく登れる。フェルトシューズ

を履いているからで、スニーカーだと滑りそうで怖くて登れない。

この滝の上に摩耶第3堰堤があり、乗越すと目的の支流がある。


今日のBGM