摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

日柳川左岸から関電巡視路支尾根に登る

2月28日の日曜日。朝から晴れて気温も上がるようだ。それなら

日柳川から登ってみよう。南向きの沢だから、日当りも良いだろう。

アプローチがかなり迂遠だが、以前から登りたかったルートがある。

10時過ぎに家を出て、日柳ダムに到着したのは、11時10分だ。

護国神社から、海星病院裏の急坂を登ってきた。何度あるいても

好きになれない道だ。この長いアプローチのせいか足が向き難い。

日柳ダムのスリット。思っていたよりも水量がある。今日は底の

厚いトレッキングシューズを履いて来た。靴下までは濡れない。

F1。前回、左岸のガレを巻いたが、今日は右岸階段状を登る。

この谷は山桜が多い。開花する頃に遡行するのが一番良いが、

今日は遡行が目的ではなくて、上流の支尾根が本来の目的だ。

F2。一見登れそうだが、ヌルヌルでゴム底では歯が立たない。

左岸を小さく巻く。日柳川は左岸が傾斜が緩く、巻き道が多い。

F3。この滝には手も足も出ない。やはり左岸を巻き上がる。

足跡が沢山ある。昨日か今日。多人数の通行があったよう。

F4。階段状で容易に登る。滝の一つとして数えるかは微妙。

F5。流心をツッパリで登れるが、今日は濡れたくないので、

かなり手前から、左岸バンドを斜上する。古い道跡のようだ。

F6。階段状の小滝。流心に生えた木が、良い手掛かりとなる。

F7。2段の複雑な形状の小滝。下段は左岸を登り右岸に移る。

右岸上段には、古いトラロープがあるが頼りにしない方が良い。

F7を越えた河原で、前方を見上げると、天狗梁頂部が僅かに

見えた。今日は此処から、左岸の支尾根を登ってみようと思う。

以前、コメント欄から天狗梁が見えると、教えて頂いたからだ。

左岸の急斜面に取り付く。落ち葉の下は、細かいガレの堆積だ。

今から思うと、もう少し下流側から取り着いた方が良かったかも。

とても歩き難いので立木にすがって登って行く。下生えは少ない。

更に上ると岩が現れ、傾斜が急になる。立っているのもやっと。

天狗梁が見えないかと、振り返りつつ登るが、樹木に遮られて、

何も見えない。それは岩が多くなっても変わらない。どうだろう。

こんな斜面にも猪の獣道があって利用させて貰う。幅20センチ

程だが良く踏まれている。ただ緩やかに斜上して行くので、適当

な所で反対方向の獣道に乗換えないと、尾根を登って行けない。

傾斜が緩み尾根に乗ったと思える所。架線場跡の石積みがある。

先行していた家族は、展望を求めて、北側の斜面に入っていった。

家族が、「見えるよ。」と言っている。行ってみると、広い倒木帯だ。

天狗梁の頂部だけ見えていた。下段の岩場は樹林に隠れている。

その為に大きさは感じず、その鋭さだけが際立っている。風化した

花崗岩の岩場が多い六甲山系では、稀有な存在ではなかろうか。

天狗梁を東側から見るという、今日の目標を果たし十分満足する。

少し登れば、傾斜の緩い細尾根となる。なかなか雰囲気の良い所。

日柳川から関電巡視路尾根に登るだけだから、標高差は余りない

と思っていたが、存外に長い支尾根だった。ようやくスカイライン

見えてきた。それに笹藪も現れたのだから、主稜線にも近いだろう。

程なく関電巡視路に飛び出す。写真では同じ様だが、固い道は

格段に歩き易い。数十メートルも歩けば、伯母野道と合流する。

分岐に立つ道標。摩耶山に関電巡視路は数あれど、公設道標に

記されているのは、此処だけだと思う。このまま伯母野道を下って

も良いが、晴れて暖かいので、久しぶりに天狗塚で昼食にしよう。

天狗塚には二組のハイカーがいたが、我々もお邪魔させて貰う。

春霞なのか、大陸から飛来したPM2.5か知らぬが靄っている。

今日の昼ごはんは、何も考えておらず、急遽作ったおにぎり。

高菜のめはりずしとタラコのオニギリだけ。陽射しが暖かくて、

30分以上も日なたボッコしていた。その間、数組が行き交う。

下りは歩きよいハチノス谷西尾尾根。河津桜を見に円山公園

に立ち寄るが。多少蕾が膨らんだくらい。さて来週はどうだろう。


今日のBGM