摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

千聖山(922m)・・・・・・慶尚南道・梁山市・・・・2015年12月19日

千聖山(チョンソンサン)には、1年前に梁山に宿泊して登ろうとした。

その時は雨天で諦めている。それに加えて市内バス路線が分からず、

消化不良に終わる。地下鉄梁山駅周辺に市内バスターミナルはない。

梁山へは、地下鉄2号線で行くものと思っていたが、金井山の東側、

地下鉄1号線・明倫駅から、12番バスが梁山市を縦断して彦陽まで

頻繁に運行していた。市内バスとしては長距離。午前6時25分乗車。

どうも登山口の、虹龍寺か内院寺まで、直接行くバスは無いようだ。

1025地方道の内院寺入口のバス停で下車。食堂が何軒かあるが、

まだ開いてないので、コンビニでカップ麺とキムパブの朝食を摂った。

コンビニを出ると、たまたまタクシーが通りかかったので乗車する。

一気に境内の奥まで乗り入れた。これは失敗。内院寺渓谷という

美しい渓谷を横目に走り過ぎてしまった。運賃も、6000Wと高い。

ちなみに山門の所が売票所で、停車させられ拝観料2000Wを

2名分支払った。仏教に信心はないが、せっかくなので立ち寄る。

大きな寺ではないが、落ち着いた雰囲気の裕福そうな寺である。

それほどには寒くないが、ベンチは霜が積もって白くなっている。

自動販売機に、400W入れてココアを選ぶが、白湯しか出ない。

山旅の初日にしては、どうも縁起が悪い。元の橋に戻って山道に

入る。小さな標識が一つだけの静かな登山口だ。枯葉の道を行く。

しばらくは渓谷沿いの緩やかな道。沢水の飛沫が少し凍っている。

やがて登山道は渓谷を離れて、左手の斜面を急激に登っていく。

階段道も現れ、傾斜もきつくなる。展望は無くひたすら登るだけ。

その分、標高は稼いでいる。ヘロヘロになりながらも稜線に出た。

気温も上がったので小休止し、フリースを脱ぐ。正面は748峰。

穏やかな林間の道の先に、岩場が立ちはだかる。これを登ると

一気に大展望が広がった。先を行く家族が、小さく歓声を上げる。

どうやら千聖山第二峰の頂上に出た。遠くに見えるのが本峰だ。

ギザギザの岩の頂上。座り易い所を探して行動食を摂って休む。

まだ午前10時25分だが、本峰方向から二組のハイカーが来て、

すぐ下って行かれた。こんな雲一つない青空は、久しぶりに見る。

だが本峰は遥かに遠い。先を急ごう。緩やかな稜線を歩いていく。

登山道の脇に丸い岩場があり、ハイカーが3名休んでおられた。

こちらの方が、ギザギザの二峰の頂上よりも、休みやすいだろう。

緩やかな稜線道の脇に、林道が現れた。右側の谷に下れば

雲水峠という道標もあったが、なんとなく林道の方が良いよう

な気がして、そのまま進む。近くの岩場から、千聖山第二峰。

途中もう一か所、雲水峠への道標を見送り、これ以上進むと

本峰から遠くなると思った頃に、また分岐と、案内板があった。

韓国の山にしては、網の目のように多くの道があって迷う。

どうも林道を、行き過ぎたようで、遠回りしているみたいだ。

再び緩やかな道を進む、本峰の山腹を望める岩場があった。

標高900mの山にしては、雄大な風景。量感が素晴らしい。

林道を遠回りしたおかげで、此処へ立ち寄れた。運が良い。

その後、トラバース気味に進むと、やっと雲水峠に到着した。

何でもないような所だが、幾本かの登山路が交差する要所。

峠からはススキの原を行く。霜柱が溶けた泥濘が歩き難い。

振り返れば千聖山第二峰が遠くなっている。林道を歩かず

写真の右端の斜面を、下って来れば雲水峠に着いたようだ。

先ほど立っていた展望岩場はどれかな。林道が山腹を貫く。

ようやく本峰が見えてきた。頂上に立つ人影も見えている。

もうすぐだと思ったのだが、実は此処からが遠かったのだ。

何故か登山道がフェンスで囲われて、その外側には有刺鉄線。

日本なら、ゴルフ場の脇にありそうな道だが、どうも様子が違う。

なんとフェンスの外側は地雷原なのだ。今は何も残っていないが、

かつて軍の重要施設が山頂にあり、周囲に地雷を埋設したようだ。

山頂はすぐそこに見えるのに、真直ぐ行けない。遠足の高校生が、

「お腹空いた!」と言いながら歩いて来た。それぐらいなら分かる。

登山道は広い山頂平原の縁を回って行く。山頂には背を向けている。

山頂平原の南角の展望所で、90度曲がって階段道を西へ進む。

西角からは、筵の敷かれた道を北に進む。やっと山頂が見えた。

地雷のある平原を回り込み、たぶん2km位は余計に歩いている。

ようやく山頂に到着。なんだか重機で掘り返した造成地のようだ。

北端に山名碑があるが、全体に埃っぽくて休憩適地とは言えない。

簡単に行動食を摂り下山に掛る。もう午後1時近い。実は梁山で

行きたい食堂があるので、昼食に間に合うように下山したかった。

西側斜面も、頂上からしばらく地雷原で、登山道は囲われている。

虹龍寺への分岐まで下って来た。振り返る千聖山頂上。標高に

似合わず量感のある山容。さして期待してなかったので嬉しい。

梁山市街を遠望しつつ、虹龍寺へ向かって下山する。この下で

霜柱の溶けた泥濘の道でスリップして、泥だらけになってしまう。

少し下れば道は乾き、淡々と下っていく。明るく伐採されている。

林道に出た所で道を間違えたよう。道標も無い林道を延々下る。

地図らしい地図も持っていないので、何処で迷ったか分から無い。

もっと上流で左岸に渡る道があったはず。虹龍寺より800m下に

出た。寺はともかく、虹龍滝を見逃したのは少々惜しい。バス停を

探すが見当たらず、車道を1025地方道まで歩き市内バスに乗る。