摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

Dans le Ciel ダン・ル・シエル・・・・・大阪市・片町

この日は所用があって、天神橋筋にいた。昼食は茶屋町辺りで、

安いビュッフェに行こうか、とも思っていたが、用事の待ち時間に

「天満・ランチ」と検索してみたら、気になる料理写真を見つけた。

900円のランチだというが、パン篭にカンパーニュが、一切れ

乗っている。パン屋で仕入れたバゲットを、提供するレストラン

は多いけど、カンパーニュとなると、そう々出来ることではない。

店の前には10名ほどの行列。結局40分以上待つことになる。

だが空席ができる度に、シェフ自らが店外にまで出て来られて、

次の客を招き入れられる。これは待つ価値があるなと確信する。

店内はごく狭い。二人掛けのテーブルが5卓。それでいて古い

調度が、ビストロらしい雰囲気(行ったことないけど、たぶん)を

醸し出している。窓から大阪城天守閣が、見えるのも一興だ。

シェフ一人で調理・接客をされているので、料理が出て来るまで

少々時間は掛る。氷水がポットで供されるのが、すごくうれしい。

カボチャのポタージュ。ミルクを泡立てて乗せてあるのは初めて。

カンパーニュと白パンが各一つ。どちらも適度に温められている。

もちろん自家製という。こんな立派なカンパーニュを作れるのは、

シェフの実力の証。このパンなら料理も、きっとそれ以上のはず。

茶美豚(ちゃーみーとん)て、初めて聞く、鹿児島のブランド豚。

ソテーという事だが、この色、この柔らかさはポークと思えない。

シャルキティエールというマスタードのソースが、とても美味しい。

鶏もも肉マスタード・パン粉焼き。一手間も二手間も掛った料理。

どちらも味は濃い過ぎず、フランス料理にしては、あっさりしている。

それでいて、ボリュームもあるのだから、非の打ち所がないコスパ

ルビー・グレープフルーツのシャーベット。自宅では再現できそうも

ない物ばかり。それでこそ、レストランで食事する価値があるという

もの。税込み900円。サイドメニューはパン用のバター(50円)だけ。

滅多に外食などすることないのに、こんな素晴らしいお店に出合え、

この日一日幸せな気分でいられた。もう少し生きていても良いかも。


Dans le Ciel フランス料理店 ダン・ル・シエル

ランチ/12:00〜14:00(LO) 日曜・祝日休、予約不可

2014年のランチ休業日/12月15日(月)〜1月13日(火)

2015年の年末年始ランチ休業日は、お店にご確認ください。