摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

有名山(862m)・・・・・・京畿道・加平郡・・・2015年11月1日

この有名山(ユミョンサン)に来ようとしたのは、初めてではない。

ガイドブックには、ソウルの上鳳バスターミナルから、直行バスを

利用と記されているが、一昨年に、行ってみると廃止されていた。

それで今回は、加平郡の清平ターミナル発の市内バスを利用する。

8時20分は有名山行きだが、始発は鉄道駅だ。日曜なのでソウル

からの登山客で、混み合いそう。7時40分の楊平行きに乗車する。

清平バスターミナルを発したバスは、清平湖に沿って南下して行く。

気温に比べ水温が低いのか高いのか、水面からガスが沸き上がる。

バスは、有名山の入口に立ち寄るが、そこでは下車せず先に進む。

バスは、有名山の西側の峠を越えて楊平へ向かう。その峠からも

登山道がついている。だが峠には、公にバス停はない。乗車時に

運転手に「ソンオチ」へ行きますか、と聞いたので、停車してくれた。

峠には、登山者向けの簡易食堂が3軒もあったので、同じように、

バスで来る人も多いのだろう。この峠からは反対側の仲美山へも

道がある。看板は、仲美山自然休養林を示す物で、道標ではない。

登山口で道を聞かれたが、その男性は仲美山に向かって行った。

落ち葉の降り積もる林を登って行く。正式な登山道ではないのか

道標は現れない。道は良く踏まれており、何の不安もなく歩ける。

30分ほど歩いた所で、ようやく道標があった。ソンオチ峠の

表記もある。有名山は自然休養林(国設保養施設)が、管理

しているので、入場料を払わない入山は、歓迎されていない。

標高は低いのに、木々はすっかり葉を落としてしまっている。

紅葉を期待して、11月初旬に来た訳だが、10月中旬頃が、

見ごろだったかな。日本より一月以上も、季節の歩みが早い。

ソグニ山頂に到着した。立派な山名碑もあるが、樹林に囲まれ

展望はない。それに尾根上の小突起にすぎず、山頂らしくない。

此処で休憩して、朝食を食べることにしよう。昨晩、清平の

パン屋さんで買った栗の実入りのパン。3800Wと高いが、

栗の実が沢山入っている。ほんのり優しい甘さが食べ易い。

行く手に見えるのが、有名山だろう。なだらか山容の山だ。

ソグニ山頂から西側の鞍部に下って行くと、岩場が見えた。

岩場に登ると展望が開ける。此処で朝食休憩すれば良かった。

有名山の南斜面はススキの原となっている。パラグライダー場

となっているようだ。麓から林道が、頂上の近くまでついている。

ソグニ山と有名山の鞍部は、とてもなだらか。それほど下らない。

大した登り返しも無く、有名山主稜線に到着。パラグライダー場の

少し上の辺り。南西に特異な山容の山が見える。何という山かな。

この主稜線には、林道が山頂の近くまでついていた。振り返ると

パラグライダーが飛んでいた。風が弱く上昇気流に乗れていない。

あっけなく有名山の頂上に到着。自然休養林から登ってきた人達

で賑っている。山名碑の前で、撮影大会。上の写真は一瞬の空白。

今日は日曜日。次から次へと沢山の人が登って来ては、記念写真。

頂上の西側には平たい草地があって、昼食休憩している人が多い。

11時前だが、どんどん登って来られる。昼には賑やかになるだろう。

西側に見えているのは、山頂に大きな通信施設の目立つ龍門山だ。

自然休養林への下山路は、直登コースと渓谷コースの二つがある。

直登コースは登って来る人で混み合ってる。遠回りだが渓谷コース

で下ろう。まずは西側へ下って行く。乾燥しているので砂煙が立つ。

20分ほどで渓谷に降り立つ。此処で岩に座って小休止していると、

一人のアジョシに、魚飛山(オビサン)への道を聞かれた。川を渡っ

た所に登山道があったようだ。見つかったらしく、渡って行かれた。

谷は実に穏やかな渓相だ。もう少し早ければ紅葉がキレイだったろう。

渓谷沿いの道は緩やかに下って行く。有名山自体は平凡な山容。

退屈に思ったが、この渓谷歩きと併せれば、歩く価値はあるだろう。

出来れば紅葉の盛りに歩きたかったな。きっと見事な景色だろう。

渓谷の両岸は険しい岩壁だ。東斜面の穏やかさとは大きく異なる。

渓谷入口の近くになって、紅葉した葉が残る木が1本だけあった。

自然休養林の広場では、物産展のような催しが開かれていた。

右側の店では、タコヤキを売っている。来客は、自然休養林の

入場料1000Wを、払わねばならないが、なかなか盛況だった。

自然休養林のゲートを出て直ぐ、食堂街の一角にバス停があった。

珍しく手書きの時刻表がある。清涼里行きの座席バスや、蚕室行き

の高速バスもある。何も清平に泊まる必要は無かったということだ。

13時40分の市内バスで清平バスターミナルに戻り、10分ほど

歩いて京春線の清平駅へ。ソウルに戻って美味しい物を食べよう。