摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

二十渉第三砂防ダムの谷を詰めて黒岩尾根へ

高尾山堰堤上の広場で、遅い昼食を摂った後、更に生田川沿いを

進んで行く。一日晴れかと思いきや。この頃は暗い雲が掛っていた。

分水嶺越しへの徒渉点。台風で流れ出した砂で、河床が底上げし、

飛石が川砂で埋まってしまった所。新しい飛石が設置されていた。

先ほど高尾山堰堤の下で、作業していた方達の仕事だろう。感謝。

高尾山堰堤からは、トゥエンティクロスを、ゆっくりと歩いていく。

二十渉堰堤の乗越には、赤い実が成っている。初冬の雰囲気だ。

この堰堤上のポンドの水は、とても澄んでいる。冬だからかな。

生田川源流は流水でさえ濁っている。何処かで浄化されるのか。

そんなことを考え乍ら、30分も歩いていると目的の場所に到着。

森林植物園東口への分岐100m程手前で、ごく小さな涸れ

沢を渡る。今日は此の沢を詰めて、黒岩尾根へ登ろうと思う。

まずは右岸尾根にある道を登っていく。歩く人も多く明瞭な道。

二十渉第三砂防ダムは正副2基の堰堤からなる。まずは副堰堤

の上に降りてみる。堰堤間の水は常に真っ黒だ。なぜだろうかな。

副堰堤から右岸の道に戻り、適当な所で正堰堤へトラバース。

堰堤からは、大きいな段差を上流側に下る。家族は苦労している。

堰堤の上は、大きなゴーロの伏流帯。この谷に来るのは2度目だ。

前回は2014年3月18日に歩いている。様子はほぼ分かっている。

しばらく登ると小滝があり、水流が現れる。滝身はヌメっている。

右岸側壁を登る。2番目の小滝は、岩の発達した左岸を乗越す。

小滝の上は滑が続く。これほど水量の少ない谷にしては出色。

更にその上は岩溝を細い水流が流れ、広い岩盤が広がっている。

最初のハイライト。生田川との出合の様子からは想像も出来ない。

その後も2・3の小滝を越えて登って行くと、ハング滝で詰まる。

家族は左岸を巻いて行くが、ハムは登り易そうな、右岸を巻く。

ハング滝を巻き上がると、傾斜の緩い小滝があるが、この上は、

滑り台の様な滑が続き、登山靴でも沢靴でも我々には登れない。

左岸の急斜面を立木頼りに登り、滑の上端に達する。一息つこう。

此の滑は幅こそ狭いが40度〜45度の傾斜、長さは数十メートル。

その上も傾斜は落ちるが、ヌメッた岩盤が露出して、滑りやすい。

前回は最後まで沢筋を詰めたが、藪が混んだ所で南尾根に逃げる。

下ばえの無い斜面を、50mほどのトラバースで、尾根道に出る。

谷筋から、陽光溢れる尾根への転換は、変化があって楽しい。

谷の入口からは1時間半かかっている。登り応えのあるコース。

振り返ると逆光の中に、やや靄った須磨・垂水の山々。淡路島。

後は淡々と黒岩尾根道を辿り、掬星台へ。どっと疲れが出る所。