摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

ツツジ咲く長峰山西尾根(仮称)を下る

4月19日の日曜日。降水確率は60%。実際朝から小雨模様。

だが時間別の天気では、午後には曇りになりそうだ。なら行こう。

昨日の賑わいが、嘘のような摩耶山。ケーブルもロープウェイも

乗客は我々2人だけ。掬星台はガスに覆われて、視界は30m程。

奥摩耶ドライブウェイを杣谷峠に向かう。新緑が清らかに美しい。

山桜もほぼ満開。平地では見れない新緑とのコントラストが良い。

山桜は花が小さいので、太陽の光を背に見ると、印象が薄くなる。

今日の様な曇った日の方が、見上げる場合はキレイに見えるよう。

杣谷峠から長峰山への道に入る。ポツポツとツツジの株が現れる。

この長峰山主稜線で、ツツジの花を見るのは初めてかも知れない。

例年は、開花するのが五月連休辺りなので、旅行で神戸にいない。

最低鞍部の手前で、長峰山頂を見上げる。あんなに高かったのか。

この辺りは高木が多くて、花を見上げるので、期待していなかった。

だが東西両斜面に咲く花は、目線が合うので、思ったよりも綺麗だ。

長峰山頂の天狗塚に到着する。珍しく誰もいない。二人共何だか

猛烈にお腹が空いて来たが、昼食は摂らずに、お茶だけの小休止。

山頂からは、西へ伸びる此の尾根を下る。新緑が盛り上がっている。

顕著な尾根なのに、鉄塔より下には明確な道が無く、歩く人は少ない。

山頂直下から、左はハチノス谷西尾根(六甲線十二鉄塔)の巡視路。

我々は、右側の六甲線十三鉄塔への巡視路へ入る。急傾斜の難路。

下り始めると、ツツジの藪に囲まれるが、萌え出た若葉の方が盛ん。

それでも傾斜が緩み、大木が数本並ぶ辺りには、満開の株が現れる。

若葉だけが萌え出た株と、花だけ咲かす株。この違いは何だろう。

大概は葉が出ると、花の印象が薄くなるのだが、今日は良い感じ。

昨日、対岸の寒谷北尾根から、この尾根の一三鉄塔の上辺りが、

薄紫に染まっているのが見えた。それはもう少し下のように思う。

さらに巡視路を下って行く。この頃には、おなかの空いたのも

すっかり忘れ、次から次へ現れるツツジの美しさに酔っている。

高木が多く、どうしても他の木の枝と交わり、スッキリ見えない。

更に下ると、北側に大きな群落が現れた。藪を分け近づいてみる。

杣谷を挟んで対岸の、摩耶山の山腹が見えている。どうやら此処が、

昨日、寒谷北尾根から眺めた群落のようだ。びっしりと密生している。

西側から北側にかけて、群落は続いている。だが引くと松の木が

邪魔になり、近寄るとスケールが分から無い。良い写真は撮れず。

この尾根は何度も登っているが、この付近の開花期に来ておらず、

こんな群落があることは、初めて知った。二人とも興奮気味である。

巡視路周囲のツツジはまだ続く。悪天をおして来た甲斐があった。

松が折れて日当りが良くなったせいか、勢い良く満開のツツジが、

巡視路の両側を彩る。向うに見えているのは中間駅辺りだろうか。

六甲線一三鉄塔の手前、最盛期のツツジは、この辺りまでだろう。

鉄塔下に到着。この尾根では唯一の休憩適地。昼ごはんにする。