摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

天狗梁からハチノス谷西尾根を下る

4月12日の日曜日は、日柳川沿いから天狗梁に登った。

昼食を済ませれば、長峰山頂には登らずに下ろうと思う。

長峰墓地の桜が咲いているなら、ハチノス谷東尾根だが、

もう散ってしまったろうから、遠回りだが西尾根を下ろう。

まずは天狗梁から、ハチノス谷東尾根の巡視路を目指す。

大岩の転がる細尾根を忠実に高みを目指して登っていく。

ハチノス谷東尾根の巡視路に出て、更に数十m登ると、

西側に明瞭な踏跡がある。この道はハチノス谷の奥の

二俣まで続くのだが、我々はすぐに道を外れ谷に下る。

浅く広い谷間に大きな倒木がある。ハチノス谷を遡行

して来た時に、此処を終了点とする人が多い場所だ。

此処からは右岸の斜面を下って行く。薄い踏跡もある。

途切れがちだった踏跡も、下るにつれ明確になってくる。

炭焼きが行われた頃には、通行が多かったと思われる。

更に下ると広い凹地に出る。ここはもうハチノス谷西尾根。

山頂を経由せずとも、東西の尾根間を容易に行き来できる。

凹地をそのまま下れば、岩ケ谷に下るという不思議な地形。

凹地から少し下れば六甲線一二鉄塔。杣谷を挟み対岸に、

ロープウェイとケーブルの中間駅や、廃墟ホテルが見える。

摩耶山頂も望める。鉄塔付近のミツバツツジは蕾が多い。

鉄塔から少し下ると満開の株も現れる。ハチノス谷西尾根

では標高が高くなるほどに、ツツジの樹高が高くなるようだ。

その為、一二鉄塔から下の方が花との距離が近く楽しめる。

同じミツバツツジでも、若葉と一緒に花が咲く株と、花だけ

先に咲く株がある。それは種の違いか何なのか分からない。

もちろん、花だけ咲いているほうが、断然キレイだと思う。

さほど密生してはいないが、ツツジの回廊とでも呼びたい。

次から次へと、現れるミツバツツジの株。この時期を逃すと、

やや単調なハチノス谷西尾根だが、今は退屈する暇も無い。

この辺り、以前はもっと濃密な感じがしたが、登山者が増え

て道も広がったのか、やや希薄な感じがするようになった。

ところでハチノス谷東尾根の花期は、西尾根より若干早い。

先週ぐらいだったよう。隣りあわせの尾根でも違うものだ。

数時間じーと眺めていれば、開花する過程を見られるのでは。

月曜日からは、また雨の予報が続く。来週末までこの美しさは

持ちそうにない。杣谷上流域の尾根の方が、見頃になるだろう。

ハチノス谷西尾根のツツジは、なぜか標高と樹高が比例する。

下るほどに樹高が低くなる。逆に山頂近くになると高木が多い。

先週が寒かっただけに、例年になく一気に咲き始めたよう。

西側の山寺尾根や、その向こうの斜面には、山桜が多い。

張り巡らされた高圧電線が、あたかも綾取りの紐みたいだ。

杣谷堰堤まで下ると、気の早いモチツツジが咲いていた。