4月12日の日曜日は、日柳川の東岸を歩いて天狗梁を目指す。
靴を濡らさずに、日柳川上流の天狗梁南稜に取りつきたいのだ。
昨年ちょうど同じ季節に一度下っているので、多分大丈夫だろう。
伯母野山住宅街の突当りから、長峰山の一般道は東に向かうが、
此処を西へ強引に進むと、日柳川東岸を、上流に向かう道がある。
直進すると河原に至るが、数m先に右斜面に登る巡視路が現れる。
この巡視路を登って行くと、まず最初に南灘連絡線二鉄塔。次に
神戸東線二六鉄塔がある。この鉄塔は日柳川のスリット式堰堤の
ちょうど真上に当たり、西側に堰堤上部や周囲の桜が見えている。
神戸東線二六鉄塔から数十mも上ると、やや西斜面が緩くなる。
その辺りから日柳川の東斜面を、斜上して行けば天狗梁の下に
行き着くという計画。だが楽な道を選ぶと、どうも下降気味になる。
見上げると天狗梁が見えた。上の写真は、望遠で撮ったもので、
実際はかなり遠い。だが肉眼でもツツジの花が鮮やかに見える。
河床が近づき小屋跡らしき石積みがある。前回は通っていない。
早く下り過ぎたようなので、左岸を登り返して、また斜上して行く。
斜面には猪の獣道があるし、疎林なので藪も薄く歩き難くはない。
だが何処も同じように見えて、前回歩いた記憶はよみがえらない。
歩き易い所を進むと、また河床に降りてしまう。見覚えのある滝。
たぶん此の多段の滝上に、天狗梁南稜末端の二俣があるだろう。
ここは東斜面に戻らず、右岸の巻き道で越す。新しい靴跡がある。
やはり二俣が現れた。右が本流である。中間が天狗梁南稜末端。
少しでも高度を稼ごうと、左のガレた沢を登るが不安定で悪い。
最初から中間尾根を登れば良かった。適当な所で尾根に移る。
天狗梁南稜は最初から急峻だ。摩耶山系にしては、岩や木が
しっかりしているのが救い。もちろん、朽ちた木や浮いた岩も
あるので気は抜けない。前回登ったルートは、もう忘れている。
落石を恐れ別々のルートを登るが、西寄りを登っていた家族は、
詰まってしまった。いったん下降して、東寄りに登り返してきた。
家族は立木に頼るより、岩場を登る方が良いらしい。同じ場所を、
ハムは左から立木頼りに巻き上がった。まあ離れて登る方が良い。
岩場の上に出ると展望がある。椿の木を上から見るというのも
珍しい経験。それほどの急傾斜を、登ってきたということだろう。
少し登ればミツバツツジも咲いていた。谷を挟んですぐ西隣の、
比較的少ない。その代わりかわ知らないが、モチツツジが多い。
天狗梁下段の岩場に到着。六甲学院山岳部誌「たき火」によると、
ゲレンデとして利用されていたようだが、今は痕跡も残っていない。
写真左の大きな蕾がモチツツジ。同じツツジでも、趣は随分と違う。
下段の岩場東側、落葉が降り積もった斜面を登って行く。斜度は、
それほどでもないのだが、手掛かりとなる木が少なく足元も怪しい。
行く手に岩場が現れ、傾斜は緩いがホールドが少ないので、安易に
東側に回り込む。足元は河床まで切れ落ちているが、高度感は無い。
見上げれば天狗梁頂部。手前の岩との間にバンドがあり西側へ
横断できる。直上したら気持ち良いだろうが、我々には到底無理。
前回は溝状の岩場を、朽ちた松の木を手掛かりに強引に登ったが、
今日は西側へ回り込んでみよう。1m程の段差を下れば土の斜面。
上の写真を撮っていると、家族が此方を指さして、何か言っている。
見上げると、蛇がとぐろを巻いてお昼寝中。トンビや鷹に襲われる
ことはないのだろうか。ちなみに猪も展望の良い所にねぐらを作る。
さて、西へ回り込むと獣道が縦横にあって、容易に天狗梁の頂部に
行き着くことが出来た。アプローチに比べて、何だかあっけない結末。
前回、ほぼ空身できたので、今回は違った登り方ができないかと、
簡易ハーネスや補助ザイル、シュリンゲも多数持って来たのだが、
結局一番楽な登り方をしてしまった。まあ無事に登れたので・・・・。