摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

二本松林道から 宇治川堰堤を経て 防火道へ

11月30日の日曜日、朝から爽やかな快晴。だが降水確率は80%。

夕方から曇り、夜には雨となるという。なら少しでも早く山に行こう。

それで家を出たのは、午前9時半。いつもよりは、かなり早い出発だ。

2日連続だが二本松林道へ向う。昨日は一人だが今日は家族も一緒だ。

生田川公園のヒマラヤ桜も見せたい。名のごとく、野趣に富んだ花弁。

歩道沿いのカリンも見事に紅葉している。実を生らすのは知っていた

が、葉がこんな色になるとは知らなかった。賑やかな生田川沿いの道。

城山へはハーブ園のロープウェイ駅舎奥から登る。エスカレーターで、

高度を稼ごう。ショッピングセンターから駅舎へはエレベータもある。

駅舎前の道を北に歩き、イノシシ除けのドアを開けてさらに奥に進む。

荒廃した公園から急な階段があり、50mも登れば北野道に合流する。

そのまま北野道を辿って行けば、眼下には浄水場跡に立つ結婚式場が、

さらに南側には三宮のビル群が望める。海までは3kmほどしかない。

見上げるとナナカマド。城山はサクラは多いけどモミジの木は少ない。

三宮辺りからもポツン、ポツンと赤いナナカマドが良く目立っている。

北野道の中間辺りで、北側の尾根に強引に取付く。出だしは登り難い。

急な細尾根が続く。城山では一番登った気のする道。いや踏跡である。

花崗岩が真砂化した道だが、土曜の朝の雨で湿って常よりも歩きよい。

登りきると東屋のある平削地。新神戸駅からの道と合流し西へ向かう。

今日も、再度ドライブウェイを渡り二本松林道へ入る。後ろから来た

グループは尾根道を歩いて大龍寺に向かうようだ。よほど猩々池経由

の方がキレイだよって言いたかったな。まあ目的はそれぞれにあろう。

猩々池付近は終わったが、この辺りは、まだキレイな葉も残っている。

落葉が林道を染めているのも趣がある。先週に比べて歩く人は少ない。

見上げれば青い空をバックに見事な紅葉。間伐されていてやや涼しげ。

二本松林道沿いには、セコイアの林もある。金色に輝くように黄葉す

る木だが、今年はどうもくすんだ色調で終わりそうだ。どんどん進む。

猩々池の畔は、ハイカーで賑っているが、立ち止まらずに素通りする。

さて今日の本当の目的地は、二本松林道をさらに西へ進んだ所にある。

車止めの脇を通って林道を進む。車も通らないし歩く人も少ないので、

道にはモミジの落葉が、カフカに積もっている。暖かい秋の陽が差す。

猩々池から西の二本松林道は、さして美しい林相ではない。その上に、

大きく再度谷を回り込むので、防火道までは遠く、やや冗長に過ぎる。

そこで宇治川砂防ダムの堆積地で対岸に渡って、ショートカットする。

林道から見下ろしても分り難いのだが、此処にはモミジの大木が多い。

急峻な斜面を下って行くが、足元には黄色いモミジの落ち葉ばかりだ。

ダム上流の堆積地まで降り立つと、紅葉したモミジの木々に包まれる。

元々鑑賞用に植えられた木々ではないので、雑多な感じはぬぐえない。

此処が今日の目的地。上の林道からはハイカーの声が聞こえて来るが、

谷間の紅葉には気づきもしないだろう。とても不思議な感じの場所だ。

増水すれば水に浸かるダム上に、モミジの大木があるのは稀有だろう。

ゴミも沢山流れ着くダムの堆積地だが、そのゴミさえ落葉が覆い隠す。

宇治川ダムは昭和17年の完成である。その時代が此処に残っている。

堰堤の西側まで登って、そこから急な細尾根に取り付く。踏跡は無い。

見覚えのある場所へ辿り着いた。10月に実を拾った大きな椎の木だ。

この樹の南側に神戸東線一五鉄塔があり、この上からは巡視路を歩く。

しばらくで二本松林道からの道と合流して、次の一四鉄塔に到着する。

伐採されたので東側の眺望が良くなった。左手には摩耶山頂。右手の

城山の肩越しには梅田の高層ビル群が望める。さあて昼ご飯にしよう。



今日のBGM