摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

白雲山(883m)・・・・・・江原道・旌善郡・・・2014年9月27日

昨夜は、堤川駅近くの宿に泊り、7時15分発アウラジ行ムグンファ号に乗車。

朝霧の中、50分で礼美駅に到着。ムグンファ号は、日本でいうと急行列車だ。

途中、通過駅が幾つもあるが、普通列車は運行されておらず、廃駅と言える。

此の駅にしろ、下車したのは我々二人だけで、乗車する人は誰もいない。

駅前に出てみると、タクシースタンドはあるが、客待ちのタクシーはいない。

昨日のことがあるので、駅を出るとすぐ通りがかりのアジュマにバスを聞く。

あと20分ぐらいで来ると教えてもらう。バス停へ行くと時刻表があって、

日に1本の徳川里(トクチョンリ)行きのバスが、8時30分にあるようだ。

もちろん8時30分は始発の時刻であり、このバス停の通過時間ではない。

久々にスムースに市内バスに乗れ嬉しかった。礼美(イェミ)から徳川里は

北側の山向こうになる。途中、一車線だけの素掘りのトンネルを通って行く。

終点に到着。20分程なのでタクシーで来れなくもない。此処が回転場所。

乗客は駅から近距離を乗ったハルモニを除くと、外国人である我々だけ。

次回来ることがあっても、此のバスは走っているのだろうか。心配になる。

チェジャンナル。沈下橋(チャムス(潜水)橋)で対岸のチェジャンに渡る。

沈下橋の上から、これから登る白雲山の稜線。アップダウンが激しそうだ。

橋を渡ったチェジャンは、ペンションやリンゴ園があり、意外にキレイな所。

リンゴ園の脇を通って、白雲山の登山道に入る。いきなり急登が始まる。

ひたすら登るだけで、休もうにも適地は無い。右側はスッパリ切れ落ちて、

展望が良さそうに思うのだが、樹木に邪魔されて景色は良く見えないのだ。

ようやく東江の流れが見えた。これでもかなり無理をして覗き込んでいる。

登るにつれ景色は変わるが、行く手には何回アップダウンがあるのだろう。

山野草に興味の無いのだが、こんな道だと、つい足元の草花に目がいく。

ついにバテてしまい、家族に置いて行かれた。急登を登ったと思えば、

今度は激下り。そして又、急登という連続だ。標高の割に厳しい山だ。

足元で蛇行する東江が、この山の見所だろう。少しづつ景色が変わる。

韓国らしく階段が現れる。人工的だが確かに楽に登れる。素直に喜ぼう。

あのピークが白雲山の頂上かな。その前に深い鞍部に下れなばならない。

ついに先ほど渡った沈下橋が見える位置まで来た。右上の細い線がそれ。

鞍部まで下り又登り返す。下って来たアジュマが「この尾根は怖いよ」と、

そう言われても登るしかない。次々と案内登山会の登山客が下ってくる。

チェジャンナルの駐車場に、観光バスが3台あった。その人達だろう。

ヘバッていると、アジュマが「頂上はもうすぐだから・・」と言ってくれた。

聞き違いでなければ、これが最後の登りだろう。それにしても蒸し暑い。

やがて道が緩やかになる。相変わらず展望は無いが、頂上は近いはず。

ようやく白雲山の頂上に到着した。苦労した割には、眺めは良くない。

陽射しがきついので、樹林の中に入って、三角キムパブの昼食を摂る。

さして長居するような場所でも無い。東側に向かって下って行こう。

足元には目指す、ウンチリの沈下橋が見える。2時間位掛るかな。

登って来たコースに比べると、アップダウンは無いに等しい。それで、

案内登山会の人達はこちらから登ったのかな。頂上方向を振り返る。

東江に飛び込むような下りが続くが、登り返しが無いので悪くはない。

いったん下った所から、東側にトラバースして、東江の沈下橋を目指す。

ようやく東江に下り沈下橋を渡った所。期待していたバス停は無かった。

振り返り白雲山を望む。此処からだと、あれほど厳しい山には見えない。

今日は旌善で泊まりたい。ガイド本には、日に4本のバスと書いてある。

とにかくバス停を探して、上流の旌善方向へ歩いて行こう。大丈夫かな。

40分ばかり歩いたが、バス停はおろか人家も無かった。道の脇の東屋に、

二人のアジュマが休んでいる。昨日の事があるので、とにかく聞いてみる。

すると此処へ1時間後の、午後4時に旌善行きのバスが来ると教えて貰う。

まあ座れと言われ、バスが来るまでの1時間の間に、茹でトウモロコシ・

リンゴ・梨、それにコーヒーや菓子まで頂いてしまった。ほっとする瞬間。