9月13日の日曜日、天気予報は降水確率10%。2か月以上見ていない数字。
昨日の黒岩尾根の疲れが残ってはいるが、逃すにはもったいない。山に行こう。
と言いつつ、麓から登るのはしんどいので、ケーブル・ロープウェイを乗り継いで、
掬星台まで上る。先週歩いた杣谷の源流域を、気温の高い間に探っておきたい。
ドライブウェイを歩いて杣谷峠へ。さらに杣谷道を歩いて、勧進滝まで下って来た。
厳冬期に氷瀑を作るので有名な勧進滝だが、普段は陽も当たらず陰気な滝だ。
釜も持たず、滝下には大きな岩が転がっている。墜落を想像するのは恐ろしい。
とうていハムには登れそうにないが、トップロープでなら何とかなるかもしれない。
上流側の支沢から大きく巻いて、落口まで登って来た。落口には岩を穿って、
大きな木が生えている。ビレイを取った上で、水心に立って支点をセットする。
30mの補助ザイルを投げてみると、家族から十分届いているとの声が掛る。
ダブルにしてるので、滝の高さは13メートル位。水流沿いはハングしている。
想定していたコース沿いに懸垂で下る。段差が大きくホールドは少なそうだ。
残置されているピンやボルトは無い。この時点で、ハムには無理だと思ったが、
せっかく重たいのに道具を持って来たのだから、行ける所まで登ってみようか。
家族に確保を頼んで、トップロープで登り直す。滴り落ちる水流がメットを叩く。
中段で行き詰った。此処で落ちると左に大きく振られる。ザイルも1メートルは、
岩角を擦ることになるだろう。この7mザイルは店晒し品を50円/m買った物。
「古いので登攀用には使わないで下さい。」と、念を押されたのを思いだした・・。
黄色い実線が登った所、広いバンドを容易に斜上したが、赤丸の段差で詰まる。
明らかに実力の範囲外なので、あっさり諦めよう。ゴボウで登っても意味はない。
滝芯の下を登ったり下ったりして、全身びしょ濡れだ。日陰なので、寒くて震えた。