摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

南山第一峰(1010m)・・・・・・慶尚南道・陜川郡・・・2014年5月7日

陜川郡というと、ずいぶん辺鄙な所のように思うが、世界文化遺産

海印寺(ヘインサ)が郡内にある。大邱からバスで海印寺向かう場合、

郡庁のある陜川邑を通過しないので、なおさらのこと存在感が薄い。

昨夜は陜川泊、早朝の海印寺行きのバスに乗り、手前の伽耶で下車。

タクシーに乗って、清凉寺入口まで7000Wだった。まだ、早朝なので

売票所は閉まっており、そのまま通過。清凉寺への林道を歩いて行く。

清凉寺から南山第一峰を目指す。実はこの山に登るのは2度目になる。

2009年に海印寺側からの緩やかな道を登っている。だが、その日に

泊まった宿には、清凉寺側からの、険しくも美しい岩稜の写真があった。

それ以来、もう一度登りたいと思い続けてきた。さて清凉寺の飼い犬が、

無賃通過を咎めるように、吠えながらずっとついて来た。登山道に入り、

ようやく静かになった。国立公園らしく、良く整備された道を登って行く。

稜線に出た所、山頂と逆方向が「登山道ではない」と通せんぼされてる。

にもかかわらず道があるのは、展望所があるということだ。見逃せない。

柵を越え道を辿って行くと、すぐに奇岩の林立する岩場に到着。絶景だ。

東側に見えるのが、伽耶山(1430m)。韓国の山としては、高峰である。

北側には、これから登る南山第一峰の山頂。奇岩怪石を散りばめた山腹。

こんな快晴の日に、再び訪れることができ幸せである。しばし茫洋とする。

元の登山道に戻る途中には、岩陰に可憐なクロフネツツジが咲いていた。

登山道は、しばらくで岩尾根となる。この辺りで後続のハイカーの声が、

聞こえてきたが、一向に近づかない。やはり景色を楽しんでるのだろう。

実際に歩いてみると、先ほど遠望したよりも、ずっと岩が露出した尾根だ。

前方に二連の鉄階段が見えてきた。これが前回に宿で見た写真の場所。

見事な紅葉の中、登山者が数珠つなぎに、階段を登っている構図だった。

五月晴れの今日は、クロフネツツジが鉄階段の登りに、色を添えている。

登るにつれ、伽耶山がどんどん大きくなり、その立派な全容が顕となる。

人差し指を突き上げような岩。これだけの奇岩なら名前があっても良さ

そうだが、特に名称はないようだ。まあそこら中が奇岩だらけではある。

諸所にクロフネツツジが咲いていて、目を楽しませてくれる。この種は、

高さ数メートルの大木に成長するが、背が低くても大きな花を咲かせる。

南山第一峰の頂が大分近くなって来た。思ったより秀麗な姿をしている。

山頂直下は階段の連続。階段の無かった頃は、もっと楽しかったろうと

思ったりもするが、今は楽に登らせてもらっているので、文句も言えない。

2009年に来た時は、此の場所に2年間通行止めの横断幕があった。

自然保護(休養)の為、清凉寺から山頂までの1.9kmが出入禁止で、

この禁を破ると、50万Wの過怠料が賦課との警告文が書かれていた。

南山第一峰(ナムサンチェイルポン)の山頂に到着した。2度目なので

さして感慨は無い。むしろ、楽しかった岩稜歩きが終わってしまい残念。