摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

梅花山(956m)・・・・・・慶尚南道・陜川郡・・・2014年5月7日

梅花山(メイファサン)。この美しい名前を持つ山に登るついては、

少々説明を要する。手元の「韓国百名山」というガイドブックでは、

今、立っている南山第一峰を含めた山域を、梅花山と呼んでいる。

此処から見ると、単に尾根としか見えないが、この稜線の何処かが、

梅花山頂だろう。ガイド本には、ピストンするように案内されている。

(写真の左上端まで行ったが、結局、何処が山頂か分からなかった。)

見る限り魅力的な山ではないが、山域名を冠する頂には登っておきたい。

南山第一峰の山頂岩場を下ると、梅花山への分岐には出入禁止の看板。

但し、手書きで「メイファサン」と書かれているので、歩く人はいるのだろう。

韓国で真剣に通行禁止の場合は、罰金科料が幾らだとか、通行禁止の

区間や期間が明示されるはずである。どうも、この出入禁止は国立公園

の敷地の範囲外だからか、海印寺の入山料徴収の為位にしか思えない。

もちろん道標などはないのだが、道はハッキリしている。横目で奇岩を

見ながら、クロフネツツジが咲き乱れる藪尾根を、どんどんと下って行く。

下った鞍部から登り返せば、この尾根上にも大きな岩場が次々と現れる。

岩の上に登れば大展望。先程までいた南山第一峰。その向こうに伽倻山。

踏跡沿いに、案内山岳会の標識があった。都会から観光バスで来て、

この道を団体で歩くということだけど、やはり山頂からの往復だろうか。

道はずっと藪道だけど、諸所にツツジが咲いているのが救い。それも

今朝開花したように、みずみずしく、美しいカラムラサキツツジが多い。

クロフネツツジは大木が多く、肉厚な花を咲かせている。もうかなり、

歩いている。南山第一峰の頂上から眺めた、山頂らしきは過ぎたろう。

草の繁ったヘリポートを過ぎると、道端に標識があった。この先は、

道が急に下る。これ以上進んでも頂上は、見つけられないだろう。

同じ道を、南山第一峰に向けて戻る。手元の「韓国100名山」の

著者は何故この山域を梅花山と総称し、南山第一峰の頂上から

往復する道を紹介したのか。その梅花山の頂上は、何処なのか。

全ては分からずじまい。ただ路傍のツツジの花の美しさが救いだ。

南山第一峰の頂が見える所まで戻った。家族はかなり疲れている。

一般道に戻った所は、南山第一峰の直下だ。監視所が出来ていて、

その脇から梅花山への道がある。監視人が居る時には通れないな。

合流点から北側の、海印寺門前の旅館街へ下る。この道は実に

緩やかだ。賑やかな団体さんと前後しながら、のんびり下って行く。

登山口の案内板。中央のオレンジ色の線が、今日歩いた道だ。

やはり梅花山の道は記されていない。他所から登る道があると、

海印寺の入場料を徴収できないという理由か、と勘繰ってみる。

前回来た時に、泊まった韓屋の宿。相変わらずきれいな旅館だ。

此処のの食堂に飾ってあった写真を見て、南から南山第一峰に

登りたいと思ったのだ。快晴のもと、念願がかなって良しとしよう。

山菜料理の食堂が並ぶ、旅館街をバス停に向かう。切符を買うと、

直ぐに乗れと言われる。何か冷たいものでも飲みたかったのだが、

乗車して数分で発車した。此のバスは、大邱の西部停車場へ戻る。