摩耶山の麓から

Mt.Maya Without a Map

蛇梁島 智異山(397m)後編・・・・・・慶尚南道・統営市・・・2014年5月8日

朝から、今にも降りそうだった天気は、どうにか持っている。風は強くて、

ガスは相変わらず、濃淡を繰り返しているが、幸い雨粒は落ちてこない。

岩峰に架けられた吊り橋を渡って、少し下ると前方には、またしても岩峰。

このピークが伽馬峰(309m)であり、まだ行程の3分の一も来ていない。

振り返ると岩峰の橋げたが見える。よくあんな所に資材を運びあげたもの。

歩いて来た限りでは、ヘリポートや資材置き場となる場所は全く無かった。

伽馬峰(カマポン)からの下りは、また階段。ハイカーに過保護過ぎるかも。

此処は大きく鞍部まで下って行く。進行方向には、やっぱり階段道が見える。

木製の階段道を登って行くと、ようやくガスが晴れ日が差すようになった。

北側を見下ろす。泗川市へ向かうフェリー乗り場からの、バスが走っている。

沖合いの養殖イカダが、きらきら光って綺麗だった。長閑な眺めが心地よい。

階段道が終わると、佛母山へは、節理の細かい岩場を縫うように登って行く。

岩尾根に亀穴のような水溜り。カエルが数匹いたので常に水があるのかも。

東西に細長い佛母山(399m)の山頂。標識はタルバウイ(400m)とある。

本来は最高峰であるが、名前の良い智異山に、その首座を奪われている。

佛母山から下った鞍部に、テント張りの店。マッコルリを飲ますのだろう。

飲んでみたいとも思うが、此の先も岩場が続くので酔う訳にはいかない。

道標によると、あと700mも無いのだが、なぜか遠くに見える智異山。

小さな起伏が続くからだろう、実際に歩いてみれば、すぐに山頂に至る。

智異山頂。以前は遠く智異山が望めるというので、智異望山という名前

だったが、現在は山名標識や観光案内でも、智異山と表記されている。

だが、手元の2007年発行のガイド本には、智異望山と書かれている。

この山のシンボル的な岩場が山頂直下にある。此方からは難しそうだが、

反対側から容易に登れる。この岩の上にハイカーが沢山いる写真を見て、

登りに来たという訳だ。今日は誰もいなくて、余り魅力的には見えないな。

むしろ、その先の細い岩尾根の方が面白かった。右下には一般道がある。

この後は、細かい節理の発達した岩場の道を、どんどんと下っていく。

島の北側に下るか南に下るかの分岐点。少々悩んで南のトンヂ村に下る。

海に飛び込むような下り。青い空が海に写り、多島海の美しさが際立つ。

登山道は内陸の谷に向かうが、海岸沿いの車道に下る踏跡に誘われる。

正規のコースではないのだが、車道を歩いて行けばトンヂ村に着くだろう。

午前中の曇天は何処へやら、すっかり晴れ上がった。海岸線が美しい。

トンヂ村に到着。売店でバスに時刻を聞き、マッコルリとアイスを買う。

次のバスまで20分程ある。バス停は陽射しがキツイので、少し離れた

東屋でセウカン(エビセン)を肴に、マッコルリを飲みながら待っていた。

30分過ぎてもバスは来ない。でも終点だから大丈夫と思い込んでいた。

そしたら突然、背後からバスが現れ、バス停で停車もせずに走って行く。

隣で待っていたアジョシと、必至でバスを追いかけるが、間に合わない。

呆然としていたら、戻って来いと声がかかる。どうやら港にいた人が、

フェリー乗り場方面に帰るので、自家用車に乗せてやろうとのことだ。

無事フェリー乗り場に到着。ハム達を置いてけぼりにしたバスもいる。

言葉が出来ず、車に乗せてくれた方に、十分にお礼が言えず心苦しい。

この場からお礼を言いたい。この韓国の山旅は、親切な韓国の人々の

おかげで続けられている。だが市内バスは手強く、この後も苦難が続く。

カオチ港に戻って来た。明日は巨斉島の山に登ろうと思ったのだが・・。